命と世界のつながりを描いた寺島拓篤の9thシングル

「メグルモノ」は、声優としても活動する寺島拓篤さんの9番目のシングル

MVはショートバージョンのみですが、これだけでも世界観をしっかりと掴むことができます。

壮大かつ爽やかなメロディがとても印象的。

加えて寺島さんの透き通るような歌声が、より一層爽快感を際立たせていますね!

それに合わせるように、歌詞「命と世界」という壮大な曲に仕上がっています。

アニメ「転生したらスライムだった件」のオープニングタイアップ曲

寺島拓篤【メグルモノ】歌詞を徹底解説♪壮大なテーマで送るアニメ「転生したらスライムだった件」OP曲の画像

「メグルモノ」はアニメ「転生したらスライムだった件」のオープニングに起用されました。

この前のOPである「Nameless Story」も寺島さんが手掛けており、2曲続けての登用です。

「転生したらスライムだった件」はライトノベルが原作で、略称は「転スラ」

スライムに転生するという異色の展開で話題になりました。

37歳で彼女もいない主人公は、何となく生きた果てに通り魔にあっけなく刺殺されてしまいます。

彼は異世界に転生するものの、生まれ変わったのは人間ではなくなんとスライムだった!

このように、いわゆる「転生もの」にカテゴライズされた作品です。

「命が転生する」ということから「命が巡る」として、この曲のタイトルも「メグルモノ」に。

原作に寄り添うことを意識して曲作りをした寺島さんのこだわりや思いが伝わってきますね。

世界で生きる命

水滴に映った世界

雨上がりの空 星を数えた夜に
こぼれた雫は 揺れる世界を映す

出典: メグルモノ/作詞:寺島拓篤 作曲:桑原聖

出だしの歌詞からとても美しい情景が広がってくるようです。

雨上がりで葉っぱや傘に垂れる雫は、鏡のようにその場の世界を映し出します。

それは一瞬のことですが、地面に落ちる瞬間の雫は当然ながら揺らめきながら落ちる。

その揺らめきこそが、別の意味で揺れ動いている世界そのものを表現しているのでしょう。

ちなみにイントロのピアノの音色はその水滴が落ちる音をイメージしています。

この水滴は主人公が転生したスライムにも通じていて、おもしろい工夫が施されていますね。

現実とファンタジー

あらゆる事象(いのち)が二律背反(アンビバレンス)を抱えて
流れる日々の中で 瞬く

出典: メグルモノ/作詞:寺島拓篤 作曲:桑原聖

1行目にある「二律背反」とは、「二つの命題(真実またはウソ)が矛盾しあう状態」のこと。

有名な例えとして、「私はウソしかつかない」と言った人がいるとしてそれは本当かウソか…という話です。

もし本当なら「ウソしかつかない」ことになりません。

それすらウソなのだとしたら、「ウソしかつかない人」ではなくなってしまいます。

とても難しいのですが、「本当ともウソともとれる矛盾した事柄」が「二律背反」なのです。

少し話が脱線してしまいましたので、歌詞の方に戻りましょう。

この歌詞にある「相反するもの」は、「現実(リアル)」「ファンタジー」です。

「転スラ」の主人公はファンタジーな世界をリアルな生き方で生き抜きます。

それって現実?

それともファンタジー?

どちらとも解釈できてしまうから二律背反なのです。

リアルでありファンタジーでもある世界。

ファンタジーなのにリアルな世界。

矛盾している筈なのに、それが至極当然のように日々共存しています。

今現在を生きている証

儚く散る花も 吹き荒れる風も
過ぎゆく今の証

出典: メグルモノ/作詞:寺島拓篤 作曲:桑原聖

どんなに美しく咲いたお花でも、いつかは散ります。

普段穏やかな風でも、のように乱暴に吹き荒れる時だってあるでしょう。

それらは時間の流れによって起きる変化であり、今という一瞬一瞬を生きている証拠。

変化を観測するのは、命あるものでしかできないことです。

命は一瞬で終わるけれど…