まず1つ目はchayさんの使用しているギターに注目してみましょう。

このギターはFender社のデュオソニックというギターです。

かの有名なギター、”ムスタング”の前形となったギターですね。

「いや、マニアックすぎない?」と思った人もいるかもしれません。

少し青春時代を思い返してみてほしいのですが、クラスで一人は勢いでバンドを初める人っていませんでしたか。

このデュオソニックというギター、実はものすごく弦の貼りが軽いため弾きやすいものです。

そのため、学生や女性でも弾きやすいという特徴があります。

更に「チャットモンチー」さんや「SCANDAL」さんなど多くの女性アーティストが使用しているギターです!

chayさんはライブ等のメインは別の種類のギターを愛用します。

そのためこのPVのみこのギターを使った理由は深読みせざるを得ません。

ご自身が学生時代女性ロックバンドに影響を受けたのでしょうか。

あるいは今音楽に打ち込んでいる学生や、音楽への夢を諦めている人に向けた言葉なのかもしれません。

「一緒に音楽やろうよ」「あなたにもできるよ」と誘っているようにすら感じます。

白い花

2つ目のシーンは2:32ごろのこのシーン。

chayさんと白い椿の花が写っています。

恐らくPVにおいて重要なテーマである「白」を、より強調するためにカットインされたシーンと推測されます。

「白」という色は、「始まり」「よごしてはいけない」「清純」という心理効果を与えるといわれています。

青春ソングといえばいうまでもなく「桜色(PVでも使われています)」や「青」の イメージが多いでしょう。

しかし、あえて白を中心にとした題材にするという点にこだわりを感じられます。

chayさんには「汚したくない大切な思い出がある」のでしょうか。

または「今大切にしてほしい思い出が(聞き手に)ある」というメッセージが込められているのかもしれません。

そして白椿の花言葉は「完全なる美しさ」「至上の愛らしさ」という意味です。

青春とは人生で、ある意味もっとも純粋で屈託のなく美しい時期。

だからこそ少年少女はたくさん将来や今のことで葛藤したり苦悩したりするでしょう。

そして自分で夢や答えを出して皆が前に進みます。

撮影地で意図せず咲いていた花なのかもしれませんが、何か縁を感じずにはいられないようなポジションですね!

歌詞について

PVでも豊かに表現された印象深い歌詞を、一番までピックアップして解説してみます。

Aメロ

足早に 過ぎてく1ページ
追いかけて 追い越して 風を感じてた
理由(わけ)もなく はしゃいだ 帰り道
あの瞳 その声も 忘れたりしない

出典: 大切な色彩/作詞:chay・安倍純・Rie Tsukagoshi・岡田博子 作曲:藤田卓也・安倍純・Huge M・田川瑚子

歌いだしから「足早に…」という重い現実が突きつけられます。

しかしその有限の時間の中から、chayさんがどれだけ充実した学生生活を送っていたのでしょうか。

あるいはもっと彩りたい気持ちがあったのかもしれません。

思わず考えさせられますね!

Bメロ

数え切れない きらめきを つかまえたくて

出典: 大切な色彩/作詞:chay・安倍純・Rie Tsukagoshi・岡田博子 作曲:藤田卓也・安倍純・Huge M・田川瑚子

この一行というシンプルさ。

シンプルに4小節でサビに移行します。

それぞれの歌詞に秘めた想いの強さを、より見てとることもできるのではないでしょうか。

「きらめき」とは青春のことだと思われます。

サビ

「一瞬」止めて。もう一度だけ
いつも通りの仕草で 変わらない笑顔で
「青春」止めて。色褪せたりしない
二度と出会えない日々を 大切な色彩(いろ)を いつまでもずっと

出典: 大切な色彩/作詞:chay・安倍純・Rie Tsukagoshi・岡田博子 作曲:藤田卓也・安倍純・Huge M・田川瑚子

歌詞全体を通して何度も使われるフレーズが、1行目の前半と3行目の前半です。

このあたりがなんとも切ない歌詞に思えます。

「。」という句読点の表現もリアルですし、突然「止まれ」という命令口調が迫真で非常に良い温度感です。

幸せな時間というのは、誰もが止まってほしいと思います。

現時点での学生の人たちも、この曲を聴いているリスナーも。

今から幸せな時間を見つけた時に、自分が「止まってほしい」と思うくらいの「幸せ」なのでしょうか。

それを自分自身に問いかけてみたくなる歌詞です。

もしそう思うような時間に遭遇したら、それは今青春しているのかもしれません。

まとめ

前向きな青春