ここからはアルバムタイトルにもなっているリード曲「ロックバンドになって」を解説しましょう。

真剣な想いが伝わってくるサビ

打ちつけられるような印象のギターベースドラムの音。

そんな勢いのあるキメを経て、楽曲はサビから始まります。

真剣な想いが伝わってくるようなまっすぐな歌声で爽やかに歌われるメロディ。

力強く疾走するバンドのサウンドがそれを後押しします。

確立されたキャラクター

スリーピースバンドというと、その編成からそれぞれのキャラクターがはっきりと浮き彫りになります。

このバンドギターが少し控えめな印象。

1番のAメロなどはほとんど弾かないアレンジも見せています。

これは、ベースドラムの存在感を引き立てるためのものではないでしょうか。

縦横無尽にうねるベースプレイを聴かせる岩佐貴明。

曲を前に転がしていくような、パワフルなドラムが印象深い澤本健大。

2人の音が塊のようになってバンドのサウンドを引っ張っているイメージがあります。

ヴォーカルギターの奥智裕もこの強靭なリズム隊があってこそ、胸を熱くさせる歌を響かせられるのでしょう。

ラストまで釘付け!

バンドとして一番の聴かせどころは、やはりラストのサビではないでしょうか。

ここでのアレンジがまた心を躍らせてくれます。

サビに入る前の溜めの効いたドラムや、キーを一つ上げる転調。

勢いを増すリズムアプローチと、たたみ掛けるようなサウンドが押し寄せてきますよ!

歌詞の内容も相まって前に突き進もうというバンドの意志が表されているようです。

その熱量も伝わってくるMVを紹介

さて、ここで「ロックバンドになって」のMVをご覧いただきましょう!

前項での楽曲解説も是非参考にしてみてくださいね。

最初のシーンは車の行きかう街にたたずむメンバー3人の姿から。

街人というバンド名を彷彿とさせるような場面ですね。

マンションの一室が舞台

MVメインとなるのはマンションの一室で演奏を繰り広げる3人を映したもの。

コンクリート剥き出しの無機質な壁に歌詞が浮かび上がる演出がなされます。

スタジオ練習のように向かい合って演奏する3人。

しかし、ベッドや冷蔵庫、ブラウン管や観葉植物と、生活感のあるインテリアがスタジオとは違った雰囲気を醸し出します。

熱の伝わる演奏姿

やはりバンドの熱量が一番伝わるのはこうした演奏シーンですね。

3人の演奏する姿からも、音楽に傾ける情熱が存分に感じられたのではないでしょうか。

髪を振り乱しながら一心にドラムを叩く澤本に、飛び跳ねるような派手なアクションが目を引くベースの岩佐。

奥智の歌う表情からも、その真剣さがひしひしと伝わってきます。

いくらそれ用に撮影された映像だとは言っても、このステージングは一朝一夕に出来るものではありません。

一心不乱にライブをこなしていく彼らの積み重ねがあってこその熱のこもったMVですね。

カメラワークにも注目