東京という街の中に溢れる、様々なできごと、そして様々な感情。
溢れ出したそれらは、大都会の中で常にゆらゆらと蠢いています。
情報に溢れている東京の中で、もはや真実を見つけることなど不可能に思えてしまう。
そう思いながらも、主人公は恐れに負けないよう必死で大都会へ手を伸ばし始めます。
少しでも近づきたくて。少しでも距離を縮めたくて。少しでも馴染みたくて。
そうして大都会の空気に染まろうと、閉ざした心を開く努力を始めました。
少しずつ東京へ馴染んでゆく
黄緑の人生
向かって行く紫色のSoap
誰もみな意識を無くして
Grungeきどる
焦げついたLime life
出典: Color Tokyo/作詞:山中拓也 作曲:山中拓也
グランジとは、ロックミュージックの中の1つのジャンルを指す言葉です。
ここでは、ちょっぴりカッコつけて気取っている様子を表現する言葉として用いられています。
そして4行目に登場するライム。
レモンよりも強い酸味を持っている黄緑色の果物は、主人公が生きる人生の象徴です。
大都会東京に溶け込もうと、気取ってカッコつけている主人公。
そんな主人公の人生は、ライムのように酸っぱくてほろ苦くて、そして実はちょっぴり甘い。
つまり一筋縄ではいかないような、一癖も二癖もあるような東京での生活を表現しているのです。
自由な街に蔓延する騒音
それぞれのStyle 身勝手な
言葉が行き違って行く
混ざり合う Ruidoで
出典: Color Tokyo/作詞:山中拓也 作曲:山中拓也
これは東京だけではなく、現代の都会に生きる人々を表現しています。
3行目の言葉通り、まるで雑音が混ざり合っているような状況。
東京に住む人々は、好き放題やり合って好き放題言い合って、自由気ままに過ごしています。
不自由で閉ざされた空間のように見えていた東京。
しかしそこで過ごす人たちは、自分らしさを持って好きなように生きている。
主人公にとっては、東京とそこに住む人たちがそんな風に見えているようです。
東京色って?
遊べて壊せるもの
Tokyo色で遊んで壊して
Tokyo色で遊んで壊して
出典: Color Tokyo/作詞:山中拓也 作曲:山中拓也
この記事のタイトルにも記した「東京色」がここで登場します。
この「東京色」が一体何を表現しているのか、それは最後に解説しましょう。
過去×現在×未来
気がついたのは
この街に残る色と
脆くも儚い日々が
怖いくらい 怖いくらいに
魅力的で
出典: Color Tokyo/作詞:山中拓也 作曲:山中拓也
2行目で表現されている色は、もともと大都会東京が持っていたものです。
いわば、ベースカラーのような、変わることなくそこにあり続けるものとして表現されています。
それと対照的なものとして表現されているのが、3行目の部分です。
東京という街だからこそ、常にたくさんの人々が入ってきて、同じくたくさんの人が出ていく。
そうして流動的に変化する様子を、このようにきれいな言葉で表現しているのです。
最後の5行目で歌われている通り、主人公はそんな街の雰囲気にすっかり魅了されました。
もともとある東京の空気感。そして入っては出ていく、そんな変化の激しさを誰も気に留めない雰囲気。
大都会が織りなす独特の世界観に、主人公はすっかり憑りつかれてしまった様子です。