楽曲について
映画「ラストレター」主題歌
「カエルノウタ」は2020年1月15日に発売された、女優である森七菜の歌手デビュー曲です。
楽曲は自身の出演映画「ラストレター」の主題歌として起用されました。
作詞を監督の岩井俊二、作曲を小林武史とそれぞれ映画の製作陣が担当しています。
少年と少女の間をたゆたう瑞々しさと、誰にも真似できない力強さがある。
映画のプロデュースをつとめる川村元気は彼女の歌声をこう評しています。
言葉の通り、すっと心に染み渡るような透明感のある歌声は心地良く、いつまでも聴いていたくなります。
女優や声優と活躍の場を広げている森七菜。
その魅力の奥深さを感じられる楽曲に仕上がっています。
物語を彩るMV
ひとつの短編映画のつもりで映像化したという映像は、幻想的で美しい世界に満ちています。
美しい光景と森七菜の声が重なり合って生まれるハーモニーに心が震えます。
楽曲とあわせてぜひご覧ください。
水中のカエル
一匹のカエル
つぶてを 水に放つ
波紋が 輪を描き広がる
はしゃいだ 子どもたちの
声も届かない この場所で
あぁ、この想いも 痛みさえも
出典: カエルノウタ/作詞:岩井俊二 作曲:小林武史
初夏の気候の中、楽しそうに声を弾ませる子供達の姿が目に浮かびます。
水面に石を投げて遊んでいるようですね。
歌の主人公はその光景をどこからか眺めているようです。
その居場所は深い深い水の中。石を投げ込まれた池の底。
「カエルノウタ」というタイトルから主人公は一匹のカエルであると考えられます。
水の中のカエルの存在に子供達は気付いてはいません。
静かな水の底で、カエルは人知れず何かを抱えているようです。
カエルの願い
ねえ どうして
そんなに うつむいて
君の こころここに なくて
じゃあ どこにある?
出典: カエルノウタ/作詞:岩井俊二 作曲:小林武史
水の底からカエルは誰かに問いかけています。
おそらくは陸上で遊ぶ子供達へでしょう。楽しそうな顔の中に一人だけ物憂げな様子の少年がいました。
何かに心をとらわれているのか、どこかぼんやりとしているようです。
その姿を気にかけて、心配するカエルの心情が読みとれます。
どうか気づいて
くしゃくしゃに
書き捨ててきた メッセージ
出典: カエルノウタ/作詞:岩井俊二 作曲:小林武史
水底のカエルの姿はその少年には見えていません。
自分の思いに気付いて欲しい。カエルは願います。
途中で恥ずかしくなったり、伝える勇気がなかったり、破り捨てて渡せなかった手紙。
そんな風に、結局伝えることができなかった思いがあるのでしょう。
それが何であるかは、まだこの段階では分かりません。
水の世界
つぶてを 水に放つ
浮き足立つ声 跳ねる波
ゆらめく 陽の光の
隔(へだ)てる カエルタチノスミカ
ずっと‥‥
出典: カエルノウタ/作詞:岩井俊二 作曲:小林武史