『酒のやど』はロングヒット

香西かおり「酒のやど」の歌詞を解説!冬の夜に出逢ったふたり…引き寄せられた理由が身に染みるの画像

『酒のやど』は、デビュー25周年を記念して、2012年にリリースされました。

2012年のレコード大賞優秀作品賞を獲得。

同年のNHK紅白歌合戦にもこの歌で出場しています。

オリコンチャート最高は21位ながら、なんと58回も登場するロングヒット。

香西かおりの代表曲として愛される楽曲に成長しました。

作詞作曲は?

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『酒のやど』は、香西かおり35枚目のシングル

作詞は池田充男です。

おもに演歌を手がける作詞家で、八代亜紀の『愛の終着駅』、大月みやこ『白い海峡』などを手がけています。

ちなみに『白い海峡』も、雪が乱れ飛ぶ歌詞です。

作曲森山慎也は、為岡武の筆名の1つです。

バンドマンからプロデューサー業に転身し、『北酒場』『矢切の渡し』をヒットさせます。

その後、さらに出世して文化放送音楽出版社JCMのトップに!

多才とはまさにこの方のことですね。

『酒のやど』をお聴きください

山の道に浮かび上がる灯に香西かおりの着物姿が素敵です。

竹林や日本庭園での撮影は、演歌っぽい純和風な雰囲気

雪は降っていませんが、この歌の持つ色っぽさが伝わってくるMVです。

香西かおりの歌い方にも注目!

サビの「さすらいの〜」の「さ」の発音がなんとも色っぽいです。

ぜひ、耳をすませて聴いてください。

『酒のやど』設定は?

『酒のやど』は、ある夜の酒場の男と女の物語。

女性は店の経営者らしいです。

店を持っているのではなく、雇われママなのかもしれません。

そこにやってきた1人の男性。この男性にもいわくがありそうです。

ある夜、この男性がふらりと店に入ってきます。

どこからやってきて、どこへ行こうとしているのかわかりません。

近所に住んでいるのではないのは確かなようです。

この歌は、この男性の目線で書かれています。

では、物語の詳細を紐解いてみましょう

『酒のやど』の歌詞を紐解く

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おんなは翳ある 横顔見せて
西から流れて きたという

出典: 酒のやど/作詞:池田充男 作曲:森山慎也

「ママさん、言葉違うね。この辺の人じゃないでしょ。どっからきたの?」

いわくのある人はむやみに出身地は言わないもの。

といって、「そんなことどうでもいいでしょ」とはぐらかすこともしない。

会話がポンポン弾むわけでないけれど、暗い人ではない。

自分をひけらかしたり、他人にやたらに踏み込まない人。

そんな人は、真正面から目を見ません。

ふっと目を逸らす。そんな仕草が大人の女性の雰囲気です。

心を許し始めて

問わず語りの 身の上話
膝をよせあう カウンター

出典: 酒のやど/作詞:池田充男 作曲:森山慎也

自分のことは滅多に語らない人が、聞いたわけでもないのに自分の話を始める。

これは心を許し始めている証拠です。

「この人になら話してもいい」

そんな気持ちになったから女性は自分のこれまでの人生を話し始めたのです。

酒場といえばカウンターです。

通常は、長いテーブルを挟んであちらとこちら。中と外。

距離を置いた店の女性と客の関係のはずなのに、いつの間にかカウンターに並んで座っている

しかも、膝が触れ合うほどに近く座っています。

お互いの温もりが伝わってくるようです。

さすらうふたりが出逢った夜

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