そして、1番のサビでは主人公が変わらぬ愛を捜し続ける理由も明らかになります。
それは「悲しい想い出も自分の力に変えるため」です。
彼女の悲しい想い出の1つは、Bメロで語られていたように信じていた愛に裏切られた経験。
人は一度愛していた誰かに傷つけられると、もう誰も信じないと思ってしまいがち。
しかし、彼女はその経験さえも自らの糧にしようとしているのです。
もし変わらぬ愛を信じられなくなってしまったら、自分の負けだと思っているのでしょう。
いつか、やっぱり信じてよかったと思えるまで変わらぬ愛を捜そう。
そんな彼女は大人にはなりきれていないかもしれませんが、とても強い女性です。
純粋な気持ち
1番に引き続き、2番でも主人公の疑問とそれに対する気持ちが描かれています。
ただ周りだけではなく、彼女自身も少しずつ変わり始めているようで…。
純粋だった子供から、不本意ながらも成長してしまった彼女の気持ちに注目です。
本当の気持ちを隠す大人
人は何故弱気な自分を
Uhh...隠すの?
正直な子供の心を
Uhh...失くすの?
躰重ねる度
大切な会話さえも
交わさぬまま
すれ違う愛情
出典: Over and Over/作詞:五十嵐充 作曲:五十嵐充
2番のAメロ・Bメロ。
ここでもう1つ、主人公の頭には人生に対する疑問が浮かびます。
それは大人たちを見た時に感じた疑問でした。
本音を隠して相手に合わせる大人たち。
時には必要なことかもしれませんが、彼女にとってはその光景が気持ち悪く感じられたのでしょう。
そして悲しいことに彼女自身も本音を隠していることに気がつくのです。
それは、彼女が恋人といる時のこと。
本当は相手と会話をして心を通わせたいのに、彼女は相手に望まれるまま自分の躰をあずけていました。
伝えたいのは愛の言葉。
それなのに「重い」と思われたらどうしよう、言葉を受け入れてもらえなかったらどうしよう。
そう思うと、彼女は口に出せなかったのです。
特に女性はよくこの気持ちが分かるのではないでしょうか。
迷いながらも
少しずつ まわり道でも
終わらぬ旅の果てに
Over and Over
Over and Over
いつかは たどり着くのだろう
出典: Over and Over/作詞:五十嵐充 作曲:五十嵐充
自分自身も周りの大人たちと同様に、純粋なままではいられなくなってしまった主人公。
そのことに彼女は少し絶望しながらも、やっぱり変わらぬ愛を捜すことをやめられないようです。
今は傷ついても、移りゆく愛しか感じられなくても、それでもいつかは…。
そんな祈りにも似た希望にどこか切ない気持ちになってしまいます。
自分は今、彼女のように希望を捨てないで生きているのか。
自分自身を大切にできているのだろうか。
そんな風に感じさせられるのではないでしょうか。
変わらぬ愛を捜し続ける
最後にCメロと、締めのサビの歌詞をご紹介します。
愛に裏切られ自分自身も本音を隠し、そのことに少ながらずショックを受けてきた主人公。
最後まで彼女は変わらぬ愛を捜すことはできるのか?
大人になったみなさんも今の自分を省みながら歌詞に注目してみてください。
純粋に誰かを愛したい
悲しみの数だけ
ありのままに愛せるのなら
恋に落ちると
時に誰かを傷つけてる
言い訳しても
虚しさだけが残るよね
出典: Over and Over/作詞:五十嵐充 作曲:五十嵐充
子供を卒業し、何度か信じた愛に裏切られてきた主人公。
傷ついてきたのだから、自分は大きな愛で誰かを包もうと思っていたのです。
しかし、恋愛において誰も傷つけないということは結構難しいこと。
自分が誰かと両想いになったとしても、その相手のことを別の誰かが愛している…という可能性もあります。
また、誰かのことを想っている自分を好いている人だっているかもしれません。
そんなの仕方ないじゃん、それが恋愛だもの。
多くの人はそう思うかもしれません。
しかし、主人公は純粋な性格故に「じゃあ時に傷つくことが愛なの?」と考え込んでしまいました。
この先、永遠に
別離もめぐり逢いさえ
終わらぬ旅のように
Over and Over
Now and Forever
それでも愛を捜すだろう
変わらぬ愛に届くだろう...
出典: Over and Over/作詞:五十嵐充 作曲:五十嵐充
正しい愛、間違った愛、変わらぬ愛…。
愛に答えを出すことは、子供でも大人でもとても難しいことです。
主人公も今の時点では、自分の望んでいる愛が一体何なのかは分からないでいる様子。
けれど、だからといって愛に対して失望しているわけではありません。
生きている限り、出逢いも別れも経験するでしょう。
その上で何度も。この先、永遠に主人公は変わらぬ愛を捜そうと決意しています。
今、愛を諦めている人がいたら、この純粋な主人公の姿に勇気をもらえるのではないでしょうか。
たくさんの人と巡り合う人生。
もしかしたらこの世界のどこかに、変わらぬ愛が存在しているかもしれません。
「どうせ、そんなものない」と諦めるよりも、強がりでも信じた方が人生は輝いていくでしょう。