どんな曲?
本曲は2010年にリリースされたミニアルバム「RE DISTORTION」の中に収録されています。
パチンコという少し変わった題材を扱っているため、歌詞に専門的な言葉が登場したりと面白いものになっていますね。
パチンコとはいったいどのような場所だと歌われているのでしょうか?
この曲が【Fever Believer Feedback】と命名された理由や、歌詞に登場する専門用語についても触れながら解説していきたいと思います!
社会の縮図
取り憑かれた人々
学生風や背広の中年
下品に笑う女やら老人
どうにかなりそうな騒音が
娯楽の意味さえ
掻き消すギャンブル場
出典: Fever Believer Feedback/作詞:山田亮一 作曲:山田亮一
老若男女問わず様々な人がパチンコ店に訪れていますね。
中でも女性と老人が一般的な姿とは掛け離れた様子で表現されているのが気になるところです。
パチンコ屋の店内は頭がどうにかなってしまいそうな程大きな音に包まれているのが分かります。
もしかすると騒音やタバコの臭いに包まれ続けていたせいで、人がおかしくなってしまっているのかも知れませんね。
パチンコ店に訪れる人の誰もが、初めは気分転換にゲームをする感覚で遊びに来ているはずです。
しかし、何度も何度も通い詰めるうちに感覚がおかしくなってしまうのでしょうね。
パチンコにハマり抜け出せなくなってしまった人々の狂気的な様子が上手く表現されている冒頭でした。
よそ者への視線
苛立つ常連尻目にして
一見さんが得手してフィーバー
インターカムの邪推に幻滅
「この後、春でも買うんかいね」
出典: Fever Believer Feedback/作詞:山田亮一 作曲:山田亮一
初めて来店した人がビギナーズラックを発揮したのでしょうか?
大当たりして喜んでいるところを見て、常連のお客が舌打ちしているのが目に浮かびます。
いつも通っているパチンコ店は自分たちのテリトリーでもあるのでしょうね。
常連客は一見さんが遊びに来るのをあまり快く思っていないようです。
毎日通っていても滅多に当たらないのに、ふらっと入って来た人間が大当たりしているのが気に食わないのでしょう。
こういった風景はパチンコ店に限らず、日常でも見られますね。
例えば部活に入って来た1年生が先輩を差し置いて活躍しているのを疎まれたり、新入社員が上司からいびられたり。
上手くいっていない人間から見ると、上手くいっている側の人間のする事の全てが面白くないのです。
それは醜い嫉妬でしかないのですが、そんな人間の醜い部分が顕著に表れてしまうのがギャンブルの世界なのかも知れませんね。
パチンコ店のスタッフでさえも陰口を叩いています。
店員も一見の客が勝つのをよく思っていないのですね。
この場所はふらっと遊びに来るような場所ではないという事なのでしょうか。
もう抜け出せない
賭ける者の望み
揃うスリーセブン
フィーバービリーバーフィードバック
サンドは彼らの
紙幣をシュレッダーみたいに刻む
出典: Fever Believer Feedback/作詞:山田亮一 作曲:山田亮一
「7」の数字が3つ横、または斜め方向に揃う事をスリーセブンといいます。
ギャンブルをした事のない方でもゲームセンターなどで一度は目にした事があるのではないでしょうか?
スリーセブンといえば正真正銘の大当たりなので、ギャンブラーにとってはすごくありがたいものです。
パチンコ店に通うすべての人がこのスリーセブンを願ってパチンコ台に向かっているといっても過言ではありません。
この章では曲名にもなっている【Fever Believer Feedback】という言葉が登場していますね。
フィーバーはつまり大当たりの事なので、大当たりを望む者への答えといったところでしょうか。
フィーバービリーバーはパチンコ店を利用する全ての客を指すとも考えられますが、歌詞を見る限り言葉に悲壮感が感じられますね。
なので、パチンコにハマってしまい抜け出せなくなってしまったギャンブル依存症の人々を指す言葉なのだと考えられます。
パッと聞いた印象では夢を掴もうとするような明るい印象を受ける言葉なだけに強い皮肉を感じます。
皮肉の籠もった曲名には強いパンチ力を感じざるを得ませんね。
サンドとは紙幣を入れてパチンコの玉と交換する機械の事です。
いつか当たる、いつか当たると血眼になって玉を打つ人々のお金を無限に吸い続ける恐ろしい機械の様に表現されていますね。
本当にサンドがシュレッダーの様な働きをしていたら恐ろしい事ですが、お金を無駄に使っているという事の揶揄なのでしょう。
ギャンブルでもそうでなくてもいえる事ですが、何事も辞め時を失ってしまうというのは怖いものです。
あと一回もう一回
スロウダウンパチンコの妙
不安に憑依するケチな妖怪
CR人間模様
気付けばそれの虜になってる
出典: Fever Believer Feedback/作詞:山田亮一 作曲:山田亮一
パチンコといえばギャンブル依存症に陥ってしまう人が多いというイメージがあるかと思います。
パチンコ店内にも依存症対策のポスターが貼ってあるほどですね。
大きな社会問題になっているくらい難しい問題です。
リーチによる派手な演出、たまに出る小さな当たりなど様々な要因が重なって人はパチンコの虜になります。
今やめて帰ったら次に座った人が当たりを出すかも知れない。
そんな不安に襲われるせいで、回転時間から閉店時間までずっと店から離れないという人がたくさん居るのでしょうね。
ギャンブル依存症とは本当に悲惨なものです。
それは正に妖怪の仕業だと思いたいくらいに。
醜い人間の姿が間近に感じられる1番の場所がパチンコ店なのかも知れませんね。