楽曲自体もこれまでの「High Free Spirits」や「adrenaline!!!」とは違う軽快なロック調です。
TrySailの3人も最初に聞いたときはテンポの速さに戸惑ったと語っています。
それでも「ライブにも新しい勢いが加わるし、曲自体も遊び心にあふれているので発展性がある」と楽しみに代えてレコーディングに臨んだそうです。
「WANTED GIRL」の歌詞を解説
最高のショータイムを始めましょ!
1、満月はスポットライト
1、2 流れ星のムービング
1、2、3、 最高のショータイムを さあ 始めましょ!
出典: WANTED GIRL/作詞:ハヤシケイ 作曲:ハヤシケイ
この歌の印象を決定づける元気いっぱいのフレーズから始まります。
最初の2行はショーの幕開けを告げる演出のひとつ。
控え目というよりも、まぶしいくらいにライトアップしている感じがします。
ここが夜空の見える場所だということを示しているのかもしれません。
そして、いよいよ最高のショーの幕開けです。
そう言っているのは、主人公の女性です。
何となく古めかしい言い回しですが、高らかに宣言しているのでしょう。
主人公が誰かに向かって二人が主人公になる新しい物語を一緒に始めましょうと呼び掛けているんですね。
「ワン、ツー、スリー」と勢い付けているのは、気後れしてしまう自分自身に弾みをつける意味があるのかもしれません。
「WANTED GIRL」は狙われている女性というよりも、私を狙ってよという女性の赤裸々な告白のようです。
冗談だって思ってるんじゃない?
ねえ 隙なんて見せちゃいけないわ
ココロ盗み出す 完璧なトリックで
あれれ? ねえ ほんの冗談だって思ってるんじゃない?
とっておきのイリュージョンを さあ 見せてあげる
ありえないようなFantasyに見えても
ノースタントかつノンフィクションのCaper Film
塗り替えたいんだHistory
過去 未来も いまも 私のカラーで
染めてみたいじゃない
出典: WANTED GIRL/作詞:ハヤシケイ 作曲:ハヤシケイ
突然の告白に戸惑う男性にも女性はめげません。
「Caper Film」は泥棒映画という意味。
もちろん盗むのはあなたのココロです。
そして、あなたの気持ちを全部自分の色に塗り替えたいとまで言っちゃいます。
これで後戻りなんてもうできません。
玉砕覚悟の背水の陣です。
全部全部 手に入れたいの
そう だからね 深い深い海の底も高い高い空の向こうも
全部全部 手に入れたいの わがままかな
捕まえて縛ってみたってスルッて簡単に解けちゃうわ
風のように自由に舞うWANTED GIRL
ほら 長い長い真夜中にだって キラリ光る星は浮かんで
思い思いに結んだ線はオリジナルのサイン
1、満月はスポットライト
1,2、流れ星のムービング
1、2、3、最高のショータイムを さあ 始めましょ!
出典: WANTED GIRL/作詞:ハヤシケイ 作曲:ハヤシケイ
言っちゃった。
なんて表情はおくびにも出さず、女性はひるまずに畳みかけていきます。
海も空も全部あなたのことです。
深く、高くは、頭からつま先までというか記憶の隅ずみまでというか。
とにかくあなたのすべてです。
そして、おそるべき執着心で脅しながら「でも、あなたの自由になんてならないの」とペロっと言い放ちます。
完全無欠のヒットアンドアウェイです。
さあ召し上がれ
Oh 大胆不敵に犯行声明
「絶対に不可能だ」って それって挑戦状 そうでしょ
ねえ 退屈っていつも飽き飽きしてんじゃない?
もってこいのスパイス さあ召し上がれ
人生はいつもMystery
台本は要らない 譜面に起こせないImprovise
お呼びじゃないわMisery
どうせなら ラッキーデイとハッピーエンドで
いっぱいにしたいじゃない
出典: WANTED GIRL/作詞:ハヤシケイ 作曲:ハヤシケイ
男性もこのまま押し切られるのはマズイと感じたんでしょう。
「いや、それは無理だって」と軽くジャブを返してみせたはずです。
いわゆる防衛本能です。
それに対して女性は次々とあの手この手のカウンターを繰り出していきます。
もしかして、その男性が「面白いことないかな」なんてつぶやいたことがあったのかもしれません。
いや、男性ならば誰かに向かって一度は言ったことのある挨拶みたいなコトバです。
でも、そこに女性はしがみつきます。
Improviseは即興。
Miseryは悲惨という意味です。
つまり、私と付き合うと行き当たりばったりだけど、刺激的で楽しい人生が過ごせるよと言ってのけているのです。
もう必死です。