『徒然草』第150段の再解釈!?

タイトルは「愛し続ける」という意味

tofubeats【Keep on Lovin' You】MVを解説!現代版徒然草?継続に意味あり!の画像

大物ミュージシャンとのコラボで着々と知名度を上げてきたtofubeats(トーフビーツ)。

彼が今回『Keep on Lovin’ You』で表現したのは、あの有名な古典『徒然草』。

鎌倉時代の末期に吉田兼好が綴ったとされている随筆ですが、今読んでもなるほどと頷くことがたくさん含まれています。

『徒然草』全てがモチーフとなっているわけではなく、MVのサブタイトル通り第150段が元となっているようです。

一体、どんな内容なのでしょうか?

『徒然草』第150段のメッセージとは

芸の道を極める方法について

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『徒然草』第150段で述べているのは芸の道を極める秘訣といったようなこと。

要約すると、才能や資質といったものより平常心で頑張ることが大事。

最初は下手であっても芸の教えを尊重し継続することで、その道の達人となることも可能だ…という内容です。

「努力の天才」という言葉がありますが、たゆまぬ努力を続けるというのも一種の才能と言えるでしょう。

また、日々の練習をさぼったり適当にこなしたりしていると、せっかく持っていた才能や資質が無駄になってしまうということも…

イソップ物語の「うさぎとかめ」のように才能にうぬぼれていると、地道に努力をしていた人に追い抜かれることもあり得るのです。

吉田兼好が伝えたかったことは「最初はどんな達人でも下手なのだから、臆せずに努力し続けなさい」とも受け取ることができます。

現代にも通じるものがありますね。

tofubeatsこと河合佑亮さんは、恐らくこの芸事を極める秘訣は「音楽に対しても同じことが言える」と思ったのではないでしょうか。

どんな風にそれを表現したのか、まずはMVからチェックしてみましょう。

MVをチェック!

何気ない休日の姿を映し出している

このMVの主人公は一人の女の子。部屋で気だるげに寝ているシーンから始まります。

起き上がっては飲料水を飲むというのを2回繰り返しているのが印象的ですが、実はこの曲は「サントリー天然水 GREEN TEA」とのコラボ曲となっているのです。

やっと起き上がった彼女は、服を着替えアクセサリーを付けて外へ。

駐輪場に向かいますが、自分の自転車が倒れていることに気づいてうんざりした顔。

起こそうとしますが何台も重なっているためか、なかなか起こすことができません。

こういう時は一台ずつ上から起こしていくしかないのですが、それも面倒くさかったのか女の子は諦めて部屋へ戻ってしまいました。

ベッドに身を放り投げてため息。手にはバックを持ったままです。

今日はもう外出を諦めてしまったのでしょうか。

次の日に颯爽と外出

また冒頭と同じようなベットに寝ているシーンから始まります。

起きてまた飲料水を飲むところまで一緒です。

しかし、この日は違っていることが。

準備をして、外へ出ると駐輪場の自転車は綺麗に立ち上がっていました。

それを見て機嫌よさげに微笑む女の子 。彼女は自転車に乗って颯爽とどこかへと出かけます。

自転車に乗った女の子をこれでもかと追うカメラ。 楽しそうな彼女の様子は見ていて確かにこちらまで心が躍りますね。

おあつらえ向きにシャボン玉まで飛んできました。

気持ち良さそうにシャボン玉の中を走って行く女の子。

彼女の笑顔にスタッフクレジットが重なりMVは終わりかと思いましたが…

最後にまた冒頭と同じようなベットに寝ている姿が。また起きて飲料水を飲む…日々のルーティンを大事にしているのでしょうか。

彼女にとって何気ないことの積み重ねが心を穏やかにしているのかもしれませんね。

続いては歌詞について解説していきたいと思います。

歌詞を解説!

君は楽しんでいるかな?

喫茶店 向かい合っているけど上の空
君は楽しいと思ってるかな?
笑顔を見せているけど

たくさんの人がいて
たくさんの物があるよね
なぜだか理由はわからないけど
少しずつ近づきたい

出典: Keep on Lovin’ You/作詞:tofubeats 作曲:tofubeats

この歌詞の主人公はちょっと気のある相手と一緒に喫茶店に入っているようです。

テーブルを挟んで座っている彼女は、一見、機嫌良さげ。

それでも本当の気持ちは違うかもしれないと主人公は心配している…彼の誠実そうな性格が伝わる部分ですね。

また、いろんな人物や事柄に興味を持つ、好奇心旺盛な主人公。

しかし、同時にとても慎重なのか、対象への距離は少しずつ縮めていきたいと思っているようです。

どうしてかは説明できないようですが、ちょっとずつ知っていくことで深く対象を理解することができるからではないでしょうか。

また、それぞれの個性の違いを理解し、尊重する姿勢も持っていることが歌詞から伝わります。