さて、ここで改めて「Road」の歌詞を考察してみましょう。
いわゆる男女の「別れ」を意味するフレーズは見当たりません。
「目まぐるしい毎日の中で、置き去りにしてきたものがある」
「君に何もしてあげられなかった」
誰かを責めることもなく、ただ自らの過ちを振り返り、後悔の念を抱く言葉が印象に残ります。
「自分を誇れなかった」
「迷っていた」
そんな過去も正直に告白した言葉を含め、「君」との関係は決して順調ではなかったことはうかがえます。
MVで、チャンミンはバスの中で眺めた女性のイラストを再び取り出し、たき火にそっとくべようとします。
しかし、実際にそうする場面までは映っていません。
「Road」で歌われているのは、「君ともう一度、しっかり歩いていこう」というメッセージ。
詞の中の「君」は、もう1つの言葉でも表されています。それは「大切な人」。
これもまた、東方神起が陥った逆境を知る人なら、あるイメージが浮かびます。
それは、苦しいときもしっかりと支え続けてくれた大勢のファン。
チャンミンが決別しようとしたのは、かけがえのない「大切な人」が味わった喪失感や悲しみ。
鏡に叩きつけた拳は、「大切な人」をそんな気持ちにさせてしまった自分自身にぶつけた感情の表れなのかもしれません。
「一緒に歩んでいきたい」
今年6月、海外アーティスト史上最多となる1ツアー動員数100万人という快挙を達成した日産スタジアム3デイズ。
前年11月から続いた5大ドームツアーの追加公演で、日産スタジアムのステージに立つのは、何と5年ぶりのことでした。
2人は、集まってくれた超満員のファンに最大級の感謝を伝え、ユンホは「一緒に歩いていきたい」と口に。
「Road」は、このステージでも披露されました。
まさに、ファンに対する「今」の気持ちを、ありのままに歌った楽曲なのです。
「Road」へと続いた道
栄光への道
「Road」という楽曲を深く理解しようとする時、彼らの壮絶なヒストリーを抜きにすることはできません。
2003年に結成され、本国の韓国では翌年、その翌年には日本でのデビューを果たした東方神起。
当初は5人組のグループで、斬新な「アカペラ・ダンス」を標榜。韓国で瞬く間にトップスターに上り詰めました。
日本進出後は地道な活動が続いたものの、2007年には日本武道館で2日間連続公演を成功させます。
翌年には16枚目のシングル「Purple Line」が、日本国内初のチャート1位に。
快進撃は続き、日本では海外アーティスト「シングル首位獲得数」ナンバー1の座も手に入れました。
とどまることを知らない人気は次々と国境を飛び越え、名実ともに、アジアを代表するアーティストへと成長します。
いばらの道。そして「完全復活」へ
しかし、順風満帆の状況は長く続きませんでした。
2009年、所属事務所とメンバー3人の契約トラブルが表面化し、ジュンス、ジェジュン、ユチョンが事務所からの離脱を決意。
その年のアジアツアーは中止され、翌年春にはグループの活動も全面休止に追い込まれてしまいます。
事態解決の兆しが見えない中、2011年、東方神起は残ったユンホとチャンミンのデュオとして再出発。
31枚目のシングル「Why?(Keep Your Head Down)」で、高い音楽的評価を得ます。
さらに、韓国でのデビュー10周年記念コンサート、ツアーも実現させました。
しかし、メンバーが分裂したままの事態は続きます。
「東方神起を守りたい」
そんな切実な思いを募らせて活動再開した2人。
ところが、彼らを待ち受けていたのは、2年間の兵役義務という韓国社会の現実でした。
活動はまたしても中断されます。
2人が晴れて除隊したのは2017年夏のこと。
東方神起は早速、日本語で「再始動」を意味するタイトルのシングル「Reboot」をリリース。
さらにこの年の冬、約4年ぶりとなるオリジナルアルバムも発表します。
以前にも増した音楽性の高さを発揮し、完全復活への確かな一歩を踏み出しました。
紆余曲折を経た東方神起にとって、どんな歩みもしっかり支えてくれたファンの存在が、どれほど大きかったことか。
彼らにとって「大切な人」とは、誰を指すのか。
その答えは、言うまでもありません。
プロローグ
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2003年結成、2005年から日本での活動を開始した韓国のアイドルグループ「東方神起」。 2010年にメンバーの脱退と活動休止というトラブルもありましたが、2011年にユンホ、チャンミンの2人で新たに活動を再開。 今なお多くのファンを魅了し続けています。 そんな東方神起の絶対おすすめな共感できる名曲をご紹介します。
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