ゲスの極み乙女。【ドグマン】歌詞を解釈！私の生きる場所なんてない…そんなあなたが上手く生きる方法とは

1行目は断定した言い方となっています。

他者は悪であり、自分はまだ悪に染まっていないだけの存在である。

この世に善という概念はなく、悪に満ちていると断じているようです。

無垢な偽善者が悪とされず、自己陶酔にも似たアドバイスが持てはやされる世の中。

主人公はそうした世に辟易としているのが歌詞からは感じられます。

ただ、歌詞の5行目を見るかぎり、主人公は幾度も葛藤したのではないでしょうか。

悪と善。善人と悪人。善行と悪行。

悪と善の境界線上にある行為が世の中には存在し、判断するのが難しい場面もあります。

そのために主人公のような人は悩み、幾度も惑うのではないかと思われます。

歌詞の5行目と6行目から読み取れるのは、主人公のある種の孤独です。

おそらく1人きりの夜に思い悩む主人公。

孤独な思考に時間の経過は遅くなり、いつまでも朝が訪れない錯覚すら抱いてしまう。

悩みがあるなかで夜を迎えた経験のある方なら、共感できる状況ではないでしょうか。

7行目と8行目にも、主人公の孤立が良く表れています。

言葉は不自由で、不便なものです。

人は言葉を操ることが可能ですが、単語や文章に自身の感情を当てはめていることが多いと思われます。

つまりは生の感情をそのまま示しているわけではなく、感情に近い言葉を選択しているだけではないでしょうか。

すでに世の中に存在している言葉。

その言葉に対して自身の感情に近いものを当てはめるのは案外簡単なものです。

しかし、感情や気持ちは言葉よりずっと複雑で難解なため、相手にそのまま伝えることが難しい。

本当に言いたいことも、言葉の不便さが邪魔をして相手に伝達することができないでいる。

歌詞においては、そうした主人公のモヤモヤを表現しているのだと感じられます。

歌詞の7行目は、前の歌詞でも繰り返し語られてきた思想です。

一見すれば善人に見え、他人にも良いと思われるアドバイスを与えている。

他人に優しく接し、無害な人と周囲に思われている。

しかし、この歌詞の主人公はそれが最も汚いタイプだと評しています。

自身に悪意がないと思いこみ、無責任な思考を相手に押しつける人間。

自身が少なくとも善だと感じ、善人として振舞って普段を生きているような人間。

無自覚の悪は恐ろしいものです。

まして、それが表向きには善に見えるのであれば、恐怖以外の何物でもないのではないでしょうか。

その偽善者の行為は他者には善行に見えているため、主人公は糾弾できないのだと思われます。

そのために主人公は長い夜を孤独に過ごし、孤独に世の中を思います。

世の中の仕組みになにも感じていないふりをして、孤独な夢のなかでのみ落涙するのです。

それが、世の中で生きていく術だと悟っているのだと感じられます。

人間の心理、善と悪を真っ向から描いた歌詞だと感じられました。

2018年11月21日、「ドグマン」の配信に先行してMVが公開されました。

MVのキャストにはBOYS AND MENの田中俊介さん、小川紗良さんが起用されています。

また、ゲスの極み乙女。のメンバーも登場している、見ごたえのある1作になっています。

監督に酒井麻衣さんを起用し、映像としても非常にセンスが感じられる「ドグマン」のMV。

上部にMVを掲載したので、興味のある方はどうぞご覧くださいね！

ゲスの極み乙女。の「ドグマン」をご紹介しました。

ドラマ「ブラックスキャンダル」の主題歌に書き下ろされた本作。

打ち込みを使用した曲調はゲスの極み乙女。の新境地といっても過言ではないように感じられました。

また、人間の心理を描いた歌詞は聴いていて思わず頷いてしまう内容になっています。

作詞作曲をした川谷さんの才能が存分に表れた楽曲になっていました。

最後に、本作に関連した記事をご紹介して終わりたいと思います。

この記事はゲスの極み乙女。メンバーのプロフィールが知れる内容となっています。

ゲスの極み乙女。ファンであれば必見の記事ですよ！