Oh ma baby I’ll be your prince
君の知らないとこにいきたい
oh ma baby満たされてないと
どこか遠くへいくの?
oh ma baby I’ll be your prince
君の知らないとこにいきたい
oh ma baby 満たされてないと
どこかへ君はいくんだ

出典: Prince/作詞:さなり 作曲:さなり

せっかくなら好きな人がまだ行ったことのない場所へ行って、感動を分かち合いたいのが主人公の望みです。

素敵なところへ連れて行ってくれる存在は、王子様そのもの。

主人公は「君」の王子様になりたいのです。

しかし「君」はかなり自由なところがあるようですね。

「君」自身が満足していないと、どこまでも遠いところへ行ってしまいます。

これは旅行に行くという意味ではなく、主人公のもとを去っている状況のことを表しているのでしょうか。

主人公の手の届かない場所まで行ってしまうのです。

同じ地域などで物理的には近くに住んでいたとしても、心の距離はもっと遠いでしょう。

事実を述べているだけに見えて、主人公の寂しさが伝わってきます。

「君」への想い

主人公は「君」との失恋をかなり引きずっているようです。

失恋はかなりショックなものですし、そう簡単に立ち直れないのも無理はありません。

ましてや「好き」という気持ちがあるなら尚更です。

果たして主人公は大丈夫なのでしょうか。

主人公の妄想

I don’t care
I’ll leave it to you
とか言ってみたけどまだwith you
墓場の前でblowing a kiss
裸のままを愛してるMy boo
邪魔できないように
一人また描いていくストーリー
気づけばきっと上の上の方に
気休めでもいい俺はMr.Lonely

出典: Prince/作詞:さなり 作曲:さなり

「俺は大丈夫、もう区切りをつけたから」と「君」に向かって発言したようです。

会う機会があったのでしょうか。

しかしながら、そんな言葉は本当であるはずがありません。

まだ「君」を好きなままでいることは、これまでの歌詞を見ると痛いほどよく分かります。

主人公の心の中には未だに「君」がいるのです。

彼は「墓場」でその本音を心の中で呟いているようですが、このお墓は誰が眠っているのでしょうか。

もしかして、「君」はもう亡くなっていたりして…。

もしくは、失恋してしまった恋がそこに残っているのでしょうか。

その残骸を「墓」に見立てているのかもしれません。

主人公は好きな人と一緒にいられる姿を妄想して、現実逃避に走っています。

それでもしないと、今の主人公に現実は耐えられないのでしょう。

悲しみを抱えながら未来へ

make some noise
baby call me now
さりげなくスルーするよ pay back
ありふれたような甘いメロドラマ
きっと俺と君とじゃありえはしないな
そもそもラブをメイクしても
生まれるものだからもう意味もないの
間違いだらけの日々から
傷を抱えてもう一度グッバイ

出典: Prince/作詞:さなり 作曲:さなり

「pay back」は「返済する」という意味の熟語です。

主人公は誰かから何かを返してもらったようですが、彼は無視します。

その理由は「君」がヒロインではない「メロドラマ」なんてできないから。

どういうことなのでしょうか。

主人公は前に自分から他の女性に声をかけて、その相手から好意を返されたということとも考えられます。

「君」がそれに怒って別れてしまったとも考えられそうです。

しかしながら、主人公が本当に愛してやまない人は「君」以外にいません。

命が生まれいずるものであるように、愛もまた自然と生まれるものです。

無理矢理誰かをナンパして好きになろうとしたところで、本当に好きになるのは難しい。

今更ながらそれを知った主人公は、もう二度とそんなことはしないと誓いました。

「君」の行方

歌詞に登場するのは主人公くらいで、「君」自身は登場していません

「君」はどこに行ってしまったのでしょうか。

死別の可能性

単純に別れたのであれば、別の場所にいると考えがちです。

しかし、「墓場の前」というフレーズで少し「まさか…」と思わせられます。

今まで失恋していたという意味で聴いていたのに、死別という可能性が出てくるのです。

「遠く」というのも、実は天国だったりあの世だったりするのではないでしょうか。

主人公がこんなに落ち込んでいるのは、振られたショックではなく先立たれたショックなのかもしれません。

もし本当に死別なのだとしたら、現実逃避や妄想も納得できます。

逆に失恋だったとしても、それはそれであり得ることでしょう。

どちらの可能性も感じさせてくれるのが面白いポイントです。

君の王子様になりたかった主人公