零~刺青の聲~の主題歌

天野月子「聲」の意味とは?歌詞を徹底解説!ホラーゲーム「零~刺青の聲~」の主人公を反映した歌詞が深いの画像

和風ホラーPS2ゲーム、「零」の続編にして三作目の「零~刺青の聲~」をご存知でしょうか?

このゲームのテーマソングこそ、今回ご紹介する天野月子さんの「」という曲です。

天野月子さんは「零」シリーズの曲を何度か手掛けています。

そんな天野月子さんの「聲」には「零~刺青の聲~の主人公心情が反映されています。

切なくも悲しい、主人公の気持ちとは?

また「聲」の意味とは、一体なんなのか。

本作を知らない方でも雰囲気を楽しめる歌詞を徹底解説します!

「聲」の歌詞解説

あなたを求めて

たとえば海の底で あなたが生きてるのなら
わたしは二本の足を切って
魚になろう
深みへ堕ちるほどに あなたが近づくのなら
果てない闇を彷徨う陰になってもいい

出典: 聲/歌詞:天野月子 作曲:天野月子

主人公は自身の運転していた車の事故で恋人を亡くしてしまいます

もしも深海であなたが生きていてくれたのなら主人公は自ら人でなくてもいいとすら思っています。

好きな人が自分のせいでこの世を去るというのは、とても苦しいもの。

暗くどんよりとした、生きる者が行ってはいけないような場所。

そんな場所でもあなたの側にいられるなら、どこまでも落ちていきたくなる

深く愛するが故に、自分だけが生き残った事への罪悪感や喪失感はとても大きいものでした。

そんな時に、もし影でも姿が見たら追いたくなりますね。

主人公は仕事を通し恋人の影を見ます。

それは踏み込んでいけない場所でも、好きな人に会えるならと自ら踏み込んでいくのです。

わかっている

艶やかに漂うわたしの陽炎
叶わない現実に溺れていただけ
あなたはいない
わかっている
わかっている

出典: 聲/歌詞:天野月子 作曲:天野月子

大事な人を失くしてしまった悲しみは、時として他の人も同調する時もあります。

それがもし他の人の悲しみを感じた時、まるで自分の事のように思える人もいます。

それはまるでぼんやりと見えるかのように浸透していくようです。

ただそれは現実逃避であり、夢が現実になったと縋っていた

主人公は仕事で幽霊屋敷で心霊体験をするなか、夢と現実が混ざった現象に蝕まれていきます。

それは主人公にとって、辛くもあり希望にもなりました。

恋人は既に亡くなっている、理解はしていても心は受け入れられない。

この体験の中で、会えるかもしれないと縋ってしまうのです。

しかし現実は変わらない、失ったものは失ったまま。

受け入れない心と、理解している頭との折り合いは難しいもの。

主人公もそのことを感じているのではないのでしょうか。

ただ届きたい

たとえばこの言葉が あなたに届くのならば
わたしの声帯を取り上げて
捨ててもいい

出典: 聲/作詞:天野月子 作曲:天野月子

亡くなった人に伝えたい思いがあっても伝える術はありません

もしも自身の何かを犠牲にして自分が伝えたい思いが伝えられるなら、何を捨てますか?

それを「」と引き換えに、あなたに思いを伝えたい思いを伝える

誰かと語る言葉よりも、誰かと共に過ごす時よりも亡くなった人を思う。

これは主人公だけではなく、「零~刺青の聲~」に登場する人物の多くに当てはまります。

亡くなった人が忘れられない、言葉を交わしたいという思い。

そんな気持ちを体験した人もいるのではないでしょうか?

まるで人魚姫と想像した人もいるかもしれません。

声を失う代わりに一人の傍を選んだ人魚姫、悲恋の結果はどちらかの死。

誰かを強く思い自分を犠牲にしてしまうのは悲しいですね。

幻でもいい

鮮やかな傷を失くした現在を
何もかも奪うあなたの温度を
求めていた
求めていた
幻でも

出典: 聲/作詞:天野月子 作曲:天野月子

愛しいと思う人の傍にいられることはとても幸せなことです。

しかしその人が亡くなった時に、その人の傍にいられないのは悲しい。

愛しい人を失った心と一緒に連れてってほしい

愛している人の体温を求めてしまうのではないでしょうか。

主人公は自分のせいで亡くなった事を悔いています。

だからこそ、自分も恋人と一緒に逝きたいと願います。

償いたいという気持ちもあり、恋人に奪ってほしいからです。

同じように、自分が奪ったものを相手から奪ってもらうことで償いたい。

しかしそれだけではない気持ちも、もちろんあります。

会えた恋人が例え、ひと時の存在でしかなくても縋らずにはいられない。

恋人を失くしたことはある方には、分かる心情なのではないでしょうか。