「バーン」と弾けました。
前置きがじゅうぶんにあったので皆さんも心づもりはできていたでしょう。
どれだけ擬態語を並べれば気が済むの?とある意味感心させられるほどの見事なゴリ押しです。
ただ「バーン」「グー」「ぎゅー」と続く言葉のチョイスはたしかに間違っていないんですよね。
愛とか恋とかそんな「名もなき感情」を抱いたことがあるすべての人が共感できそう。
声に出さずにはいられないほどの溢れる想いがきちんと正確に伝わってきますよね。
クスッと笑いながらもむしろ泣けてくる感じ。
「エモおもしろい」という新しいジャンルが確立された瞬間に立ち会った印象です。
クッション言葉は漫才でいうところの前フリですし。(←そっちかよ!)
告白!「ありがとう」からの「ビッグバン」
「え?」って「え?」
じゃあ、
好きだよって君に言ったら
え?
ありがとうなんて言うからさ
そんな風に照れられたら反則だよ
もう何も出来なくなるよ
出典: 名もなき感情/作詞:竹田昌和 作曲:竹田昌和
2番に入り、僕は「愛してるよ」や「恋してるよ」ではなく「好きだよ」と伝えます。
勇気を振り絞ってとうとう告白したんですね。
すると「え?」と言ったのは相手の女子ではなく僕だった……。
この歌を聴いている私たちが思わず「え?」と驚かされます。
「ありがとう」と照れられたということは……「え?」まんざらでもなさそうです。
非モテ男子もクッション言葉と緩急を活用してゴリ押しすると感謝されるかもしれませんよ。
ただし女子はツンデレな生き物。
ツンとした反応が返ってきそう……と弱気にならず、デレになるまで溢れる想いを伝えましょう。
その結果が僕というわけですね。
ビッグバンだった
バーンってなって
ドカンとなって
この宇宙が生まれて
ズキンとなって
ビビっときて
君しか見えなくなる
そんな思いだよ
そんな気持ちだよ
愛ってやつはわからないけど
そんな恋だよ
そんな思いだよ
声に出さずにいられないんだよ
出典: 名もなき感情/作詞:竹田昌和 作曲:竹田昌和
早口のクッション言葉&緩急パートが繰り返されたあと再び爆発します。
というか「バーン」って「ビッグバン=宇宙の誕生」のことだったの?
「グー」と「ぎゅー」が「ドカン」と「宇宙」に変わるだけでとんでもないオチがつきました。
まさに天才的なウソツキの誕生!聴いている私たちがビビっときちゃいますよね。
たしかにウソツキの2ndフルアルバムのタイトル曲は「惑星TOKYO」です。
おまけに1stミニアルバムのタイトル曲も「金星人に恋をした。」。
何なら2ndミニアルバムのタイトル曲だって「新木場発、銀河鉄道は行く。」です。
宇宙サイズの「名もなき感情」を声にした僕は宇宙を股にかけた本気のウソツキだったわけです。
紛れもなく愛なのです
愛を語る
これは
これは
愛じゃなくても
恋じゃなくても
君を思う気持ちは
ここにあってちゃんとあって
僕をはなしてくれない
この想いは
この気持ちは
紛れもなく愛なんだと
言わして
出典: 名もなき感情/作詞:竹田昌和 作曲:竹田昌和
「バーン」パートと同じメロディーですが、ここだけはしっかりとした?言葉が使われています。
ただ「愛じゃなくても」と前置きしながら「愛なんだと言わして」で締めくくるんですよ。
今度こそ本当に「は?」とか「意味わかんねぇよ」とか言われそう。最初から繰り返しますか?
でも結局は「ありがとう」という反則ワザを繰り出される展開なので「紛れもなく愛」ですね。
宇宙サイズのノロケを聴かされていたのでしょうか、私たちは。
最後は鼻歌
さらに「グー」&「ぎゅー」バージョンの「バーン」がきてラストは「トゥルル」の繰り返し。
そりゃ鼻歌も飛び出しますよ。
MVでは最後、待ち合わせ場所に自転車で来た彼女が男子を見つけてニコッと微笑みます。
赤い自転車にピンクのシャツですよ。
女子は最初から男子のことが好きだったんじゃないの?と興奮させられる色合いです。
男子はほんの少しニヤけたあと自転車の彼女のもとへ1歩近づいて終わり。
だからもうこれは「紛れもなく愛」なのです。
あの「は?」や「あ?」は何だったんだ~というところも含めて愛でした。
ウソツキの真実とは?
結局「名もなき感情」はウソのないラブソングだった気がしませんか?
ウソをつかないウソツキ。
じゃあ何でウソツキなの?ってことになりますよね。
もしかしたらどこかにウソが隠されていたの?そのあたりを深掘り。