手と手が触れそうな程に
アナタを感じた stay in my heart
夢のようで儚い距離
いっそ触れてしまえたらと
出典: 奪えないもの/作詞:蒼井翔太 作曲:蒼井翔太
主人公と女性の間の物理的な距離は、わりと近いみたいです。
主人公は、「いっそ触れてしまえたら」と思うほどの距離に感じています。
でも、女性からみると「友達」でしかない距離なのかもしれません。
「夢」みたいで「儚い距離」と言っていて、ここに主人公の恐れが表われています。
触れることは可能な近い距離なのだけれど、触れてしまったら壊れてしまうんじゃないか?と恐れています。
一度触れてしまったら、「友達」でさえなくなってしまうことがあるということは、多くの方がご存じでしょう。
主人公のせつない悩みが見えてくるようです。
想いを声に出さないで隠してしまう
言葉を殺してため息...白く包んでゆく
最初で最後の恋心(ヒミツ) 隠すように
出典: 奪えないもの/作詞:蒼井翔太 作曲:蒼井翔太
好きだという言葉を言えない主人公は、言葉を飲み込んでため息をつくだけです。
ため息が「白く」包むというのは、冬の寒い季節なのでしょうか?
本楽曲がリリースされたのが4月10日なので、その直前の冬に書いた曲なのでしょうか?
2行目は、主人公のこの恋に対する覚悟が表われています。
つまり、主人公にとっては初恋で、かつこの後も人を好きになることはないだろうと思っているのでしょう。
まさに“狂恋”、"狂った愛”です。
それを隠そうとしているところがせつないです。
恋する相手に粋がる男の恋心
本音を見せずに相手の言葉を待つだけの主人公
少しでもアナタと過ごす度に
飾るものが増えていく
精一杯...見つめ返しながら
アナタの言葉を待っていた
出典: 奪えないもの/作詞:蒼井翔太 作曲:蒼井翔太
主人公と女性は、会う機会はけっこう多いみたいです。
職場、学校、サークルの仲間などでしょうか。定期的には会っているみたいです。
一緒に過ごす度に、「飾るもの」が多くなっていく...
つまり自分をよく見せようと粋がっているか、想いを隠すために取り繕っている様子がうかがえます。
「好きだ」と言えずにいる様子がわかりますね。
ここでも、女性を見つめるだけで女性の言葉を待つだけの主人公...不器用な男性ですね。
彼女に翻弄される主人公
「こんな筈じゃなかった...ごめん...」と
逸らす顔がズルい程優しくて...
出典: 奪えないもの/作詞:蒼井翔太 作曲:蒼井翔太
主人公は、とうとう告白してしまったのでしょうか!?
そうではなく、あるいはなんとなく主人公の想いが女性に伝わってしまったのでしょう。
告白する前に女性が主人公の想いに気付いてしまって、なんとなく断るために言った言葉。
それが、この女性のセリフだったことがうかがえます。
自分のことを好きにさせるつもりはなかった、好きになられても望みはない...
そんなつもりで、それとなく伝えたのでしょう。
確かにズルい女性ですね。
優しいかどうかはわかりませんが、主人公にとっては優しいと思えたのでしょう。
つらい失恋になってしまいました。
辛い想いに、“狂恋”する主人公
叶わないことはわかってたといういいわけ
奪いたくても叶わない
それくらい気付いてた...なんて
夢の中の言訳(ツクリバナシ)
手と手が触れそうな程に
出典: 奪えないもの/作詞:蒼井翔太 作曲:蒼井翔太
主人公は、本当は女性を奪いたかったのです。
おそらく、女性の夫、彼氏、その他女性を縛るものから、女性を奪いたかったのですね。
奪いたいけれど、でも叶わないことは気付いてた、と語られています。
気付いていたことが、「言訳」でもあり、「ツクリバナシ」でもあるということですね。
この2つの言葉をかけているところが、主人公のせつない思いを表していて心憎いです。