「トワイライト」の概要
「トワイライト」はGOING UNDER GROUNDが2003年にリリースしたシングル曲。
NHKで放送された「あしたをつかめ 平成若者仕事図鑑」の主題歌として数年にわたって採用され続けたことで、彼らのファン以外のみなさんにも知られている代表曲です。
「トワイライト」の歌詞をチェック!
プロローグでもある回想のシーン
鉄塔のガイコツ ネオンのゼリー
眠れぬ夜を旅する声
瞳を閉じて広がった世界
あぁ そうかあれは…
出典: トワイライト/作詞:松本素生 作曲:松本素生
曲の最初にあるのはイントロの前のプロローグのようなブロックで、アコースティックギターの簡素な演奏をバックにこの歌詞が歌われます。
「眠れぬ夜」、目を閉じて思いを巡らせる主人公。「ガイコツ」や「ゼリー」という比喩表現が文学的で、聴いているこちらの想像を掻き立てます。
その続きに含みを持たせるようにこの部分の歌詞は締めくくられて、本編のスタートでもあるその後のイントロにつながっていきます。
君を待つ日没間近の田園風景
風と稲穂の指定席へ座る
上映間近のアカネ空
半袖じゃちょっと寒くなってきたな
待ちぼうけいつも僕の方だ
胸のポケットにキップが二枚
雨が降らないことを祈るよ
出典: トワイライト/作詞:松本素生 作曲:松本素生
緑の風景とその匂いがイメージできるAメロのシーンです。
GOING UNDER GROUNDのメンバーが埼玉県桶川市出身ということもあって、少し都会から離れたそんな田園の風景を思い描いて作詞されているのかもしれません。
「上映間近」という言葉は、「アカネ空」がその後に暗くなって出現する「星空」に対して向けられているように感じます。
主人公はまるで映画でもみるような特別な気分で、その星空を見るために誰かと待ち合わせをしています。
半袖姿ではそろそろ寒いと感じる秋の入り口の頃。「いつも僕の方」という表現からは、親密な二人の関係を読み取ることが出来ます。
夜空を見て何かを決心する主人公
灯りが落ちてストーリーを探す
おかしいな!?夜は暗いままだ
気付けば僕と君しかいない
風と稲穂のその中で
スクリーンに何度もたずねてみれば
小さな声で「君の出番だよ」
出典: トワイライト/作詞:松本素生 作曲:松本素生
タイトルにもなっている「トワイライト」とは、英語で「日没直後の薄明り」を指す言葉。「灯りが落ちて」とは「陽が沈んで」という内容を意味していると捉えることができます。
星空を待っていたはずなのに、空は暗いまま。稲穂の匂いに包まれた誰もいない日没後の田園の真ん中で、主人公はその暗い空から何かを言われたように感じます。
「頼りない声」から見える主人公の心
主役が君と僕の脇役のいないストーリー
少しだけ勇気を出した 頼りない声しぼって
出典: トワイライト/作詞:松本素生 作曲:松本素生
「星空を見よう」と待ち合わせたその相手に、主人公は何か伝えたいことがあったのでしょうか。
そんな、暗がりでの自分からの告白の風景を「主役が君と僕」という言葉で表現していて、二人きりのその時間をまるで物語のワンシーンのように切り取っています。
サビの歌詞でもあるこのブロック。伝えなければいけないことをずっと胸の内に抱えて、それまで葛藤して来た主人公の心の動きが感じられます。
「生きる」の意味
風と稲穂と速くなる呼吸
生きるってことを知りました
あぁ そうか夜の群青色は
誰かが観てた夢のせいだ
出典: トワイライト/作詞:松本素生 作曲:松本素生