初のミニアルバム「自力本願」収録曲

インディーズデビューから多くの曲をリリースするNon Stop Rabbit初のミニアルバム「自力本願」

「君と最後に選ぶ言葉」はこのアルバムの収録曲です。

「ノンラビ」らしいロックですが、決して激しすぎず切ないバラードになっています。

歌詞は恋をする主人公が「愛しているのは自分だけで、相手からは愛されていない」と感じる…というもの。

タイトルの「最後」からしても、別れを感じさせますね。

そんなこの曲はMVも非常に興味深い内容に仕上がっています。

今回はこのMVの内容にフォーカスを当ててみましょう。

別れはすぐそこに

まずはMV前半の内容を見てみましょう。

「君と最後に選ぶ言葉」のMVは、大きく二つの場面に分かれます。

一つが教会の中、ステンドグラスをバックに楽曲を演奏するNon Stop Rabbitのメンバー

もう一つが街中のシーンです。

後者はなんきんペッパーの反田葉月さんが演じる女性と、俳優の上本真央さん演じる男性が登場します。

この二つが交互に行き来する展開となっているのです。

夜の街と教会

MV冒頭からライトアップされたビルや電車など、都会らしい景色が並びます。

夜の街で寂しげに目を閉じる女性。

早くも失恋の気配を漂わせています。

うって変わってNon Stop Rabbitがいる教会は、街と違って静かで荘厳な雰囲気です。

この教会はどういった意味があるのでしょうか。

恋愛と教会といえば、まず思い浮かぶのは結婚式ですね。

主人公は、恋人と結婚まで見据えていたのかもしれません。

しかし実際は、とても結婚という状況ではなくなってしまいました。

つまり、主人公の心の世界がこの教会という場所なのではないでしょうか。

もう一つがNon Stop Rabbitが教会という舞台で歌う意義。

教会でMVを撮ることで、主人公の後悔もやもやした気持ちを表しているのではないでしょうか。

そうした苦悩や罪を救い償う場所だから、教会なのかもしれません。

教会で歌う姿と、救いの言葉を求めているという歌詞もリンクします。

恋人だったのに

冒頭のサビが終わると、男女それぞれの寂しげな後ろ姿が映し出されるシーンです。

MVではカップルと思われる男女が両方登場しますが、一緒にいる場面が全くありません

二人の仲が冷めきっていることが、映像を見るだけでもひしひしと伝わってきます。

歌詞の「一人で生きる」という決意とリンクしているとも考えられるでしょう。

ここでも夜の照明がキラキラしているのが印象的です。

夜景といえばデートスポットという印象ですが、二人がデートした思い出の象徴なのでしょうか。

もしくはこの夜景の中、歌詞にもある帰り道で別れる運びとなったのかもしれません。

女性は駅に続くと思われる階段を降りていき、それぞれ一人で夜を過ごすことになったようです。

白いバラと光溢れる講堂

白いバラのシーンを挟み、再びメンバーが歌う教会シーンに移ります。

この白いバラもどこか意味深です。

白いバラの花言葉は「尊敬」「私はあなたに相応しい」「純潔」

まだ相手への想いを捨てられずにいることの象徴でしょうか。

そして直後に入る教会のシーン、内部がどこか明るくなりました。

ステンドグラスを通した日光が、より講堂の雰囲気を神秘的にしています。

今まで夜のシーンで、講堂も少し薄暗かったので新鮮ですね。

これは夜が明けたという意味でしょうか。

ですが、恋人は別れたまま夜の街をとぼとぼと歩いています。

つまり、単純に次の日になったというわけではなさそう。

歌詞から考えると相手への想いを少し捨て、視界が開けたことを表しているのでしょうか。

ずっと重たい荷物を背負って下を向いていれば、視界も雰囲気も暗いでしょう。

その荷物を外して背筋を伸ばせば、ぱっと視界が広くなります。

広い視界はそれだけ光が入りやすくなる筈。

この教会のシーンも主人公の心情や、取り巻く状況を暗に示しているのではないでしょうか。

別れた後

MV後半からは別れた後の二人の様子が映っています。

別れて、互いの距離はどんどん遠くなっていくのは想像に難くありません。

そこにNon Stop Rabbitがいる教会のシーンが、どのように絡んでくるのかも気になるところです。

それぞれの道