温かな春の木漏れ日を感じさせる素敵な表現がずらっと並びます。
誰でも一度くらいは家を飛び出したいと思ったことはあるでしょう。
温かい日は、家出だけでなくなんとなく旅にでも出たくなるもの。
きっと主人公も外に出て帰ってきたくないような感情に押されているのでしょう。
花粉症の起こるあの微妙な時季をイメージさせる歌詞ですね。
想い疲れた 日々は過ぎ
季節がまた 変わってゆく
出典: 視界良好/作詞:澤部渡 作曲:澤部渡
なんとなくスカートの人柄を感じさせる歌詞だと感じませんか?
人を想い、疲れてしまっても、そのまま時の流れに身を任せる。
その人に嫌味を言ってしまうなんてことはしない、スカートのやさしさが伝わってくるようです。
季節の変わり目にぴったりの曲ですね。
温かさに溢れるサビ
暖かい風が 君の明るい髪を すり抜けた時
押し出されてく人並みの中 僕は君の背中
見つけだすんだ
出典: 視界良好/作詞:澤部渡 作曲:澤部渡
サビの部分も温かさに溢れています。
なんとなくノスタルジックな気分にさせてくれる一部分ですね。
たくさんの人の中でも「君」を見つけられる自信が主人公にはあるのでしょうか。
MVでは主人公は女の子でしたが、この歌詞から考えると主人公は男性のようです。
主人公は「君」と遠ざかってしまったのでしょうか?
今では「君」の姿を探し、見つけ出すという希望にあふれている主人公。
見つけられたときの喜びは計り知れないものなのでしょうね!
意味深な2番
開かれた窓のような退屈の
いい予感が 消えてしまぬうちに
出典: 視界良好/作詞:澤部渡 作曲:澤部渡
ここでは「開かれた窓」を「退屈」と言っています。
それでも「いい予感」。混乱してしまいますね。
確かに道が開かれているのは、退屈かもしれません。自分の道で切り開く方が面白いですね。
しかし、開かれた道に退屈ながらも「いい予感」を感じ、それが消えてしまわないようにと祈るのです。
退屈でもハッピーになれるならいいという感じでしょうか?
陽は傾いてしまってもう戻れない
駆け出したい 今すぐ
静かな街はまるで 世界の果て
誰もいない はずなどないのに
出典: 視界良好/作詞:澤部渡 作曲:澤部渡
ここでは夜の風景が連想されます。
夜遅く外に出ると、まるで誰もいないかのような静けさが感じられます。
実際は家の中にいるのに。
そんな状況を、「世界の果て」と表現しているのが絶妙ですね。
夜はもうその日の夕方には戻れない。
気持ち的にはもう後には引けないといった感じなのかもしれません。
曲の終わりに教えてくれたこと
優しい波の音が聞こえてきそうなほどに
きれいな夜です
遠回りばかり ずっと してたけど
立ち止まることにも 意味はあったんだ
出典: 視界良好/作詞:澤部渡 作曲:澤部渡
最後になると、今までの歌詞よりもストレートな言葉で感情を表現しているように感じます。
とても美しい歌詞の終わり方。
そして曲の最後で、そうだったのかと納得できる歌詞になっています。
人生には寄り道がつきもの。
家出してみたり、苦しい経験をしてきたり。
しかし、そんなときに一度ゆっくりと自分を見つめてみること。
それ自体に意味があったと語っています。
どんな経験でも、意味のある経験だということを教えてくれているようです。
「視界良好」は、全体的にふわふわとした歌詞の内容で、しっかりと意味が解釈できない部分もありました。
しかし全体的にに自分自身を見つけたというような意味が伝わってきました。
道に迷ったときに聴いてみると、ぽんと背中を押してくれるような歌ですね。