楽曲について

BiSH【GRUNGE WORLD】歌詞の意味を解釈!始まりのきっかけって何?前へ進む真意に迫るの画像

BiSHバラード楽曲「GRUNGE WORLD」。

この楽曲は2019年7月3日に発売された『CARROTS and STiCKS』の収録曲です。

タイアップ楽曲や話題曲など全14曲を含めたアルバムの中で、最終曲となったこの楽曲。

まさに終点に相応しい壮大メロディアスバラード調になっています。

6人のパートが移り変わりながら歌われる歌詞に込められた内容は自分と未来への想い

BiSHのフィロソフィーすら感じる歌詞には弱さと前に進む意志が内包されています。

また、YouTubeにはBiSHの軌跡を描いたドキュメントMVが公開中。

そんなBiSHとしての想いと聴き手を諭すような前向きな意志を紐解いていきます。

タイトルについて

タイトルになっている「GRUNGE WORLD」について見ていきます。

「GRUNGE」には以下のような意味があります。

  • パンクやヘビィメタルの要素を取り入れたロックジャンル
  • 汚いもの・薄暗い・汚れたという意味

それを加味した上でタイトルを踏まえると様々な解釈が浮かび上がります。

1つはBiSHが「楽器を持たないパンクバンド」と名乗っていることです。

いつまでも自分たちの鳴らす音楽は終わらないと声明していると感じられます。

そして2つ目は、自分たちの音楽人生が綺麗で優雅なものではなかったということ。

汚く、貪欲に進み続けてきた自分たちの姿を比喩しているタイトルであるのかもしれません。

このように、まさにBiSHのこれまでとこれからを表しているタイトルであると解釈出来ます。

命を続けることの難しさ

呼吸をしているだけ

歪んだこの世界で
誰も何も見てくれないで
今も僕らどうしようもなく立って
息をして 何にもないな

出典: GRUNGE WORLD/作詞:JxSxK 作曲:松隈ケンタ,JxSxK

ここではBiSHの過去と現在についての心情が述べられています。

歌詞の前半2行はまだ現在のように人気ではなかった日のこと。

そして注目すべきは3行目の歌詞の「」という言葉。

そこにはアリーナをも埋めるようになった彼女らの背景にある黒い部分です。

すぐには変化出来ない人間の性格と、どこまでも生きづらい世界への言及がなされています。

ただ呼吸をするだけのような日々。

現状の彼女たちの姿からは想像できませんが、裏側のリアルな想いだといえます。

前を向くことは決して容易ではなかった

まっすぐに生きること
どうしても困難なことなのです
ひきずる過去も今もどうしたらいい
わかんなくなって

出典: GRUNGE WORLD/作詞:JxSxK 作曲:松隈ケンタ,JxSxK

アニメ映画のヒーローのように輝いてただ前を向いて生きることは難しい。

歌詞2行目の「どうしても」からは、これまでに何度も試行錯誤した姿が垣間見えます。

歳月が過ぎていくごとに、体にのしかかる重い過去

その辛さも拭えなければ、未来への不安も取り除くことが出来ない絶望的状況にあるのです。

後にも先にも動けない絶望的な心情が映し出されています。

6人でやってきたこと

ひとりじゃ何もできやしないんだってこと わかってるんだ
寂しくてすごく寂しくて
僕が僕として僕らしくいることってなんなんだろう?
わからないよね?

出典: GRUNGE WORLD/作詞:JxSxK 作曲:松隈ケンタ,JxSxK

ここの歌詞は「ひとり」と「BiSH6人」との関係性が描かれています。

その中で謳われている想いは以下の2つだと解釈しました。

  • みんながいたからここまで来ることができたという感謝の想い
  • ひとりでは何一つとして成し遂げられないという裏腹の自己嫌悪

さらに次の歌詞では「寂しい」と述べられています。

そう感じているのは、後者のひとりで何も出来ない自分への想い。

その寂しさには「虚無感」や「怒り」も内包されていると解釈します。

自分を見つめ直す