BiSH「beautifulさ」
「beautifulさ」
今回ご紹介するのは、BiSHの「beautifulさ」という楽曲です。
この楽曲は、2ndアルバム『FAKE METAL JACKET』に収録されています。
疾走感溢れるパンクっぽい曲調の中で、繰り広げられる歌詞の世界。
尖っていながらエモーショナルな感触で、BiSHらしさが随所に見られる楽曲です。
今回は「beautifulさ」の歌詞の意味を解説していきます。
歌詞はリンリンが担当
この楽曲の歌詞は、BiSHの無口担当といわれているリンリンが担当しています。
BiSHではメンバーが自ら作詞をするということは珍しいことではありません。
歌詞を本人たちが書くということは、彼女たちのその時の状況が色濃く反映されているといえるでしょう。
リンリンがこの楽曲に込めた想いとは一体どのようなものなのでしょうか。
早速、1番の冒頭から見ていきましょう。
「beautifulさ」1番
絶望した朝
消えたい 死にたい朝に お前 近寄んなと
頭の中でそう 幾度となく殺してたんだ
出典: beautifulさ/作詞:リンリン 作曲:松隈ケンタ
気持ちが沈んだまま目覚めた朝。
歌詞の主人公は自己否定しています。
前日に何か嫌なことがあったのでしょうか。
もう居なくなってしまいたいという心の声が聞こえてくるかのようです。
1行目で指している「お前」は、恐らく主人公が大嫌いな人物なのでしょう。
その人物を痛めつけることで、どうにか平静を保っている。
そんな状況が目に浮かびます。
家から飛び出した主人公
My home 飛び出して行って お先 真っ暗の道
走りさまよったら ほらそこに光みえたんだ
出典: beautifulさ/作詞:リンリン 作曲:松隈ケンタ
次のパートです。
主人公は唐突に家を飛び出しました。
しかしながら行き先も決まっていないため、ただふらふらと街を徘徊しているのでしょう。
そんな風に彷徨っていたら、主人公の目の前の道が突然パッと照らされます。
絶望の中でもがいていた主人公にとって、その光は希望の光に思えたのです。
果たして、その光の正体とは一体何なのでしょうか。
恐らくこれは未来へと繋がるただ1つの道。
消えて無くなろうとしていた主人公にとって、それがどれほどのものかは想像もできません。
過去に立ち向かう
嫌なことばっかで 記憶に居座る
グレーな日々よ そう もうくんな
出典: beautifulさ/作詞:リンリン 作曲:松隈ケンタ
今では主人公は、絶望していたあの頃とは違う人間に変わろうとしています。
誰かを心の中で痛めつけるようなこともなくなったのでしょう。
そして、大嫌いだった人物のことも忘れてしまおうとしています。
自分が以前絶望していたことも受け入れて、新たに生まれ変わろうとしているのです。
グレーという色には、白でも黒でもないという意味が隠されているのでしょう。
どっちつかずで、曖昧な姿勢が表れています。
そんな日常には戻りたくないという姿勢が感じられる表現です。