“落ち込む

ついに自分の耳を覆う事を諦めた

横たわっている

私は生きていない

でも私の心臓はまだ鼓動がある

そう、私は地獄へ行くつもりだ

だってあなたは私の人生を取り上げた

私はもう一度、今始めよう”

 

心臓が動いているのに「生きていない」とはどういうことでしょうか。

本当に死亡して幽霊になっているわけではなく、気分も落ち込んで何もやる気が出ない…

おそらく、まるで死んだように気力の無い状態だった…つまり生きる屍(しかばね)。

そんな状態になった原因の「あなた」はそのことに気づかずに笑っている始末。

「人生を取り上げた」と表現しているので、かなり酷い目にあったと考えられます。

「あなた」の笑い声を聞きたくないと耳を塞ごうとしたけれど、諦めて別の道を選んだ。

それは「地獄」と呼ぶほど過酷だと言い表しています。

それでも、人生をリスタートさせることを決意した主人公。

“YELLOW”…臆病さを克服できたのかもしれません。

安息の地はどこ?

Somewhere in the end of my hatred
There's my grave ahead
Somewhere in the end of my sadness
Tell me I'll be saved
(Never wanted it to be this way)

出典: YELLOW/作詞:MAYU & Misa 作曲:Tatsuya Kitani

“私の憎しみの終わりであるどこか

そこは私の未来の墓

私の悲しみが終わりであるどこか

私は救われるだろうって言ってくれ

(決してこんなことは望まなかった)”

 

ここの歌詞からは憎しみと悲しみに苦しみ、彷徨う主人公の姿が思い浮かびます。

安息の地を求めて果てしない旅をする主人公。

もしそこへ辿り着いた時には、そのままそこに骨をうずめてもいい…

それこそが今の苦しみから逃れる方法だとも言いたげ。

主人公の心は追い詰められて、傷つき弱っているようです。

自分で望んでこうなったわけではないと弁明もしています。

どうしてこんなつらい状況になったのでしょうか。

主人公の葛藤

もう何も見えないし聴こえない

Time has gone
I can't see no more
Story carries on
Just leave me
Don't leave me now
I can't say no more
Gone forevermore
How I wish I could let you go

出典: YELLOW/作詞:MAYU & Misa 作曲:Tatsuya Kitani

“時間は過ぎた

私はもう何も見えない

物語は続いてゆく

ただ私を残して

私の側を離れないで

もう何も言えない

永遠に消え去って

あなたを手放すことができたらいいのに”

 

長い時間を経て、すっかり頑なな気持ちになっている主人公。

側を離れないで欲しいけれど、手放してしまいたくもある…相反する二つの感情に苛まれる姿が目に浮かぶようです。

もう何も見えないし聞こえない、 物語は自分を置き去りにして進んでしまう。

主人公の脳裏に浮かぶのは絶望の二文字なのかもしれません。

ここで、「あなた」に対する複雑な気持ちが再び語られます。

自分を酷い目に合わせる相手なのに、側にいて欲しいし離れられない…

なんとなく共依存的な危うい関係だと感じました。

花に例えている

My heart was beating
My heart was beating
My heart was beating
Tell me, was it meaningful?

I know the meaning
The flower falling
I know the meaning
Flower that's for you and me now

出典: YELLOW/作詞:MAYU & Misa 作曲:Tatsuya Kitani

“私の心臓は鼓動していた×3

教えて、それは意味があったの?

 

意味は知っている

花が落ちること

意味は知っている

今、あなたと私のための花だ”

 

人生を花が咲く姿にたとえています。

ただ枯れるよりも、誰かのために生きることに意味がある…それは相手一人の人生ではなく自分を含めた二人の人生である…

薄っすらと主人公の過去に何があったのか分かってきましたね。

失恋と一言で片づけられない出来事があったのでしょう。

あなたの鼓動が聴こえる

Get down
I hear an alarm
Tired of hearing it
Throw back
I hear your sound
Don't know when it started
Bring me down
You beat me down but you're still there in the story now

出典: YELLOW/作詞:MAYU & Misa 作曲:Tatsuya Kitani

“落ち込む

アラームを聴いて

聴こうと試した

過去を振り返って

私はあなたを聴いた

それがいつ始まったかはわからない

ガッカリする

あなたは私を打ち倒して、でもあなたはまだ今その物語の中にいる”

 

アラームはおそらく、生きる屍と化した状態から脱出するべきだという「警告音」。

最初は無視しようとしていたそれですが、最後には主人公が勇気を出して状況から脱出しようと決意します。

最後のフレーズが意味深ですが、「あなた」という人間に向き合った主人公が出した結論とも考えられます。

MVの前島さんのように新たな世界へと旅立っていったと願いたいです。

この後は同じ歌詞が続くので、省略させていただきます。

最後に

過去の恋愛を振り返っている曲