2番
ハイウェイを進む2人
風を切り 陽の落ちる ハイウェイ
ハイウェイを
砕け散ったガラスみたいに 無駄にキラキラして
止まって 喋って 道を変えて
思いつき 黙って 考え込む
そうやって此処にいる
そうしたいかな
出典: 涙の階段/作詞:尾崎雄貴 作曲:尾崎雄貴
「真白な〜」という言葉が印象的なサビのラスト。
そこから間奏を挟んで、ここからは2番となります。
2番のAメロでは突如、ハイウェイに場所が移りました。
ハイウェイというのは、日本語でいうと幹線道路のことです。
これも、主人公と「あなた」2人の心象風景と考えるのが妥当でしょう。
そんな幹線道路の上を、スピードを上げて走る2人。
4行目からの歌詞では、2人が紆余曲折しながら道を進む様子が描かれています。
「あなた」は誰なのか
この楽曲の歌詞について考えた時、「あなた」を恋人や家族と捉えるのが妥当でしょう。
しかし、音楽に対して真摯に取り組むBBHFであると考えれば、他の見方もできます。
彼らにとっての「あなた」は「BBHFのメンバー」だという見方もできるのではないでしょうか。
この歌詞に込められたもう1つの意味
彼らにとってのもう1つの「家族」
この楽曲が収録された2nd EPの名前は『Family』です。
このことからも、このEPで描いているのは家族や人間関係などについてだと分かります。
BBHFのメンバーにとってはバンドメンバーも「家族」だといえるのではないでしょうか。
Galileo Galilei時代から深い絆で繋がれていた彼ら。
ツアーや楽曲制作を通して、たくさんの時間を共に過ごしてきました。
それは家族に違いありません。
そんな彼らも、これまでの音楽人生で様々な想いを抱くことがあったでしょう。
音楽と向き合う中で、苦しんだり悲しんだりする経験もあったに違いありません。
そんなことがあっても話し合い、お互いを支え合うことで乗り越えてきた。
そうやって、扉を開けてきたのではないでしょうか。
繰り返されるサビの歌詞
あなたの涙で 作られた透明の 階段を登る
屈折して反射を くりかえしていく
出典: 涙の階段/作詞:尾崎雄貴 作曲:尾崎雄貴
たくさん悩みながらも音楽のことを考える彼ら。
そしてそんな想いが何度も反射することで、新たな音楽が生まれていくのです。
人間関係を描く中で、彼らはそんなこともこの歌詞に含んでいたのではないでしょうか。
心の扉を 眼差しで二度 ノックする
トラウマの間を すり抜けて
真白な廊下を進む
出典: 涙の階段/作詞:尾崎雄貴 作曲:尾崎雄貴
「トラウマ」という言葉が強く目に入ってきます。
それは音楽に置き換えれば「スランプ」であるといえるでしょう。
スランプという「トラウマ」を乗り越えて、その次の新しい音楽へ。
そんな彼らの音楽を追求する気持ちがここに現れているといえます。
3行目が表す「真白な〜」は、彼らが次に新たに彩っていく音楽の原型のことでしょう。
0から1を生み出し、そこから楽曲を完成させていく道のことを指しています。
音楽を楽しみ、追求している彼らならではの言葉だといえるでしょう。
今までのことから、この楽曲には、2つの意味が込められていると考えられます。
それは「大事な人に寄り添うこと」。
そして「バンドという家族と共に音楽へ向き合うこと」。
この2つの意味を、巧みな歌詞でこの楽曲に込めたのだと感じました。
まとめ
今回はBBHFの「涙の階段」の歌詞を徹底的に解釈してきました。
彼らがこの楽曲へ込めた深い意味を理解して頂けていたら嬉しい限りです。
BBHFが音楽と真摯に向き合いたどり着いた、彼らの珠玉の1曲。
ぜひ、長く聴いてもらいたい1曲です。
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