驚くべき才能の集合体

紆余曲折ありの25年間

今年でL'Arc~en~Cielも結成25周年。

残念ながら短命で終わることが圧倒的に多い音楽界の中にあって、これだけバンドを続けられるというのは実力と人気を兼ね備えていなければ不可能なこと。

しかも特筆すべきは、彼らがワンスタイルを維持して延命しているのではなく、常に変化に富んだ音楽スタイルを取りながらも、愛され続けているという点です。

個人活動重視やバンドとしての活動休止など、紆余曲折もありながら、安定の活動期に入り迎えた25周年ライブ

2日間で11万人を魅了した公演には実に60万を超える応募がありました。

WOWWOWでの放映、また映画館でのライブビューイングも大盛況でしたね。

L'Arc~en~Cielのアルバムならこれだ!圧巻のライブパフォーマンスを魅せた曲を収録の画像

メンバー4人の音楽的才能の高さ

作詞はそのほとんどをヴォーカルのhydeが担当。

作曲はメンバー全員が手掛けるというL'Arc~en~Ciel

4人の作曲家がいるが故に、その楽曲は時にヘヴィであり、時にポップであり、またダンサブルなナンバーもあれば、バラードもあるというレンジの広さが彼らの特徴。

ファルセットを巧みに使いながら、シャウトでも綺麗な高音でも魅了するhydeの卓越した歌唱力、そしてリーダーtetsuyaの独特のベースラインは、ドライブしたナンバーでもスローなバラードでも楽曲の表現力を的確に高めています。

kenギターはあくまでも繊細。ロック系のバンドとしては珍しいクリアな音を好む奏法で、ライブでのパフォーマンスも非常に高いテクニシャンです。

yukihiroは、2バス3ハイハットという独自の要塞のようなドラムセットを使用。手数が多く、変則リズムも多用する彼のドラミングの豊かさは、このバンドがギター1or2、ベース1、そしてドラムのシンプル設定であることを忘れさせてくれるほどです。

演奏技術が高いメンバーが集まると、技量に頼った楽曲作りに走り、難解な方向に行ってしまうこともあるのですが、彼らには全くそういうところがありません。あくまでも楽曲重視、表現力重視のスタイル。

それがコマーシャリズムでも成功を収めた大きな理由だと思います。

一時期、そのファッション性の高さから、ヴィジュアル系バンドとして認知されたこともありましたが、「ヴィジュアルで売る」という意味で言っているのなら、それは彼らには非常に失礼な烙印だったと思います。

溢れる才能を抑えきれない!!アルバム2枚同時発売

それでは彼らの名盤と言われるアルバムを紹介したいと思います。 

前代未聞のアルバム同時発売

今でこそ、アルバムの同時発売は時々見かけるようになりましたが、オリジナルアルバムで、しかも完成度の高い2枚を同時に発売し、それを2枚ともヒットさせたのは彼らが初と言っていいでしょう。

その2枚は「ark」と「ray」。

1999年7月1日に同時発売されたこの2枚は、たちまちオリコンランクのワンツーを占めます。

初週に、2枚合わせて300万枚を売り上げた大ヒットとなりました。

シングル4曲を含むラルク最大のヒット作「ray」

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曲順にもこだわったヒット曲満載の「ray」

この「ray」そして「ark」が発売される前年の1998年は彼らがまさに快進撃を続けた年でした。

シングルの発表は実に7枚。7月8日には「Honey」、「花葬」、「浸食~lose control~」の3曲が同時に発売されています。

「ray」には、この3曲以外にシングルsnow drop」がアルバムmixで含まれ、ヒット曲が満載。

これだけでも聴く価値大なのですが、それで終わらないのがL'Arc~en~Ciel

アルバムとしての流れと完成度を重視した作りになっています。

6曲目のインストゥルメンタル「L'heure」には、フランス語で男女の会話が挿入されていて、ダイナミックにhydeが歌い上げる「花葬」と絶妙な対比を見せます。

また9曲目「trick」はライブではメンバーがパートをチェンジしてプレイし、歌うナンバー。ラストのバラード「the silver shinning」も加え、ヒット曲との融合でアルバム全体を際立たせています。

彼らの最大のヒットとなったのはうなずけるアルバムですね。

ベース、ドラム、ギターが入ってくるところがカッコ良過ぎます! いや、すべてカッコ良過ぎですね。

「ray」と同時発売、こちらもシングル4曲を収録

どの曲をとっても素晴らしい完成度

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「ray」と同時に発売されたこの「ark」は「DIVE TO BLUE」「HEVEN'S DRIVE」「forbiddin lover」「Pieces」の4枚のシングルと、後にシングルカットされた「Driver's High」を含む大ヒットアルバムです。

「ray」と同時発売という前代未聞のスタイルを取ったわけですが、1曲1曲がすべてレベルが高く、聴けば聴くほどその細部にまでのこだわりが見えます。

結局、削るべき曲など1曲も存在せず溢れる才能を披露するには、2枚発売するしかなかったということなのではないでしょうか。

これほど短期間にこれだけのチューンを提供できたアーティストを他には知りません。

活動休止後の大ブレイク「HEART」