あなたは、自分が死ぬ時のことを考えたことはありますか?

おそらくほとんどの方が考えたことがないかもしれません。

しかし今、もし死を迎えることになったら、あなたは自分の人生に満足だったと心から思えるでしょうか?

もし満足だと思えるのなら、今のあなたはきっと充実した人生を歩んでいるのでしょう。

つまり「死に方」は「生き方」。

「幸せと思える死に方」は「幸せと思える人生を歩んだ」ということ。

「還る場所の夢を見た」とは、赤ちゃん自身が幸せな人生を歩む夢を描いたということを意味しているのです。

ただしここで見た幸せな人生は、赤ちゃんがママのお腹の中で見た夢にすぎません。

実際に歩めるかどうかは生まれてみないとわからないのです。

赤ちゃんの誕生

命が誕生した喜びを表現

Oh oh oh
Hallelujah
Oh oh oh
Oh Hallelujah
あなたの帰る場所に
ヒカリを
うまれ落ちたその場所で

出典: 道しるべ/作詞:絢香 作曲:絢香

ハレルヤは、歓喜する気持ちを表す言葉です。

赤ちゃんの誕生というとても素晴らしい瞬間を讃えているのでしょう。

そしてここでは「還る」ではなく「帰る」と表しています。

つまりこの部分での「帰る場所」はママを差しているでしょう。

生まれた新しい命は、この先いろいろな経験をしながら人生を歩むことになります。

楽しいこともあれば悲しいこともあるでしょう。

つらくてつらくて、居場所がないと感じることもあるかもしれません。

しかしどのような時でも、自分には帰る場所がある。

自分を生んでくれたママはいつだって自分の味方。

ママに触れれば傷ついた心も癒やされていく。

それだけで自分の人生は捨てたもんじゃないと感じるでしょう。

どうか、これから新たな人生が始まる赤ちゃんにもそう思える場所がきっとありますように。

ママは赤ちゃんにとって、いつまでも暗闇を照らす光のような存在であり、道しるべであって欲しい。

これが、絢香さんのこれから生まれてくる新しい命に対して抱く強い願いなのですね。

夢に見た人生と現実との違い

うまれ やがて目を閉じて
みんな同じ空へ届く
あぁ なぜに違う景色
あふれ

出典: 道しるべ/作詞:絢香 作曲:絢香

人間にとって生まれる死ぬは、あらかじめ決まっていて平等に存在すると歌っています。

生まれて死ぬは同じなのに、その間をどのように生きるのか、どのくらい生きるのかは十人十色

その中で自分の歩んだ人生が、ママのお腹の中で夢見ていたものと同じだった人は一体何人いるのでしょうか?

きっと同じかそれ以上に幸せだったという人はとても少なくて。

思い描いていたものと違ったと感じつつ死を迎える人の方が多いかもしれません。

絢香さんはそんな世の中を憂いているようです。

支え合うことで得られる幸せ

支え合った 夢を見た

出典: 道しるべ/作詞:絢香 作曲:絢香

これを意味するもので一番わかりやすいのは結婚でしょう。

たとえうまくいかないと感じる人生だとしても、結婚によってもたらされる幸せがあります。

一人だとつまらない人生だったかもしれない。

けれど二人になったことで、新たに生まれる幸せがあるよというメッセージが込められているでしょう。

そしてここの「夢を見た」はおそらく新たな命が宿ったことを意味しているように思います。

結婚し新たに宿る命。

生と死は繰り返されていくというメッセージが込められているでしょう。

繰り返し生み出されていく新たな命

新しい命が誕生するたびに、今度こそ生まれた赤ちゃんが幸せな人生を歩みますように。

ママのお腹の中で夢描いた人生が現実になりますように。

絢香さんは、命が生まれるたびにそう願わずにはいられないのです。

ママのお腹の中で夢描いた人生が現実になる瞬間

うまれ落ちたその場所で
還る場所の夢を見た

出典: 道しるべ/作詞:絢香 作曲:絢香

この最後の歌詞で、ついに夢描いた人生と現実が同じになる瞬間を表現しています。

先に出てきた同じフレーズは、まだママのお腹の中でした。

ママのお腹の中で見る幸せな人生。けれど生まれてみるとそうじゃなかったことが多い人生。

しかし新しい命は次々と生まれていく。

たとえ理想と現実が違ったとしても、せめてその子を支えるママはあたたかな光でありますように。

と願い続ける絢香さん。

そして最後には、ママのお腹の中で描いた幸せな人生を歩む赤ちゃんが生まれてくることを歌詞に乗せます。

この曲は、とても奇跡的感動的な場面で終わるように作られているのですね。