絢香 初のカバーアルバムに収録

絢香【空と君のあいだに】歌詞の意味を考察!悪になれる理由とは?相手を想うからこその優しさに迫るの画像

【空と君のあいだに】は、2013年にリリースされた絢香初のカバーアルバム『遊音倶楽部』に収録されています。

誰のカバー曲かというと、本曲の作詞作曲者である中島みゆき

オリジナルは1994年に中島みゆき31作目のシングルとしてリリースされています。

絢香の他、槇原敬之工藤静香、後藤真希といったバラエティに富んだアーティストがカバー。

本曲のファン層の広さを感じさせます。

オリジナルの中島みゆきバージョンは、力強い歌唱がとても印象に残る曲です。

それだけに、絢香のようなソフトトーンのアーティストが歌っても大丈夫なの?という心配もありました。

ところが絢香バージョンを聴けば、それは取り越し苦労であったことがわかります。

静かな歌声が、本曲のコアテーマである相手を想う優しさをより一層際立たせることになりました。

本当に同じ曲なの?と思うほどのアレンジは、絢香ならではの魅力ではないでしょうか。

MVを見てみよう

静かなイントロでスタートしたMVには、1本の大きな木がゆっくりと映し出されていきます。

本曲の歌詞冒頭にポプラの枝が登場しますので、それをイメージしたものでしょう。

その後カットが変わると、そこにはひとりの少年が。

木に耳を寄せ、もたれかかるように木にしがみつき座り込んでいます。

ここからMVは歌とともに、まるでドラマを見ているような展開に...。

MVとしてはストーリー性のある大変凝った作りです。

これは恐らく、本曲を絢香なりの世界観で表現するために制作されたものでしょう。

見終わった時には、涙が溢れ出ること間違いなしのMV、必見です。

1番を考察

ポプラの枝が意味するもの

絢香【空と君のあいだに】歌詞の意味を考察!悪になれる理由とは?相手を想うからこその優しさに迫るの画像

君が涙のときには 僕はポプラの枝になる

出典: 空と君のあいだに/作曲:中島みゆき 作詞:中島みゆき

ポプラは防風林としてよく使われる木です。

生命力がとても強く、かなりのスピードで育つため、並木として公園や河川敷などの水辺でよくみかけます。

真っすぐ伸びた幹に沢山の枝と葉をつける姿は、頼もしさを感じさせますね。

この歌の主人公"僕"は自身をポプラに例えました

これにはどういう意味が隠されているのでしょうか。

それは君に悲しいことが起きたときには、全身全霊をかけて守ってみせるという覚悟であることにはちがいありません。

しかし、それ以外にもっと大きな意味があるのです。

気づかれにくい優しさ

それは直接的な守り方ではないということ。

君を守るのであれば、"僕の胸に飛び込んでおいで"や、"いつも側にいるよ"等でもいいはずです。

というより、そのほうが君へのアピールになり、印象も強くなると思います。

一方、このポプラの枝とは非常に気づかれにくい守り方なのです。

たとえば雨が降ってきたときに傘を持っていなかったら。

または日差しが強くて少し休憩をとりたかったら。

木の枝の下で、雨や日差しを凌ごうとしませんか?

そう、木の枝のお陰で雨宿りができ、熱中症も避けることができるのです。

でもあらためて自分は木の枝に守られているんだ、なんてことはこれっぽっちも思わないはず。

つまり、気づかれにくい優しさなのです。

それでも僕はそれでいいと思っています。

君は悲しんでいるところを誰にも見られたくないはずだから。

それならば気づかれないよう、そっと守ることにしました。

それは相手を想うからこその優しさです。

僕の人物像

孤独な人につけこむようなことは言えなくて

出典: 空と君のあいだに/作曲:中島みゆき 作詞:中島みゆき

心が弱っているときほど、優しい言葉に敏感になりがちではないでしょうか。

悲しむ君を目の前にして、僕も本当は言葉をかけたかったはずです。

でも弱っている人を狙って、言葉巧みにアプローチしてくる人が世の中には沢山います。

僕はそういう人たちと、同類にはなりたくありませんでした。

そんなことで君の心を手に入れても、幸せではないからです。

このことから僕の人物像が浮かびあがります。

誠実で卑怯とは無縁の人のようです。

遠い夜の悲しい出来事