「Over “Quartzer”」という曲名を見たとき、多くの人が「なんて読むの?」と思ったかもしれませんね。
タイトルに入っている「Quartzer」は「クォーツァー」と読みます。
そしてこの単語は造語なんです。
仮面ライダーシリーズの主題歌には、こういった言葉あそびが含まれることがあります。
例えば、さきほどISSAのソロ曲としてご紹介した「Justiφ's」。
この曲は「ジャスティファイズ」と読んで、「仮面ライダー555(ファイズ)」の作品名を曲名に入れ込んでいます。
「Over “Quartzer”」の場合は、音が違うのでどうやらこのパターンではないようです。
そこで、似ている単語からその意味を考えてみました。
ぱっと見て筆者が最初に思い浮かんだのは"Quarter"。
四分の一、四半期といった意味の単語です。
四半期つまり25年。
平成仮面ライダーシリーズはジオウで20作品目を迎えるので、近からず遠からずといったところでしょうか。
「Over “Quartzer”」としてまとめて考えると、四半期を超えてといった意味になります。
20年続く平成仮面ライダーたちを超越していく。
そんな仮面ライダージオウの存在そのものを表しているのかもしれません。
間にジオウの頭文字"z"を入れ込むあたりに、仮面ライダーらしい遊び心を感じますね。
もうひとつ、モチーフの時計から連想できるのが"Quartz"。
水晶という意味ですが、クオーツ時計という意味でも使われる単語です。
正確に時を刻む"Quartz"に、〜する人という意味の"er"を加えて"Quartzer"と考えられます。
なんだかしっくりくる気がしますね。
曲名は「Over “Quartzer”」なので、"Quartzer"を超えていけ、乗り越えろといった意味でしょうか。
乗り越えていくのが主人公の使命だと考えると、"Quartzer"はいま既に決まっている未来。
主人公が悪の支配者となってしまう運命を覆せ、そんなメッセージなのかもしれません。
ソウゴの歩む未来
一瞬で掴み取るのさ Are you ready?
新しい歴史はそこに Feel it! Feel it!
絆(ひかり)を糧に加速して
このまま Shout it out! Shout it out!
現在(いま)を進めよう
惑う日も 幾度となく 明日の扉叩け
見つめたその先に
飛び込んでみたら
Believe yourself!!
出典: Over “Quartzer”/作詞:Shuta Sueyoshi、溝口貴紀 作曲:MiNE、Atsushi Shimada
この歌詞は主人公・ソウゴに重ねて解釈するのが一番自然だと筆者は考えています。
ある日突然、未来からやってきた人に「お前は世界を滅ぼす魔王になる」と言われてしまうソウゴ。
しかし、彼はかなりポジティブな性格なようで、あまり思い悩む様子もなくその事実を受け入れていました。
そしてどうせ偉くなるなら、善良な魔王になればいいと考えます。
冒頭で描かれている"新しい歴史"というのは、まさにこの良い魔王になるための歴史のことでしょう。
"絆"は、ヒロインのツクヨミと仮面ライダーゲイツとの仲間としての関係だと考えられます。
とくにソウゴを抹殺するために未来からやってきた仮面ライダーゲイツは、今後相棒になりそうな存在。
まだ本編が始まったばかりなので分からない部分も多いのですが……。
主人公が新たな未来を掴んでいくために重要な人物になりそう。
もしくは、タイムトラベルした先で関わることになる過去作品のライダーたちとの絆とも解釈できそうです。
絆を"ひかり"と読んでいるあたりが、ヒーローの輝きのようなものを表しているようにも感じれられます。
後半の部分は、いくつもの平成仮面ライダーの世界へ訪れることを示唆しているようです。
まだ数話ですが、主人公は物怖じしない性格のように感じられます。
飛び込んでいくという言葉がぴったりと当てはまる気がしますね。
“Quartzer”を超えていくサビ
Now, Over “Quartzer”
時の雨 擦り抜けて 共に
You, Over “Quartzer”
未来を超えよう
過去の意思は 嘘では欺けない
感じろ そう Nexus Future
Now, Over “Quartzer”
目映い世界 魅せて
出典: Over “Quartzer”/作詞:Shuta Sueyoshi、溝口貴紀 作曲:MiNE、Atsushi Shimada
サビの部分です。
ここでタイトルにある造語"Quartzer"が出てきていますね。
身体を冷たく濡らす雨は、試練や苦悩を表しているように感じられます。
一緒に超えていくのはAメロで登場した仲間であり、劇中に登場するこれまでの仮面ライダーたちでしょうか。
本編ではソウゴが過去の主人公たちに接触して、彼らの持っていた力に大きな影響を与えることになります。
それぞれの作品に主人公がいて、その世界における信念や平和があるはずです。
そこに干渉していくことになるソウゴたちには、世界を変えるだけの確たる信念が必要だと思っています。
その強い意志が込められているのがこのサビの歌詞なのではないでしょうか。
歌詞に隠されたもうひとつの意味
歴代ライダーのキーワードが!?
歌詞の意味について考えてみました。
しかしネット上では、実はもうひとつ別の意味があるのでは!?と話題になっています。
その内容というのが、歌詞に歴代平成仮面ライダーを連想させるキーワードが散りばめられているというもの。
例えば、"Are You Ready?"は「仮面ライダービルド」でよく出てくるキーワードです。
"擦り抜けて"は主人公が幽霊になっている「仮面ライダーゴースト」……。
といった具合に、多少強引ではありますが随所に歴代仮面ライダーたちが脳裏に浮かぶ歌詞となっているんです。
フルはまだ公開されていませんが、早く歌詞全体でどんなキーワードが隠されているのか聴いてみたいですね!
まとめ
平成最後の仮面ライダーとしてこれから1年間盛り上がりが予想される「仮面ライダージオウ」。
その世界観を表現している主題歌「Over “Quartzer”」をご紹介しました。
時代を行ったり来たりして、その度に少しずつ歴史が変わっていくので理解するのがなかなか大変ですが……。
大人が過去の作品を懐かしみながら楽しむのにはかなりおすすめです。
過去の作品に出会いながら、新たな未来を目指していくソウゴと仮面ライダージオウ。
過去を超えた先にどんな未来があるのか、楽曲とあわせてぜひ作品も楽しんでみてください!
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