戻らない時間への後悔
「あのとき、こうしていれば良かった」。
そう考えたこと、一度はあるのではないでしょうか。
仕事で失敗したり、夢を諦めたことを後で後悔したり。
たくさんの“もしも”を抱えながら、過ごしているものです。
恋愛においても“もしも”を考えることはあるでしょう。
片想い中であれば「あの人も私のことを好きでいてくれたら」とプラスの意味で考えて。
恋人と喧嘩をしたり、別れてしまったりしたときには「あんなこと言わなけれな良かった」とマイナスで考えて。
ですがどんなに未来や過去に“もしも”を想像しても、それは叶うことはありません。
タイムマシンもない現代、あるのは“今”のみです。
今回考察していくのはShuta Sueyoshiの「秒針 Re:time」。
失恋をテーマに、戻ることのない時間への後悔を歌ったバラードナンバーです。
戻れないと分かっていても、それでも願ってしまう彼女への愛を綴った歌詞。
失恋をしてしまった方、そして恋人がいるという方には後悔のないようにとの願いを込めて、聴いていただきたいです。
「秒針 Re:time」について
「秒針 Re:time」は、AAAのメンバーであるShuta Sueyoshiのソロ楽曲です。
2017年に配信シングルとしてリリースされました。
イントロでは楽曲のテーマである秒針の音を使用。
耳に馴染む甘い声と壮大なストリングスが、キャッチーなメロディーラインを鮮やかに彩っています。
普段はAAAやShuta Sueyoshiを聴かないという方にも聴いていただきたい、心地良いサウンドデザインです。
MVをチェック!
YouTubeのavex公式チャンネルには「秒針 Re:time」のMVが公開されています。
時計の前に立ち、哀しげな表情でこの曲を口ずさむShuta Sueyoshi。
時折見せる優しい笑みが、もう会えない彼女のことを思い出す瞬間を表現しており、切なさを演出します。
二番では学生の男女が登場し、ストーリーを展開。
描いていた未来
この曲の登場人物は二人。
主人公である“僕”と、“君”です。
理想とは違う現在
破り取ったノートの端 綴った願い
「変わらないで変わらないでこのままでいさせて」
でも時計の針は淡々と時を刻み
僕らの想いまで変えてしまったね
出典: 秒針 Re:time/作詞:末吉秀太・HIROTOMO 作曲:HIROTOMO・中山英二
描かれているのは主人公が望む未来。
二人は付き合っていたのでしょう。
楽しいことも悲しいことも共有しながら、たくさんの思い出を作ってきました。
この生活も、二人の間に生まれた愛も、いつまでも続いていくことを望んでいたのです。
しかし描いていた理想の未来は訪れることはありませんでした。
“別れ”を選んだからです。
刻々といつまでも進んでいく時間とは対照的に、二人の関係には終止符が打たれてしまいました。
ノートに書き残した理由
なぜ主人公は自らの望む未来をノートに残していたのでしょうか。
理由は二つ考えられます。
一つは二人の時間が心から幸せだったから。
楽しいと思えることほど、時間はあっという間に感じます。
反対につまらなければ、長く感じるでしょう。
現実に進んだ時間は同じでも、心の持ち方によって体感は大きく変わるものです。
主人公も君との時間をあっという間に感じていたのではないでしょうか。
そんな幸せな時間がいつまでも続くことを願い、ノートに残したのです。
もう一つは、二人の関係に不安を抱いていたからではないでしょうか。
些細な喧嘩が多かったり、就職や進学などで必然的に離れ離れにならなければいけなかったり。
何かしらの不安要素があったのでしょう。
それでも主人公は君のことが好きで、一緒にいる時間が本当に幸せに感じていました。
だからこそ、この時間がいつまでも続くようにと祈るような思いでノートに残していたのかもしれません。
君からの優しい嘘
君がついた小さな嘘の本当の意味と
優しさに気づけない僕は弱過ぎて
ちぐはぐズレてく2人の心
チクタク時計は変わらず進み
出典: 秒針 Re:time/作詞:末吉秀太・HIROTOMO 作曲:HIROTOMO・中山英二