14歳でアイドル歌手としてデビューしたアン・ルイス。

「WOMAN」のリリース当時は33歳、8歳の男児の母になっていました。

少女から大人の女性へと成長した彼女が歌った「WOMAN」。

そこに込められた女性の心情は、リアリティーをもってリスナーに迎え入れられました。

人の心に響くリアリティーは、ロックシンガーとなった彼女の作品に共通するものです。

歌詞に登場する身勝手な男性たちもまた、当時の社会のリアリティーに満ちていました。

「WOMAN」は、大人へと成長した女性の生きざまを表したような曲だったのです。

長いキャリアを通し、アン・ルイスが紡いだ作品の世界観。

それは、後に続く女性の生き方のバイブルになったともいえます。

事実、彼女の曲は1990年代も、多くの女性が好んで歌うカラオケの定番であり続けました。

日本のロックシーンにおいて、次世代の女性シンガーに与えた影響も大きかったのです。

1980年代のロッククイーン

女性ロックシンガーの先駆け

アン・ルイス【WOMAN】歌詞の意味を徹底解説!女性ならではの表現に注目!失恋に堪え忍ぶ心が痛々しいの画像

1974年の歌謡曲「グッド・バイ・マイ・ラブ」のヒットでも知られるアン・ルイス。

キャリアをひも解くと、早い段階から先進的なサウンドへの接近を試みていたことが分かります。

山下達郎竹内まりや松任谷由実といった、時代の最先端を行くミュージシャンとのタッグです。

幼い頃から、Led Zeppelin(レッド・ツェッペリン)などのハードロックにも親しんでいた彼女。

1980年代にかけて、自身の作品もロック色を強めていきました。

卓越したビジュアルと歌唱力を持つ彼女にとって、ごく自然な成り行きだったといえます。

「六本木心中」をリリースした当時、ヒット曲を持つ女性ロックシンガーはほぼ存在しませんでした。

それまでは男性的な激しい音楽と認識されていた、ロックという音楽。

ハードロックという過激な音楽表現で、女性特有の感情をさらけ出してみせたのがアン・ルイスでした。

彼女は、日本のロックシーンにおける女性シンガーの先駆けだったのです。

「Merry X' mas Show」に見る存在感

アン・ルイス【WOMAN】歌詞の意味を徹底解説!女性ならではの表現に注目!失恋に堪え忍ぶ心が痛々しいの画像

ここで、1980年代のアン・ルイスの存在感が伝わる興味深い映像を紹介します。

日本のロックがメジャーなシーンに躍り出ようとしていた1986年のこと。

KUWATA BANDで活動していた桑田佳祐の呼び掛けによる、ある画期的な企画が実現しました。

その年のクリスマスイブに、テレビでオンエアされた伝説の音楽番組「Merry X'mas Show」です。

当時、テレビではなかなか見られなかったロックスターが繰り広げた豪華セッションの数々。

紅一点のロックシンガーとして、そのステージを踏んだのがアン・ルイスでした。

紹介する映像は、彼女がスペシャルバンド「ロッケストラ」メンバーとしてマイクを握った曲の1つ。

The Rolling Stones(ザ・ローリング・ストーンズ)の「LET`S SPEND THE NIGHT TOGETHER」です。

桑田佳祐氷室京介BOØWY吉川晃司と並んでシャウトするシーンは、鳥肌が立つほど堂々たるもの。

ギラギラとしたその輝きは、正真正銘のロッククイーンと呼ぶにふさわしいものでした。

BOØWYで大ブレイクする直前の氷室京介らを従え、曲のカウントをシャウトするアン・ルイスの存在感。即席バンドでマイクを握っているとは思えない、彼女のパフォーマンスの高さが伝わります。

ガールズロックの系譜

アン・ルイス【WOMAN】歌詞の意味を徹底解説!女性ならではの表現に注目!失恋に堪え忍ぶ心が痛々しいの画像

アン・ルイスらが切り開いた、ガールズロックというジャンル。

1990年代に入ると、彼女の系譜といえる女性ソロシンガーも登場します。

95年にデビューした相川七瀬は、まさにその代表格といえるでしょう。

メロディアスなハードロックをベースとしたサウンドは、アン・ルイスの系譜そのもの。

相川七瀬は2002年に「六本木心中」をカバーしたことからも、その影響をうかがい知ることができます。

ちなみに「六本木心中」は、音楽ジャンルの異なるJUJUSCANDALなどもカバーしました。

アン・ルイスの作品は時代を超え、女性たちの心に生き続けているのです。

まとめ

1990年代のロッククイーン

女性らしさの中にのぞく、女性としての強烈なプライド。

相川七瀬の作品には、アン・ルイスと共通した深みが感じられます。

1990年代のロッククイーンとしてブレイクした彼女の魅力を紹介する記事。

OTOKAKEライターならではの考察に、ぜひ目を通してみてください。

いつまでもロックでかっこいい女性の相川七瀬。今回は、そんな相川七瀬のデビュー曲である「夢見る少女じゃいられない」をご紹介します。少女が女性に変化していく切ない恋心が描かれた歌詞にも注目です!

歌い継がれる名曲

優れた音楽は、時代やジャンルを超えて愛され続けるもの。

そんな真理を証明してくれたのが、「六本木心中」をカバーしたJUJUの企画アルバムです。

OTOKAKEライターの記事を通し、めくるめく1980年代の名曲の数々も、ひも解いてみてください。

カバーアルバムが大ヒットしたJUJUさんの最新作は、自身のルーツでもある歌謡曲を集めた一枚となっています!しっとりと歌い上げる大人な楽曲の数々は、聞いてみる価値ありですよ♡

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