恩師が残してくれた曲を
北の町で歌います
2020年1月8日リリースの「北のおんな町」ますはMVからご紹介します。
始まりのカモメの鳴き声がすでに切ないですね。
海をバックに歌う三山ひろしさんの表情から、この歌に込めた思いが伝わってきます。
ショートバージョンですがぜひチェックしてみてください。
思いは永遠に
中村 典正(1935年12月12日 - 2019年8月16日)は、おもに歌謡曲、演歌を手がける日本の作曲家。三山ひろしを育てたことでも知られている。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/中村典正
逝去された日付を見ると分かるのですが「北のおんな町」は最後の曲ともいえるのです。
恩師が残してくれた大切な宝物のような1曲となりました。
MVからも分かるように、その遺志を受け継ぎつつもいつもの声に変わりはありません。
三山ひろしさんの声はこんな例えもあります。
人に安心感と活力を与えるその声は「ビタミンボイス」と呼ばれている。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/三山ひろし
ビタミンカラーといえば見ただけで元気の出るオレンジやイエローです。
でも栄養素に例えられているのは歌声。
聴いたなら、お肌の調子も良くなるかもしれません。
元気で整う声を聴かせてくれる演歌は、カラオケでも人気がありますね。
心を癒してくれる声だけど、歌詞の世界は人の「情」を切なく綴ります。
恋とおんなと北の大地。よろしければ地図もご用意ください。
この後は歌詞の解説にうつります。
天高く広がるけれど
おんなごころと 秋の空
出典: 北のおんな町/作詞:喜多條忠 作曲:中村典正
季節の空で、ことわざに使われる確率が高いのは「秋」でしょう。
気温が下がると空が高く感じられて、食べ物も美味しくなります。
この場合は、決してネガティブな空ではありません。
そしてもう1つ秋を表すことわざがありますね。それがこの歌詞の始まりです。
始まりを告げる合図のように、ドンとこのことわざが据えられました。
予想がつきにくい秋の天気のように、女子の心もあっちこっちと変化をする。
好奇心が旺盛で立ち直りも早いという褒め言葉に解釈することもできるのですが。
歌詞に出てくる歌の主人公はそれとは真逆のようです。
この後は歌の主人公が抱える女ごころを地名と共に見ていきましょう。
このままでいいの…それとも
忘れるなんて
変わりやすいと 言うけれど
どうして私は 変われない
出典: 北のおんな町/作詞:喜多條忠 作曲:中村典正
空を使ったことわざで表した心の動き。
もしことわざが本当であれば、歌の主人公はこんなにも苦しむことは無いのでしょう。
そうじゃないことに気が付いたけれど、どうにもできない自分の心。
主人公の上には高く青い空が広がっているのかもしれません。
秋になって空気が乾いてくるとひつじ雲を見ることができます。
でも主人公の心は湿ったまま、爽やかな季節とは程遠い思いの中にいるのです。
周囲の空気とのギャップも自分を苦しめます。
「終わったのなら忘れて次に行けば良いのに」こんなアドバイスも耳に入りません。
変えられない・変えたくないが本音でしょう。
好きになったら一途でいたい、それが北に生きる「おんな」。
心に根差す感情を言い当てる、喜多條忠さんならではの歌詞がここにありますね。