アイドルグループ
先駆け
女性アイドルグループの先駆けとして一世風靡したおニャン子クラブ。
その中からは、ソロ活動するタレントも生まれました。
「冬のオペラグラス」も、おニャン子クラブの一員、新田恵利のソロ曲。
軽快なリズムに切ない女心がつまった一曲は発表から30年以上たった今も色褪せません。
今回はそんな一曲を、読み解き独自解説していきます。
オペラグラス?
サビ部分の耳に残る繰り返し、1980年代に青春を過ごした方は大抵耳に残っているのでは。
アイドルソングの場合は、歌詞を考えながら聞くというよりリズムで聞いてしまうもの。
今回ご紹介する「冬のオペラグラス」も軽快な曲調がまず印象的です。
鼻歌交じりに歌いながら、あれ?なぜオペラグラスなの?と改めて。
オペラグラスとは、コンサート会場などでも活躍する小さな双眼鏡。
メロディと相性の良い、冬のオペラグラスとはいったいどんな意味なのでしょうか。
冬のある日に気付く恋
白い雪がガラス窓に咲くように
そっと降り積もる
静かすぎる こんな夜は眠れずに
あなたが気になるの
いつも逢う度 ケンカばかりして
ただの友達と 想ってた
出典: 冬のオペラグラス/作詞:秋元康 作曲:佐藤凖
恋に気付くきっかけはいろいろあります。
出会った瞬間。ふと笑顔を向けられた時。
一緒にいて楽しいなあと思う時に、好きだとしみじみ感じることがあります。
本人を目の前にしていない時に、相手のことを思い自分の恋心に気付くことも。
気が付けばあの人のことを考えていることがあるなあ。
そんな時に自分の中の恋心に気付き、どきっとしてしまう、それが恋の始まりです。
雪の降る日に思うこと
雪の降る日はいつもよりも静かに感じられます。
ヒーターの音や、隣家からの小さな生活音、そして雪の降る音まで聞こえそうな。
特に夜は、キンと冷えた空気と相まって余計に静かさが身に染みます。
真冬の凍り付くような夜。
しっかりと守られた室内の空間にいると、外と中とが異次元のようにも思えてきたりします。
雑音に囲まれながらあわただしく過ごしていた時に聞こえなかった自分の気持ちがふと聞こえたり。
しんしんと降る雪の音を体で感じながら、主人公の女性はふと自分の中の恋心の扉を開いたようです。
彼は今頃
好きの反対は嫌いではなく、「無関心」と良く言われます。
好きでもなんでもない人のことは、何か用事がないと思い出すことすらありません。
相手に関心を持つというのは、無理してできることでなく。
自然と自分の中から「気になる」気持ちが芽生えるか、芽生えぬかだけのこと。
自然発生の「関心」が恋心の第一歩です。
仕事や趣味、学業など何かに打ち込んでいる間は、それ以外のことに意識は向きません。
それらがひと段落して落ち着いた時に、ふと「気になる」が姿を現します。
あの人は今頃何をしているのだろう。
そういえば今日は大切な仕事があると言っていたけれど、うまくいったのかな。
そんなことを考えている自分に気付き、恋の始まりをゆっくり自覚していきます。
オペラグラスを取り出せば
冬のオペラグラスで
夜の街をのぞけば
恋をしてる私の顔映った
冬のオペラグラスで
胸の奥をのぞけば
いつもよりも素直な私がいた
出典: 冬のオペラグラス/作詞:秋元康 作曲:佐藤凖
雪の降る夜に自分の心の変化になんとなく気づいた主人公。
彼女がオペラグラスでのぞくのは、どんな世界なのでしょうか。