そのままにはしておけない
I'll do it for you
どうする? どうする? どうする? どうする? どうする?
I got it!
出典: ダンスの理由/作詞:秋元康 作曲:平手友梨奈・辻村有記・伊藤賢
ここで彼女は、「獣」を助けるために自分に何が出来るのか思索します。
英詞は「私はあなたのためにそれをする(助ける)」を意味します。
考えた末、彼女は「わかった!」と自分なりの答えにたどり着きました。
踊り続けることを選ぶ
私が踊り続ければ
世界が許すと言うのなら
いつまでだって keep going yeah
何度だって踊るよ
倒れても構わない
誰かの悲しみを癒す
その一瞬のために夢のようなターン決めよう
出典: ダンスの理由/作詞:秋元康 作曲:平手友梨奈・辻村有記・伊藤賢
彼女は「獣」のために踊り続けることを選んだのです。
彼女はいくら自分の身がボロボロになろうとも、苦しんでいる誰かを助けようとしています。
MVでは平手が中心となり集団でのダンスを「獣」に対して披露しています。
一見威圧のように思えますが、これは彼女たちなりのコミュニケーションなのでしょう。
ダンスを輪の外から見ている「獣」に対して、救いの手を差し伸べる意思を伝えています。
彼女の強い決意を象徴するかのように、ダンスの迫力は格段に増しています。
心擦り減らして 傷ついたって
絶対に救いたい あの娘は私
死なないで あの頃の私
出典: ダンスの理由/作詞:秋元康 作曲:平手友梨奈・辻村有記・伊藤賢
「獣」の辛さを過去の自分と重ね合わせることで理解しようとしています。
これは、実際の彼女の人生ともリンクします。
アイドルとして苦悩した日々
彼女は欅坂46に所属していた時代、その中心として厳しい批判を受けることが多々ありました。
グループへの批判が彼女個人を誹謗中傷するものとなることもありました。
連続センターというグループの矢面に立つ者として、人知れぬ苦労があったと思います。
そんな彼女だからこそ、苦しんでいる誰かを放っておくことはできないのでしょう。
この曲は、自身のパフォーマンスが誰かの救いになることを目指す彼女の意志が強く現れています。
自身が経験した暗闇
やさしさなんて余計なお世話だって
強がりと思えないくらい幸せ憎悪してた
拗ねていたわけじゃない 期待して傷つきたくはなかった
出典: ダンスの理由/作詞:秋元康 作曲:平手友梨奈・辻村有記・伊藤賢
こちらの歌詞も彼女のこれまでと重なります。
彼女はアイドル時代、笑顔をあまり見せない時期がありました。
この歌詞は、そんな彼女の当時の心境を表しているのではないでしょうか。
秋元康氏が書いた詞ではありますが、彼女の心情を丁寧に汲み取った上での作詞であると思います。
その証拠に、彼女の歌唱・パフォーマンスには自身の思いが強く乗っています。
無力感をエネルギーに
私にできることなんて
There is nothing special
何も 何も 何も 何も 何も 何もない
出典: ダンスの理由/作詞:秋元康 作曲:平手友梨奈・辻村有記・伊藤賢
謙虚な彼女の本心が吐露されています。
自身が苦しみを抱える者に対して何が出来るかを考えるうちに、自身の無力さを実感してしまうのです。
それは同時に、「私にはダンスしかない」と覚悟する瞬間でもありました。
最後のシャウトからは、彼女の強い決意を感じることができます。