実は『頭の中のフィルム』はお笑いコンビ品川庄司の品川ヒロシさんなんです。
『Zアイランド』、『漫才ギャング』など映画監督としても経歴のある品川さん。
今回のMVは彼の得意とするヤンキーもの。
内容は品川さんの自伝小説を元にした『ドロップ』に良く似ています。
また、派手な喧嘩はアクションシーンに定評のある品川さんならでは。
最後のクスッとなるオマケも品川さんが考案したものなのだそうです。
MVについているコメントはおおむね好評だったので、品川さんとの相性は良かったようですね。
他の曲でも今後組むことがあるかも?期待したいところです。
歌詞を解説!
君のことを思い出す
あなたもそう思っていたなら…
ああ 訳もなく
寂しさが 胸に転がって
ああ 記憶には
優しげな 君の苦笑いが
夕焼けと 眠りに落ちたんだ
出典: 頭の中のフィルム/作詞:卓真 作曲:卓真
この歌詞の主人公は、どうやら別れてしまった「君」を思い出してしまっているようです。
ついつい思い出してしまうというところに主人公の未練を感じます。
「苦笑い」とあるので、別れた時の思い出なのかもしれませんね。
それなりに時間は経っているようですが、主人公の中ではまだ吹っ切れていないように思えます。
MVにも登場する「夕焼け」は主人公にとって、思い出を引き出すトリガーになっているのでしょう。
分かり合えなかった過去
狭間の中君の
映画みたいな格好は
少しまだ悲しくて
分かり合えないことも
宝物に出来ていたら
あなたもそう思っていたなら…
出典: 頭の中のフィルム/作詞:卓真 作曲:卓真
寝付く前の無防備な時間につい「君」を思い出してしまった主人公。
夢うつつにまぶたの裏に映るのは別れ際の相手の姿。
おそらく最後に見た姿なので、より鮮烈に、より美しいものとして記憶されているのでしょう。
もう二度と会うこともないかもしれないと考えると、美しければ美しいほど悲しいとも感じます。
どうやらお互いに心がすれ違ってしまい、そのまま別れてしまった。
「考え方が違うから」
そんな理由だったのでしょうか。
違っているからこそ、人間はそれぞれお互いを支え合って生きることができるのです。
それこそが何よりも大事だったのに…
「君」はどうやらそう思わなかったのか、主人公は別れを告げられてしまいました。
後悔しているけれど
ああ 時は流れて
ありふれた 昔話さ
ああ 悲しみが
少しだけ 色褪せてたんだ
後悔した 終電が鳴り止んだ
出典: 頭の中のフィルム/作詞:卓真 作曲:卓真
部屋にしまってある古いアルバムを取り出すように、「君との別れ」を懐かしむ主人公。
時が経つにつれ、どうしても記憶が薄れていく部分もあります。
「あの時はどうだったっけ?」
それが増えるたびに時間が経ったことを感じて、切ない気持ちになっているのでしょう。
なるべく「君との別れ」を意識しないようにして前に進んでいた主人公。
「別れなければ良かった」
という後悔が強くなり、つい歩んでいた足を止めてしまった…
「終電」はそんな様子を表したものではないでしょうか?
頭の中のフィルムの格好は?
思い出も薄れてゆきつつある
頭の中のフィルムの
映画みたいな格好は
通り雨と同じ
少しの眠気のように
刹那の夢のように…
出典: 頭の中のフィルム/作詞:卓真 作曲:卓真
何をしていても不意に蘇ってくる「別れ際の君の姿」。
それは厄介でもあり、切なくもあり、付き合っていた頃を思い出して少し幸せでもある。
なんとも複雑な気持ちですね。