物理的な距離を越えてそこにあるもの
サヨナラはいわせない
いつまでも続いていく
Just say "Keep in touch"
ぼくらが描く Story
サヨナラというだけが
別れのコトバじゃないと
思うから ナミダはいらない
なにも変わらないから
出典: ki・zu・na/作詞:Kenn Kato 作曲:春川仁志
2コーラス目のサビに当たる部分の歌詞です。
ここでも、1コーラス目と同様に「またね」の描写が用いられています。
「離れ離れになっても仲間の絆はそのまま」ということを、要約した「Story」という言葉。
環境が変わってもそれぞれの場所で努力を重ねる自分たちが居れば、それが仲間としての日々になっていくのだと説かれています。
ここでの彼らは、例えるなら「上京する一人」と「地元の仲間」のような関係として捉えることができます。
彼らにとって、それぞれが置かれている距離はあまり問題になりません。
ここで伝えられているとおり「なにも変わらない」のです。
見知らぬ土地で目標に向かって充実した日々を送る相手を、今までと同じ気持ちで見守り続ける。
そんなシーンには、この「またね」というセリフが一番似合います。
「ki・zu・na」の歌詞をチェック!(間奏後~エンディング)
「なにか」が残るはず
そう いつの日か
なにかを手にして
この場所に戻る君を
待ってるから その時キミらしい
笑顔見せてくれ
出典: ki・zu・na/作詞:Kenn Kato 作曲:春川仁志
この部分の表現からは「簡単には帰ってこれない場所に行ってしまうキミ」を想像することができます。
ここで気付くのが、主人公が相手に対して伝えている「なにかを」という言葉です。
2コーラス目で述べられていた「ユメ」と「ゲンジツ」の描写。
そこでは、あたかもそれが「夢を叶えることが大切である」というメッセージとして感じられていました。
この「なにかを」という言葉は、それをさらに超越していると捉えることが出来ます。
要約すれば、それは「この決断を無駄なものにしてほしくない」という彼の想いです。
夢を叶えて欲しいが、もしそれが叶わなかったとしてもその経験から得た「なにか」がその手に残るはずだという言葉。
「どう転んでも成長できるのだから精一杯やってこい」と旅立つ相手の背中を押す、彼の優しさが垣間見えます。
いつも心に居る仲間
サヨナラをいわせない
なにかがこの胸にある
Just say "Keep in touch"
ぼくらの合言葉
いつだって、どこだって
目を閉じればそこに在る
もし仮に 遠く離れても
ぼくらはボクらのまま
出典: ki・zu・na/作詞:Kenn Kato 作曲:春川仁志
「ki・zu・na」の歌詞が伝えるもの
本作は既に述べた通り別れをテーマとして描かれており、そこにあるのは「旅立つ人間」と「送り出す仲間」の二軸です。
それを、送り出す側からの視点によって描写しているところに本作の魅力があります。
そして、根底に流れているのは「絆」という不変のつながり。
それがこの別れのシーンをより自然に、かつ前向きなものとして提示してくれています。
「みんながついてるから、思いきり頑張ってこい」と言わんばかりのメッセージは、夢を追うみんなを勇気づけるもの。
また、この主人公は相手を励ましながら、自分自身の生き方も見つめ直しているのかもしれません。
「絆」という言葉を通してそれぞれが置かれた立場を改めて振り返る事ができる、意味深い楽曲に仕上げられていると感じます。
「ki・zu・na」の概要
本作は、EXILEの12枚目のシングルとして2003年にリリースされています。
シングル連続リリース企画の中の一作で、彼らの代表作でもある「Choo Choo TRAIN」から四作が続けて発表されました。
2001年の活動開始から二年ほど経過した当時はEXILEの「第一章」と呼ばれる時期。
初代ボーカリストの「SHUN」が在籍している時代の楽曲として、本作はファンの間でも忘れられない楽曲となっています。