なんと、「誰がために鐘は鳴る」のPV撮影には、16時間もかかったそうです。あれだけ交通量が多い場所で、人も車も止めずに撮影するのですから、そりゃあそうですよね。

だからといって、交通をストップさせるわけにもいきませんし・・・。ご苦労様というしかありません。

監督は箭内道彦さん

撮影は、早朝4時から開始され、なんと夜の20時までかかったそうです。

そりゃそうですよね。実際のスクランブル交差点ですから、人混みは相当なものです。

それを掻き分けながら歌う優さんの姿を、近くのビルからカメラで撮影した、渾身のPVということですね。

また、PV撮影の監督はプロデューサーの箭内道彦さんが務めました。

臨場感のあるPVは、このようなこだわりによって生まれたわけですね。16時間の撮影というのは、撮る方も取られる方も大変そうです。

「誰がために鐘は鳴る」の歌詞は?

では、「誰がために鐘は鳴る」の歌詞を見ていきましょう。ドラマはかなり大変なストーリーでしたが、その重さを少し中和してくれるような、どこかに希望のある曲になっています。

鳴り止まぬ鼓動にその意味を見出せないままに 僕らは明日へ踏み出す
幸福ならそこら中にあるよって誰かが言うけど 嘆く声は今日も響いてる

出典: 誰がために鐘は鳴る/作詞:高橋優 作曲:高橋優

この部分は、先の見えない未来を嘆いているようですね。「鳴り止まぬ鼓動」というのは心臓のことでしょう。

生きている意味を見いだされないままに毎日を過ごしている、そんな情景が浮かんできます。

潔癖の社会に肖って 手をとり合うことは拒まれ続け
孤独のホームに並ぶ人々が 愛に飢えてる

出典: 誰がために鐘は鳴る/作詞:高橋優 作曲:高橋優

幸せなんてそこら中にあると言いながら、全く希望を見いだせない苦しい心の内が唄われています。

それも、「孤独のホームに並ぶ人々」ですから、時代そのものが停滞している印象を受けます。

ずっと思い描いた夢の続きを 僕らは今も歩いているんだ
混迷の地平線に希望はなくても 明日を信じながら

出典: 誰がために鐘は鳴る/作詞:高橋優 作曲:高橋優

サビの部分では「混迷の地平線に希望はなくても」と、もはや希望がないことをはっきりと唄っています。それでも明日を信じることをやめない。

それは前向きと言うよりも、未練や執着という印象を受けました。生きる意味も分からないままに生きて、希望はないのにすがってしまう。人間の悲しい性ですね。

いつも気付かないフリをしながら誰か傷つけて 似たような傷を付けられる
幸福ならいつかきっと来るよって話をした後で 明日死んでもいいような気がしてる

出典: 誰がために鐘は鳴る/作詞:高橋優 作曲:高橋優

気付かないふりをして相手を傷つけたり、反対に傷つけられたりする。それが人間というものかも知れません。複雑な人間関係の中で疲れ果ててしまった主人公の気持ちが浸みてきます。

幸せはいつか来ると話したのに、そのすぐあとには明日死んでもいいと思うほど、毎日にハリがなく、生きる意味を見出せないのでしょう。

些細なプライドを捨てたって 生きていけることに大差ないさ
孤独の手と手が触れ合えた時に 愛は満ちてく

出典: 誰がために鐘は鳴る/作詞:高橋優 作曲:高橋優

2番では、心に少し変化が訪れます。他人と触れ合うことを避け、心に蓋をしてきたのに、ここでは他人の温もりを求めています。

ささいなプライドを捨てても生きていける。そんな簡単なことを忘れていたんですね。「手と手が触れ合えた時」愛に飢えた体に、心に、温かい愛が満ちていくのです。

そっと差し伸べられた 木漏れ日のような 出会いが暗闇を輝らしているんだ
別れた人たちの 温もりさえも 今に息づきながら

出典: 誰がために鐘は鳴る/作詞:高橋優 作曲:高橋優

遠く離れた人でも、温もりはちゃんと心の中で息づいている。2番のサビでは、人と人がつながるあたたかさを唄っています。

先の見えない暗闇のような世界でも、大切な出会いが光となって道を照らしてくれる。だからまだ前に進める、そんな決意に満ちあふれています。

「認めない」「解り合えない」「疑い合わなくちゃならない」そういうことに縛られて
誰がために鳴り響く 鐘の音色さえも 忘れた人々がまた途方に暮れている...

出典: 誰がために鐘は鳴る/作詞:高橋優 作曲:高橋優

ラストラビに入る前のパートでは、現代社会の闇を歌い上げています。心を開かず、他人と触れ合わない潔癖社会。認め合うこともできず、人々はいがみ合っています。

「誰がために鳴り響く鐘の音色さえも忘れた人たち」とは、生きる意味もぬくもりも、他人との関わりの大切さも忘れた現代の人たちに向けられたものなのでしょう。

だからもっと手を取り合って、理解し合おうよ!という、強いメッセージが伝わってくるようです。