そのウワサは泡となって消えた
うたかたの国
出典: EL DORADO/作詞:デーモン小暮 作曲:ルーク篁,デーモン小暮
「うたかた」とは漢字では「泡沫」と書きます。
意味は、文字通り「泡(あわ)」のこと。
水面に浮かんではその都度消えていく泡のことを指します。
その意味が転じて「あっけなく消えてしまうもの」の意味も。
エルドラド伝説のように、信じられていたのにそれが実在しなかったような場合にも使えます。
人を突き動かすもの
謎めいた金色の城
出典: EL DORADO/作詞:デーモン小暮 作曲:ルーク篁,デーモン小暮
謎と聞いたときもやはり冒険心をくすぐられます。
新大陸には自分たちがまだ知らない色々なことがあってほしい…。
領土を広げるためだけでなく、人間本来の好奇心によるところが大きかったのでしょう。
だからこそ西洋人は大型船を建造し水平線のその向こうを目指しました。
安全な土地に留まることなく危険な海へと旅立ったのです。
新大陸にはそれこそどのような危険が待っているか想像さえできませんでした。
それでも彼らは勇猛果敢にそれへ立ち向かっていった。
それは「まだ見ぬものを見たい」という根源的な衝動からでした。
謎の金色に輝きそびえる城は、まさに悪魔たちが住んでいそうです。
西洋人から見た先住民たちは、もしかしたら悪魔にように見えていたのかもしれません。
ロールプレイングゲームのような世界
手招いている女性は?
あかねさす太陽のこもれ日の列
振りそそぐほどに 手招いているよな
悩ましい面影を照らしている
艶やかな幻の島
出典: EL DORADO/作詞:デーモン小暮 作曲:ルーク篁,デーモン小暮
エルドラドと黄金郷の伝説について見てきました。
さてここで1番Aメロ部分に戻ります。
「木漏れ日」があえて「こもれ日」となっていますね。
「あかねさす」、つまり「茜差す」となっていることから時間帯は夕方なのでしょうか。
また「降りそそぐ」はずの「木漏れ日」が「振りそそぐ」となっているのも気になります。
これはその後に続く「手招く」という動詞と対応しているためと考えられるでしょう。
そして「悩ましい面影」はどこか妖艶な女性の横顔を連想させます。
最後の1行は伝説のエルドラドのことでしたね。
冒険心を刺激する世界設定
昔の記憶の中に現れ出る
静かに沈みゆく うたかたの国
いつの日も届かない未知なる島
近づくほどに 眠りを誘うよな
麗しきぬくもりを漂わせてる
謎めいた金色の城
出典: EL DORADO/作詞:デーモン小暮 作曲:ルーク篁,デーモン小暮
サビの前にもう1度バースが繰り返されます。
大航海時代という昔に言い伝えられていた伝説で、それは今は失われている…。
それが「昔の記憶」。
実在しなかったことが分かっている今、その理想郷は海の底です。
実在しないため、そこには未来永劫たどり着くことはできません。
だからいつまで経ってもエルドラドは「未知の島」なのです。
4行目の歌詞はやはりどこか悪魔的ですね。
人を何か魔力のようなもので眠りへ誘っているかのよう。
その次の「麗しき」という言葉からも、エルドラドを根城にしているのは女の悪魔でしょうか。
未知の島にそびえる謎の金色の城。
そこに住まうは魔力をもった女の悪魔。
まるでロールプレイングゲームの設定のようですね。