聖飢魔Ⅱ【アダムの林檎】
収録されている教典
日本が世界に誇るヘヴィメタルバンド「聖飢魔Ⅱ」。
小教典と大教典『地獄より愛をこめて』に収録されています。
と、ここで1つ悪魔用語の補足をしておきましょう。
「小教典」とは一般に言うところのシングルCDを、「大教典」はアルバムCDを指します。
このように、聖飢魔Ⅱを語る上では避けて通れない悪魔用語についても折に触れて解説していきますね。
旧約聖書『創世記』
悪魔教を布教するために音楽活動をしていた彼ら。
そのためその作品の題材は神話などであることが多いです。
【アダムの林檎】も例外ではありません。
「アダム」とはそもそも最初の2人であるアダムとイヴのことでしょう。
そしてそのアダムが“禁断の果実”である「リンゴ」を食べてしまったことが、人間の苦しみのすべての原因。
我々が「つらい」「苦しい」「悲しい」と感じるのは最初の2人がリンゴを食べたからなのです。
すくなくとも旧約聖書ではそのようにされています。
しかし禁断の果実を食べたことはデメリットばかりではありませんでした。
それは人間が知恵を得た、という点です。
そのおかげで今の人類の繁栄があったと解釈されています。
さて、それではさっそく歌詞の意味をみていきましょう!
悪魔の果実
亡者
閉ざされた亡者どもよ 宴の時が来たぜ
屍と化す前に甘い刹那に酔いしれ
出典: アダムの林檎/作詞:デーモン小暮 作曲:ジェイル大橋
どこか地下の暗所に、死者たちが閉じこめられているのかもしれません。
「亡者」は死者とか、なにかに取りつかれて我を忘れているような人を指します。
死者であれば、その人が取りつかれているのは“死”でしょう。
あるいは“生への渇望”と言えるかもしれません。
解き放たれた亡者たちは、失われた生を求めてあなたのもとへにじり寄ってきます。
暗い欲望
燃えあがる快楽にひたりて歌え
叫べ心のままに 悪魔の果実で
出典: アダムの林檎/作詞:デーモン小暮 作曲:ジェイル大橋
また、アダムたちが悪魔の実であるリンゴを食べてしまったことでこういった影響もありました。
それはお互いの陰部を意識しだしてしまったということです。
それまでは純真無垢であった2人ですが、悪魔の実を食べたことで暗い肉欲に目覚めてしまったのでした。
このことが私たち人類におびただしいほどの悲劇をあたえたことは自明のことでしょう。
しかし、そのとき限りの命を燃やして生きていた太古の時代にはふさわしいものだったかもしれません。
肉欲による快楽は私たちにとってもっとも原始的なもの。
神ではなく悪魔によってもたらされたのだとしても納得がいく気がしてきます。
今ここで死者たちは悪魔の実によって原始的な生命をあたえられ、人間界へと進出してくるのです。
人間の欲望
禁じられていたもの
昔の楽園で禁じられた遊びは
欲望を呼び醒ます 摩訶不思議な秘め事
出典: アダムの林檎/作詞:デーモン小暮 作曲:ジェイル大橋