最初から「わがまま」
自分じゃ何にもできません
わがままなボクを愛してね
朝は起こしてね
電話したらすぐに出てね
出典: わがまま/作詞:畑山悠月 作曲:畑山悠月
KALMAの「わがまま」は、とてもシンプルな楽曲です。
彼等のライブでも、曲間のMCで用いられる程、手軽な楽曲となっています。
その歌詞も大変シンプル。
全体を通して「ボクってこんな奴なんだよね」が綴られたリリックです。
それは、まるで今の思いをただ連ねているだけのような仕様になっています。
しかしただ、本当に思いを連ねているだけなのか。
それは、このリリックを一つひとつ読み解けば分かること。
では、冒頭のリリックからご紹介します。
ボクはとてもわがままだけど、愛して欲しいという願いから始まるこの楽曲。
ただ、わがままであることを、発表しているのではありません。
ボクはできないから君がやってね。
まるで、そう開き直っているかのようです。
朝は弱いので自分では起きられませんから、起こしてほしい。
自分が電話をしたら、どんな状況にあっても必ず電話に出てください。
他人の自由は顧みず、まさに「わがまま」な性格が紹介されているのです。
寂しがり屋でもあるんです
気紛れなボクの
そばにいて
出典: わがまま/作詞:畑山悠月 作曲:畑山悠月
「わがまま」の楽曲のリリック。
冒頭からボクのわがままさを発表しつつも、同時にその本性を表しているといえるリリックです。
「ボクはわがまま」だといえば、自分勝手で傍若無人なイメージを持たれがち。
わがままを理由に、勝手なふるまいをしても許されるような。
しかし、このリリックはそれだけではありません。
「そばにいて」と寂しがり屋な面もみせます。
強さと弱さの両面を見せているのです。
そんな勝手な性格だけど、反面、寂しがり屋な部分もあることを表現しています。
勝手なふるまいをするボクだけど、自分が寂しがり屋だということも知っている。
そんな気紛れなボクだけど、嫌がらずに傍にいて欲しい。
わがままで甘えん坊。
ちょっと、他人から見れば面倒な性質なことは、ボクは重々承知しているようです。
それでもボクは、君に一緒にいて欲しいんだという気持ちでもありましょう。
心許せる相手は君だけだ。
だから、ボクを独りぼっちしないでねという懇願に似た気持ちを見せているのです。
夢はでっかく
お金はどうして増えるのか
いつか有名になって
お金が増えたら
出典: わがまま/作詞:畑山悠月 作曲:畑山悠月
お金が増えたら何をしたいでしょう。
こうした質問は誰しもが考えたことのある問題ではないでしょうか。
そして、こうした質問を考えるときは、大抵お金が無い時でもあります。
お金があるときには、何をしようかと考えなくてもいい。
でもお金がないときというのは、何故か時間を持て余すことも多い。
時間を持て余すと、大抵どうでもいいようなことを考えがち。
その際によく考える質問が「お金が増えたら」ということではないでしょうか。
加えてそのお金が増える理由というのもポイントになります。
「宝くじが当たったら」「有名になったら」。
こうしたことを考え付くときは、夢物語である場合も多いもの。
こちらのリリックでも有名になったら、と表現しています。
それには「何で」という先にくる言葉がありません。
もちろんKALMAの等身大でみれば、アーティストとしてというイメージも持てましょう。
しかし、そこははっきりしていない。
つまり、明確に何で有名になるという目標の無い夢物語なのです。
なんとなく、有名になればお金が増えると表現しています。
でも現実的に考えると、それではお金は増えないものです。
誰もが大好きな食べ物といえば
君のわがままに
なんでも付き合うよ
毎日焼肉食べに行こうよ!
出典: わがまま/作詞:畑山悠月 作曲:畑山悠月
夢は続きます。
「なんでも付き合うよ」このフレーズを鵜吞みにしてはいけません。
この表現は何かしてもらったときに、その感謝の意を表す表現として使われやすい言葉です。
でも、本当に「なんでも付き合う」かどうかは別。
いざ実際にそうなったとき、「なんでも付き合う」ケースは少ないもの。
「ありがとう」に似た感情で「なんでも付き合う」と言っているのです。
お金が増えたら、毎日焼肉食べに行こうというのも、同様の表現。
焼肉は、誰もが愛するものですが、とくに男子は好物の食べ物でしょう。
ボクは焼肉が大好きで、お金が増えたら毎日君を連れて焼肉食べに行こうというのです。
毎日ボクのわがままに付き合ってくれてありがとう。
お金が増えたら、君を連れて僕の好きな食べ物を食べに行こう。
このリリックには、そんなわがままな感謝と願望に似た表現が含まれています。