荒波に揉まれながらも進み続けようとするSHAKALABBITS
2017年を持って18年続いた活動にひと段落を付け、無期限活動休止へと突入したSHAKALABBITS(以下シャカラビ)。
活動休止の理由については詳しくは語られていませんが、同時にメンバーが後ろ向きな気持ちではないことも覗かせています。
そのことは彼らの様子だけではなく、解散ではなく休止という言葉を選んでいることからも伝わってきますね。
思えば2011年には人気メンバーであったベースのKINGの脱退などもあり、決して平坦とは言えない道を歩んで来た彼女たち。
荒波に揉まれながらも尚、飽くまでもシャカラビとして進み続けようという意志を見せていることにはメンバーの覚悟のようなものを感じさせられます。
2000年初頭の青春パンクブームに見事に乗っかったシャカラビ
彼女たちが頭角を現した2000年初頭というのは、まさに青春パンクブームの真っ只中でした。
激しいパンクサウンドに乗せて、叫ぶように想いを吐露するバンドがひしめき合うシーンの中、女性ボーカルでそのブームに乗っかったサウンドを繰り広げる姿はいかにも斬新。
日本の女性ボーカルで、UKIほど青春パンクのイメージが似合うボーカリストは居ないのではないでしょうか。
そう、シャカラビと言われるとその手のジャンルがブームだったこともあってか、この頃のイメージが付いて回ります。
そしてこの頃の楽曲が幾度となく歌われてきたことも事実。
2017年11月4日に行われた新木場STUDIO・COASTでの休止前最後のライブでも、もちろんこの頃の楽曲がたくさん披露されました。
長きに渡って愛されてきた名曲「MONSTER TREE」
そんな中から今回紹介するのは、この最終公演の一番最後の楽曲としても演奏された「MONSTER TREE」という曲。
2003年9月3日に、彼女たちのメジャー3枚目のシングルとしてリリースされた楽曲です。
この曲が最後の曲として選ばれたというのは、約14年にも渡ってファンに愛されてきた楽曲だということ。
それだけのパワーを秘めた曲だということも、聴いていただければきっと感じていただけるはずですよ!
UKIの男勝りな歌声
シンプルな音像にキャッチーなメロディ。
ストレートだからこそ胸に突き刺さってくるというのが青春パンクの醍醐味ですが、そんな中でもシャカラビを印象付けているのはやはりUKIの歌声ですね。
声を荒げて歌うその姿には、まさに突き抜けていくような勢いを感じさせられます。
この手のジャンルってどこか男らしさが売りなところがあるのですが、彼女が男性ボーカルのそれにも引けを取らなかったことにも納得ですね。
そして長年愛されて来た上で休止を前にして歌われた曲となると、当然歌詞の内容にも興味がそそられます。
それこそこの記事の本題!
ここから「MONSTER TREE」の歌詞をじっくりと読み解いていきます。
考え事はいつもモンスターツリーの上で
背の高いモンスターツリーに登る
祈れ 今日も混乱して騒がしい
出典: MONSTER TREE/作詞:UKI 作曲:MAH
主人公は何か嫌なことがあるといつも、モンスターツリーと呼んでいる大きな木に登っていたのでしょう。
その木の上で、あーでもないこーでもないと考えを巡らせるのです。
いわゆる隠れ家のような感じでしょうか。
大きな木の上なら人から見られることもないし、誰も登ってこない。
彼にとってモンスターツリーの上というのは、考え事をするのにはもってこいの場所だった。
この部分からはそんなイメージが浮かび上がってきます。
ツリーの上から見えた景色が教えてくれたこと
何ができるとゆう
愛してやまない人
笑わせる事くらい 簡単だ
世界失くすよりも
出典: MONSTER TREE/作詞:UKI 作曲:MAH
そんなモンスターツリーの上で考える今日のお題は「愛する人に何が出来るのか」ということ。
恐らく彼は愛する彼女を泣かせてしまうようなことがあったのでしょうね。
彼女を泣かせたくない…ならどうすればいい。
木に登る前は思い詰めていた彼でしたが、登って上から見えたものはきっと見渡す限りの街。
そんな広い世界を眺めて彼は「この世界をどうにかすることに比べれば彼女を笑わせることぐらい、簡単なことだ」と思えたのではないでしょうか。