繰り返すサビに残る絶望と希望
僕を染めれないならいっそのことデリートしちゃおう
バグッて明日が消えたとしても どうにかなりそうな気がするって
気がするって君となら ネ!
君となら ネ!
出典: デリート/作詞:あの 作曲:TAKU INOUE
そしてサビが繰り返されます。
本当は自分から愛したかったし、相手からも愛されたかった。
でもそれが無理なら人生を削除してしまってもいいかという気持ちが見え隠れします。
おそらく主人公はこのまま暗い気持ちを持ち続けながら、デリートせず生きるのでしょう。
ただ生き続けたことの意味がわかるのは、もう少し大人になったときかもしれません。
生と死のはざまを歩く主人公ですが、いつかは誰かに愛されてほしいと思わせられます。
この先、きっといいことはあるはず。そんな希望を残して曲が終わります。
終わりに
若い世代に寄り添うanoの歌詞
現代社会に生きづらさを抱えている若い世代は多いものです。
大人が上から目線で彼らに意見することは簡単でしょう。
でも当事者たちは、もがいてもはい上がれないつらさや苦しさ、焦りを抱えているのです。
それを知っているanoは、あくまで若者と同じ目線で「つぶやく」スタイルで若者の心を歌います。
言いにくいことを歌詞に乗せて全部代弁してくれることの優しさがanoの魅力なのです。
歌詞はところどころにショッキングなワードが散らされていますが…。
anoはきっと、孤独を感じている人の隣にただ座っていたいだけなのでしょう。
励ますでもなく、意見するでもなく…ただ寄り添うという気持ちが曲から感じられました。
ano独特の世界観をもっと知りたいならこちらの曲もおすすめ
若い世代のネガティブなリアルをもっと味わいたければ、anoの2枚目をおすすめします。
「デリート」から3か月後にリリースされた楽曲で、タイトルは「Peek a boo」。
消えてしまいたい思いを歌った歌で、POPなのに内容は救いがありません。
anoの可愛さと、歌詞の心の闇とがアンバランスで、ついつい引き寄せられてしまいます。
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きれいごとばかり言っていてもはじまらない。
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