【北島三郎/風雪ながれ旅】聴いたことない人に教えたい!北国を巡る男の生き様がかっこいい歌詞を解釈!の画像

アイヤー アイヤー
津軽 八戸 大湊

出典: 風雪ながれ旅/作詞:星野哲郎 作曲:船村徹

サビの部分は1番、2番、3番とまとめて見ていきましょう。

一番では津軽から八戸、大湊と青森県を旅しています。

アイヤー」というのは民謡から来ているようですが、なんとも哀切のこもった叫びのように聞こえてきます。

アイヤー アイヤー
小樽 函館 苫小牧

出典: 風雪ながれ旅/作詞:星野哲郎 作曲:船村徹

2番では北海道に渡り、小樽から函館、苫小牧へ。

アイヤー アイヤー
留萌 滝川 稚内

出典: 風雪ながれ旅/作詞:星野哲郎 作曲:船村徹

3番で留萌から滝川、稚内と北へ北へと流れていきます。

筆者は「風雪ながれ旅」を聴いて、なぜ寒い方へ寒い方へと行くのかずっと疑問に思っていました。

実在の人物をモデルにしたとはいえ、これは歌なので全てが事実ではありません。

作詞家が想像を広げ構築したフィクションです。

何か目的があって北へ進んだというより、男が歩む人生の過酷さの比喩として、この地名が選ばれたのかもしれません。

七五調の歌詞

もう一つの見方もご紹介します。

「風雪ながれ旅」の歌詞は七五調で書かれています

「やぶれひとえに しゃみせんだけば」で7・7のリズムです。「しゃ」は文字数は2文字ですが1音と数えました。

「よされよされと ゆきがふる」は7・5のリズムです。

このように7音と5音で成り立つものを、ここでは七五調とざっくり捉えてください。

昔の歌謡曲は、このような七五調で書かれているものが多いです。

歴史の古い学校の校歌などでも見られます。

サビの地名はすべて、3音と4音、5音から成り立っていて、これも7音と5音の七五調です。

つまり、七五調にぴったりはまる地名を選んで歌詞を書いたという見方もできます。

ちょっと身も蓋もない解釈ではありますね。

北島三郎の苦労時代

「風雪ながれ旅」をヒットさせたサブちゃんこと北島三郎は、押しも押されもしない演歌界の大御所です。

紅白歌合戦には50回出場を果たしています。

今や馬主としても有名です。

そんなサブちゃんも、歌手生活の始まりは「流し」でした

デビュー曲が発売禁止

ギターを片手に酒場を回り、客を相手に歌ってお金をもらう、そんな時代があったそうです。

この流しの時代にレコード会社の芸能部長に見出され、作曲家船村徹の門下生となります。

この後メジャーデビューを果たすのですが、ヒット曲が出るまでは苦労の連続でした。

舞台度胸をつけるため、ギター漫才のコンビを組まされたり、デビュー曲が一週間で発売禁止になったり。

大御所になった現在のサブちゃんからは想像もできないようなエピソードがあります。

こうした苦労を経験したサブちゃんが歌う「風雪ながれ旅」だからこそ、胸に迫ってくるのでしょう。

北島 三郎(きたじま さぶろう、1936年(昭和11年)10月4日 - )は、日本の演歌歌手、俳優、作詞家、作曲家、馬主。

『函館の女』に始まる「女」シリーズ、『兄弟仁義』などの「任侠」シリーズなど、数多くのヒット曲がある。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/北島三郎

ここで、風雪ながれ旅の動画を紹介します。

動画では1番と3番を歌っています。

3分ちょっとの動画なので、ぜひ聴いてみてください。

北国の厳しい冬、一人険しい道を行く男の姿が浮かんでくるでしょうか。

意外なあの人がカバー

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ここまで「風雪ながれ旅」とそのモデルとなった高橋竹山について紹介してきました。

サブちゃんだからこそとは書きましたが、名曲ゆえにたくさんのアーティストがカバーしています。

この曲を歌うことを一度は断った村田英雄、美空ひばり、水前寺清子を始めとする演歌・歌謡曲界の大物。

意外なところでは松山千春、もっと意外なところでは元野球選手・監督の落合博満もカバーしているんです。