同じメロディーの反復というミニマルな展開でも、最初は音数が少なく静けさが際立っていました。

2回目はエコーのエフェクトによる残響が印象的、3回目はリズムの変化球でトライバル感が漂い始めます。

見えているよ
見えているよ
見えているよ
見えているよ

出典: Signal/作詞:Wonk 作曲:Wonk

これまでは天上世界の男性が現実世界の人々に呼びかけ、声が届いていることを伝える流れでした。

3回目では姿が目視できていることを強調しています。

遠く離れた2つの世界でも、光や音という信号を介してつながることができるわけですね。

愛があれば伝わるべき存在に伝わる。

距離感がグッと縮まり、大地と天が直結するようなイメージです。

天上世界と現実世界という違いはあっても、光や音という信号を共有する同じ部族なのかもしれません。

「あなた」の存在意義

知りたい名前とは?

WONK【Signal】歌詞を和訳して意味を解釈!届いたのはどんなメッセージ?「あなた」の存在を考察の画像

Waiting in the dark
Howlings of a lost dog
Through the telescope
I just wanna see
what I can't see
And I want to tell
That I know you are there
So tell me your name
And I call your name
with all my love

出典: Signal/作詞:Wonk 作曲:Wonk

エモーショナルに高揚するはずのパートですが、3回目ではすかされます。

荒田洸(あらた ひかる)さんのドラムにより地響きのようなリズムが炸裂。

ボーカルも低音から入り、呼応し合って畳みかけるサウンドも圧巻です。

真っ暗闇の中で待ち続けてる
迷子の犬の遠吠えが聞こえる
望遠鏡を通して
ただ目に見えないものが
見たいだけなんだ
そして僕は伝えたいんだ
君が確かにそこにいるって
わかってるって
だから君の名を教えておくれ
そして親愛を込めて
君の名を呼ぶよ

出典: Signal/作詞:Wonk 作曲:Wonk

歌詞にも変化が見られます。

これまでは「光り輝く天上世界」から「影のある現実世界」へと呼びかけるイメージでした。

ところがここにきて男性は「影の世界」にいることが判明します。

そして、あなたが「そこ」に存在することを確信し、名前を知りたがっているわけです。

この「あなた」は誰なのでしょうか。

男性の正体も不明になりました。

様々な想像が膨らむはずですが、そのうちの1つということで独自に考察してみましょう。

MVでも描かれていたとおり、ここで天地が反転したのではないでしょうか。

これまで歌物語の主人公は、確かに光り輝く天上世界に存在していました。

しかし、現実世界の人間には天上世界があるかどうかもわかりません。

ただ、WONKとしては天上世界があると思いたいわけですね。

「そこ」つまり天上世界に「あなた」がいるように感じるという話です。

その「あなた」とは「すべてを愛で包み込む特別な存在」でしょう。

具体的な名前はあえて言葉にしないほうがいいかもしれませんね。

また、天上世界の存在になりきって現実世界を覗くと、愛ある光や音の信号をやりとりする人が見えそうです。

そんな現実世界の「あなた」の名前を知りたいとも解釈できます。

つまり、WONKが世の中を愛で満たす音楽を発信するから、この音楽を聴く人はしっかり受信してほしい。

そう解釈した場合の「あなた」は「この曲を聴く人」になります。

伝えたかったメッセージ

WONK【Signal】歌詞を和訳して意味を解釈!届いたのはどんなメッセージ?「あなた」の存在を考察の画像

All my love
All my love
All my love

出典: Signal/作詞:Wonk 作曲:Wonk

美しすぎるラスト。

ここで歓喜の涙が溢れるでしょう。

親愛をこめて
親愛をこめて
親愛をこめて
愛する人よ

出典: Signal/作詞:Wonk 作曲:Wonk

WONKは音楽という信号を発信して、愛のメッセージを伝えました。

この曲を聴くことによって信号を受信した人は、孤独感から解放され、愛で満たされたことでしょう。

他でもない「あなた」に、すべてを愛で満たす方法が綴られたメッセージが届いたことになります。

もしかしたら誰もが、愛という光を放つ特別な存在なのかもしれませんね。

最後に

WONK【Signal】歌詞を和訳して意味を解釈!届いたのはどんなメッセージ?「あなた」の存在を考察の画像

いかがでしたか?

Wonkの「Signal」はジャズ、ダブ、ミニマル&トライバルテクノといった様々な要素を含むサウンドでした。

実験的なソウルバンドが極まると、歌詞はゴスペルになるという話だったのかもしれません。

コアな音楽ファンにはたまらない名曲として語り継がれることでしょう。

さて、儚げなピアノの音色を響かせていた江﨑文武さんといえばmillennium parade(ミレニアムパレード)

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