SHOW ME SHOW ME 胸の奥のすべてを開いて
SHOW ME SHOW ME 深く深く 貴方を見つめているから
SHOW ME SHOW ME わかりあえる ふたつの心で
SHOW ME SHOW ME もっともっと 貴方を知りたい

出典: SHOW ME/作詞:A.CABRERA/B.KHOZOURI/T.MORAN/A.TRIPORI/森浩美 作曲:A.CABRERA/B.KHOZOURI/T.MORAN/A.TRIPORI

サビの歌詞は、AメロとBメロの要素が融合したかのようなトーン。

「胸の奥のすべてを開いて」と迫った後の言葉は「貴方を見つめているから」

相手に寄り添うスタンスを取りつつ、内面にまでは無理に入り込もうとしない理性が表れています。

そんなサビの歌詞は、表現上のギミックが隠されているようにも思えるのです。

その理由はAメロ、Bメロの歌詞にある言葉遣いが、サビとは違っているという点にあります。

Aメロ、Bメロで目を引くのは「気分だわ」「好きよ」といった、いわゆる女性語。

ところが、サビの歌詞に女性語は一切見当たりません。

これは、サビの歌詞は仮に男性が歌ったとしても成立することを意味しています。

愛や恋といったフレーズも排除されたサビの歌詞は、男女の情愛も超越したような表現。

冷静で理性的なサビの歌詞からは、単なるラブソングにとどまらないヒューマニズムを感じるのです。

ヒューマニズムもまた、男女平等社会を謳う新たな時代の中で尊重された価値観でした。

平成の音楽に受け継がれた男女の関係性

森川由加里【SHOW ME】歌詞の意味を解釈!バブル時代の象徴!?男性を元気づける優しい女性が素敵♪の画像

「SHOW ME」につづられた歌詞は、平成の音楽にも影響を及ぼします。

女性が男性を指す一般的な二人称は「あなた」

「SHOW ME」の歌詞でも「貴方」が使われています。

昭和が幕を閉じたのは、この曲が発売されてからわずか1年余り後のこと。

平成という時代は仕事も遊びも、女性がアグレッシブさを増した時代でもありました。

音楽の分野でも、ある傾向が浮かび上がります。

女性シンガーの曲に、男性のことを「君(きみ)」と呼ぶ歌詞が見られるようになったのです。

すぐに思いつく例を挙げれば、ZONE「secret base〜君がくれたもの〜」(2001年)。

JITTERRIN`JINN「夏祭り」1990年)、宇多田ヒカル「Automatic」1998年)などにも登場します。

相手を敬うニュアンスを含む「あなた」に対し、「君」はよりフラットな関係性を表す言葉です。

「SHOW ME」の歌詞で提示された、新たな男女の関係性。

それは確かに、来たる時代の音楽に連なる系譜でもあったことがうかがえます。

ユーロビートの時代

歌謡曲のような馴染みやすさ

森川由加里【SHOW ME】歌詞の意味を解釈!バブル時代の象徴!?男性を元気づける優しい女性が素敵♪の画像

1980年代後半は、ヨーロッパ発祥のダンスミュージックであるユーロビートの全盛期でした。

口ずさみやすく、エモーショナルなメロディーライン。

バスドラムによる4つ打ちがメインで、誰もがバイブスを上げやすいスピーディーかつ明確なリズム。

それらの特徴は歌謡曲のように親しみやすく、女性アイドルを中心に洋楽のカバー曲が次々と誕生しました。

後にJ-EUROと呼ばれるジャンルです。

 代表的な作品は、1985年にリリースされた荻野目洋子「ダンシング・ヒーロー(Eat You Up)」

長山洋子「ヴィーナス」BaBe「Give Me Up」

Wink「愛が止まらない~Turn It Into Love~」などが挙げられます。

これらの曲と並ぶ「SHOW ME」も、時代の先端を行くサウンドでした。

バブル時代の若者文化を象徴するディスコでも、頻繁にローテーションされていたのです。

生き続けるユーロビート

森川由加里【SHOW ME】歌詞の意味を解釈!バブル時代の象徴!?男性を元気づける優しい女性が素敵♪の画像

日本の音楽市場を席巻したユーロビートは、1990年代以降の邦楽にも影響を与えました。

ユーロビートを代表するイタリア人の音楽家デイブ・ロジャースは、安室奈美恵MAXなどをプロデュース。

J-POPにおけるユーロビートの流行をリードした人物として知られています。

小室哲哉が送り出した、いわゆる小室サウンドはユーロビートの流れをくんだ曲が占めていました。

2018年にヒットしたDA PUMPシングル「U.S.A.」も、原曲はイタリア人歌手によるユーロビート。

もはやカバー曲であることを感じさせないほど、日本人の耳に馴染むサウンドです。

ユーロビートは、それほど深く日本の音楽シーンに定着しているといえます。

ユーロビートのルーツの1つが、1980年代前半にイタリアで流行したイタロ・ディスコという音楽。イタリアのダンスユニット、フィンツィ・コンティーニが1985年にシングルカットした「CHA-CHA-CHA」(フランス盤タイトルは「Cha Cha Cha」)は翌年5月に日本でリリースされ、洋楽チャートで9週連続トップを獲得。同年8月に石井明美がデビューシングルとしてカバーし、年間シングルチャート1位に輝く大ヒットを記録しました。

まとめ

J-EUROの金字塔

オーストラリアの女性シンガー・ソングライター、カイリー・ミノーグの作品をカバーした曲。

人気女性アイドルユニットのWinkが歌ったことで、原曲も日本で大ヒットしました。

映像、歌詞から伝わるWinkの2人の魅力とは?

OTOKAKEライターが詳しく解説しています。

レコード大賞受賞アーティスト「Wink」のヒットソングでもある「愛が止まらない」。今回はこの「愛が止まらない」のMVについてまた、歌詞についても紹介していきます。

J-EUROの魅力は、曲に合わせた振り付けの華やかさにもあります。

荻野目洋子の「ダンシング・ヒーロー」は、バブリーダンスが話題となりリバイバルヒット。

バブル時代を知らない若い世代が、エネルギッシュな当時のイメージを表現したダンスです。

切れ味鋭い動きを分析するとともに、曲の素晴らしさにも触れたOTOKAKEライターの記事をどうぞ!

荻野目洋子さんの「ダンシング・ヒーロー」といえば、1980年代のバブル時代を代表する大ヒット曲ですが、この曲が最近再ブレイクしていることをご存知でしょうか?1985年発売のこの曲が、なんと2017年10月に突然ビルボートチャート2位に!その理由は○○ダンスなんです。

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