ここで歌っているゼロとは何なのでしょうか。
それは、ずばりコロナが蔓延する以前には戻ることはできない“今”を示しています。
今まで努力して積み上げてきたことが、コロナのせいで崩れてなくなってしまうことだってあります。
そこで何もかも諦めてしまいたくなるかもしれません。しかし、そこで後ろに下がっても何も生まれません。
どんな辛い状況でも大切な“今”を踏ん張りぬくしかないのです。
それなら、そんな辛い“今”をいっそのこと楽しんで乗り越えればいい。
そんな楽観的で前向きな想いが、この歌詞から感じ取れます。
“ほうき星”のようなキラキラ輝いた夢を叶えるためには、またスタートラインに立って頑張るしかありません。
不安を煽る社会に負けないように
不安の中でも、自分の道を見失わないで
まるで別世界に 放り出されても
戸惑いの連鎖に 染まらないで
出典: ほうき星/作詞:マオ 作曲:Shinji
ここではコロナ禍の生活は、別世界だと表現されています。
歌い出しであった“慣れない生活”というフレーズとは、また違う表現のように感じ取れるでしょう。
次の歌詞を見てみると、何かに警鐘を鳴らしているのかのように捉えることができます。
ここで歌っている“戸惑い”は、不安を煽るメディアや、SNSの情報などが挙げられるでしょう。
テレビのニュースやSNSを見ればマイナスな意見が飛び交うばかりです。
それらを見れば、不安にかられてパニック状態にも陥ってしまうかもしれません。
しかしそんな中でも、周りの意見や行動に流されないことが大切です。
自分を保つことが大切であると優しく警鐘を鳴らしてくれていると考えられます。
本当の敵の正体
君を煽り続け 出し抜こうとする
本当の敵は きっと あいつじゃない
出典: ほうき星/作詞:マオ 作曲:Shinji
メディアやSNSはあなたを不安を煽り続け混乱を誘ってくるかもしれません。
そういった社会の中で生活していると、メディアやSNSといった外的要因に注意を向けるようになるでしょう。
しかし、本当の敵はこういった外部からの影響ばかりではないかもしれないのです。
本当の敵は自分自身であるかもしれないのです。
外部からの影響に耳を傾けないためには、まず自分に保たなければなりません。
自分を保つことは大変なことです。不安が続けば、誰もが他人や社会にすがりたくなります。
人間は、強い生き物ではありません。他人に流されやすく、楽な道を好みます。
こういった側面を見れば、実は自分自身が敵だと思えてくるでしょう。
この歌詞の通り、本当の敵は外部から影響ではないのかもしれません。
元に戻れなくても、今をとことん楽しめ!
どんな状況も乗り越えてきたあなたは強い
喜び 悲しみも 乗り越えた
この繋いだ手は 誰も剝がせない
出典: ほうき星/作詞:マオ 作曲:Shinji
このパートでは、曲を聞いた人(ファン)たちを優しい言葉で褒めてくれています。
人生において、何かを達成した喜びや、涙したくなるような悲しみを一度は経験してきたことがあるでしょう。
そんな経験をしてきたあなた(ファン)たちはきっと心の強さを秘めているはずです。
そして一度決意すれば何者にも邪魔することはできないというような歌詞がここでは綴られています。
“繋いだ手”の先には誰がいるのでしょうか。それは誰でも構わないと思います。
家族だったり、恋人や友人だったりと人それぞれでしょう。
大事な人たちのため決意し、繋いだ手は絶対に誰も引き離すことできません。
そうした強いメッセージがこの歌詞に込められていると考えられます。
いつでも応援している
君に会いたくなった どうしようもなく伝えない
理由なら他にはいらない 今日も歌うよ
だから 今を描こう 何よりも大切な今を
戻れないなら ゼロを楽しもう また始めよう
出典: ほうき星/作詞:マオ 作曲:Shinji
シドが歌っている“君”とは誰なんでしょうか。
一番考えられるのは、やはりファンたちことでしょう。
どのアーティストも、コロナによって活動が制限され、コンサートやライブが行えずにいます。
シドは『SID TOUR 2019-承認欲求-』の振替公演を2020年1月に開催しました。
それ以降、一度もファンたちと対面して行うライブを行っていません。
そのため、シドのメンバーたちもファンと会える機会を惜しみながら活動しています。
そんな中で歌っているのが、この「ほうき星」です。
シドはこの「ほうき星」に綴られている歌詞を通じて、ファンたちを目いっぱい応援しています。
いつか会えるその日を信じて、今日も歌っているのです。