言わないで 言わないで
さよならは間違いだよ
何も解からない同志
こんな日もあるよ
なにげなく 傷ついて
さりげなく やさし過ぎて
そんな痛み覚える 季節じゃないか
戸惑う 気持ちで
行ったり 来たりさ 光りと影を
出典: ガラスの十代/作詞:飛鳥涼 作曲:飛鳥涼
では歌詞を詳しく解説していきしょう。
タイトルにもある通り、この楽曲が歌っているのは十代のこと。
そして"ガラス"だと表現されているのは、十代の心や生き様、もっと言えば存在そのものだと思います。
十代、つまり思春期の真っ只中にいる少年や少女たち。
全体を通して、彼らの繊細で揺れ動く感情を表現しています。
歌詞の冒頭、一度口に出してしまった「さよなら」を取り消そうとしている様子です。
相手は恋人でしょうか?
十代で初めて恋人が出来る人も多いでしょう。
大人になってから思い返せば"恋に恋している"ような恋愛も、当時は運命だと思って全力で恋をします。
スマートな恋愛とは言い難いものだけど、本人たちは必死にもがいているんですね。
そんな状況に当てはまるのがこの最初の歌詞ではないでしょうか。
思春期って、家族以外の他人と深く関わることを体験する時期でもあります。
そこですれ違って傷ついたり、悩んだりするものです。
この歌詞で印象的なのは、そんな事実を歌いつつも同時に客観的な視点で捉えている部分ではないでしょうか。
歌っている光GENJIメンバー自体も当時は十代。
この歌詞の内容がぴったり当てはまる世代です。
その渦中にいながらも、「いまはそういう時期だからね」とどこかクールな視線を投げかけています。
ここが当時の十代に刺さったのかな、と筆者は感じました。
自分が思春期のときって、なんかイライラする、なんとなくうまくいかない……。
そんな風に理由もよく分からず、気持ちがグラグラと揺れています。
でも「大丈夫、僕らはそういうものだよ」と言ってくれる存在がいたら、なんだかホッとできませんか?
それがこの楽曲なんじゃないかと思います。
有名なサビの意味
こわれそうなものばかり
集めてしまうよ
輝きは飾りじゃない ガラスの十代
出典: ガラスの十代/作詞:飛鳥涼 作曲:飛鳥涼
一番有名なサビの歌詞です。
"こわれそうなもの"がたくさんあります。
具体的には、友情や恋愛、親との関係や"はやく大人になりたい心"、などでしょうか。
どれも儚く不安定ですが、大人になっていく過程で欠かせないものです。
それを壊したり捨てたりするんじゃなくて、自分の手元に集めて大事にしているような表現になっています。
どれも脆くて上手に扱うのは難しい感情ばかり。
でもそれこそがいま自分たち十代の本物の輝きだから大切にしていきたい。
そういう意味に感じられました。
同年代に語りかける歌でもあり、同時に大人たちにも大事なものを思い出させてくれる気がします。
「あの頃大切にしていた感情、いまはどうしてる?」
大人になってから聴くと、そんな風に問われている気持ちになるサビです。
ままならない恋
泣かないで 泣かないで
僕だって強かないよ
迷い子にならぬように
見つめているから
つまずきは いつだって
僕達の仕事だから
落とした涙の色 忘れないで
切ない 恋だね
つま先 程だよ 何処へ行っても
出典: ガラスの十代/作詞:飛鳥涼 作曲:飛鳥涼
1番では明言されないまま歌われていた気持ちの揺れ動き。
2番では"恋"とはっきり言っていますね。
ガラスの心を持った者同士での恋。
大人のような打算は抜きで、もっと感情と感情がぶつかり合うような恋をしているようです。
ここでも1番と同様に、同じ立場にいながらもちょっと達観した視線を感じますね。
とくに5行目の"つまずきは~"からは、大人にとってはちょっとビクッとしてしまう内容かもしれません。
思春期の頃、どんなことを感じていて、何に苦しんで泣いていたか。
覚えていますか?と問われると、筆者は咄嗟に思い出せません。
当時はたくさん考えて思っていたことがあったはずです。
大人になって、思春期の頃の感情はいつしか見失っていることにこの歌詞を読んでいて気付かされました。
不器用な恋をしている若者の歌でもありながら、大人へのメッセージも含んでいる。
かっこいいパフォーマンスに目が奪われがちですが、案外重い内容が含まれた歌詞なんですね。
儚くも強い
ぎこちない恋でもいい
真実の愛なら
心には嘘はないよ 失くさない 君を
ずっと 強く 離さずに
もっと側においで
もっと側においで
吐息が Ah 風を生むまで
こわれそうなものばかり
集めてしまうよ
輝きは飾りじゃない ガラスの十代
こわれそうなものばかり
集めてしまうよ
輝きは飾りじゃない ガラスの十代
出典: ガラスの十代/作詞:飛鳥涼 作曲:飛鳥涼
より恋愛色の強い歌詞が続きますね。
大人は、思春期の恋をどこか軽んじてしまうところがあります。
子どもの恋だからどうせ続かない、と。
そんな大人たちへの反論とも取れる内容です。
ここまで、十代の心が脆いガラスのようなものだと歌ってきました。
一転、ラストにかけて力強さを感じる歌詞になっています。
移ろう心をそっと優しく抱きしめて大切にしよう。
だけど、これだけは譲れないという本物の想いがあるならそれを貫け。
ラストの曲の盛り上がりと歌詞の力強さには、そんなメッセージが込められているように感じました。
儚くも怖いもの知らずで真っ直ぐ。
そんな十代の輝きそのものを表現しているのが、この「ガラスの十代」なのでしょう。
カップリングも名曲
「ガラスの十代」のカップリングは「Graduation」という楽曲です。
この曲は作曲をCHAGE、作詞をASUKAが担当した卒業ソング。
隠れた名曲としても知られていて、卒業式で歌う学校もあるそうです。
ジャニーズJr.が歌い継いでいるので、それでこの曲を知っている人もいるかもしれませんね。
動画をご紹介するので、ぜひ「ガラスの十代」と一緒にこの楽曲も聴いてみてくださいね♪