この曲の歌詞は、恋仲と思われる二人の高校生が真夜中の学校で密会をするストーリーになっているようです。

冒頭のこのパートでは誰もいない学校の様子が歌われています。

それぞれの二面性

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こんな場所 選んだのは
最悪の趣味だけど
大人に邪魔をさせない
内緒で会うなら他にはないじゃない?

ここから先はStudent Dance
見つからないでSecret Place
カモン カモン カモン ボーイズ
オッオッオー パーティータイム

同じ制服でStudent Dance
火がつきそうDangerous Case
ハリー ハリー ハリーアップ
オッオッオー 恋をしろ!

出典: Student Dance/作詞:秋元康 作曲:SaSA

「学校」という場所は中高生にとって「社会そのもの」と言ってもいいでしょう。

反抗的な見方をすれば、学校は教師達に管理された場所です。

しかし教師達がいなくなった学校はどうでしょうか?

学校には教師以外の大人はほとんどいません。

そうなると彼らにとって学校は「社会」から「自分達だけの場所」へと変わるのです。

ちなみに曲名にもなっている「ダンス」は、2012年から中学校の体育の授業で必修科目となっています。

その一方で近年風営法の改正問題で深夜営業の飲食店への取り締まりが厳しくなったものです。

2018年1月には都内老舗クラブ「青山蜂」が摘発され、著名人の間でも話題になっていましたね。

ダンスは今「清」と「濁」両方の要素を背負わされているのです。

この二律背反も「Student Dance」におけるテーマの一つになっているのではないでしょうか。

歌詞にも名作へのオマージュが!

教師なんてKeep Out
教科書はいらない
校則なんてDiscard

親たちは知らずに
空っぽのMy Room
反抗的なMoonlight

出典: Student Dance/作詞:秋元康 作曲:SaSA

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「Student Dance」はMVだけでなく、歌詞の中にも過去の名作へのオマージュが込められています。

ここでは子ども達の反抗がストレートに描かれています。

この歌詞は恐らく「Pink Floyd」の「Another Brick in the Wall」から着想を得ているのではないかと考えられます。

Pink Floydは1960年代後半から現在に至るまで活躍を続ける大御所プログレッシブロックバンドです。

この曲は学校における教育や思想の統制を否定するものでした。

レコーディングで子ども達に合唱をさせて問題にもなりました。

 収録されているアルバム「The Wall」自体が「社会の抑圧に対する反抗」をテーマにしています。

 せっかくなのでリンクすると思われる歌詞を引用します。

We don't need no education(教育なんていらない)
We don't need no thought control(思考の統制なんていらない)
No dark sarcasm in the class room(教室内での暗い皮肉なんていらない)
Teachers leave them kids alone(先生達、子ども達を放っておいて)

出典: Anothe Brick in the Wall/作詞:Roger Waters 作曲:Roger Waters

このように比較すると、表現は多少違いますが内容はほとんど一緒ですね。

強い反抗と深い失望

信じていたのに...

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言うことを聞かされたら
糸を切れ!マリオネット
自由を信じたかった
ただ抱き合うなら絶好のロケーション

夢の中ではPassion Dance
感じるままにSexy Pause
Check it ! Check it ! Check it ! ガールズ
オッオッオー アディショナルタイム

忘れられないPassion Dance
どうすればいい?生き方Sense
キス キス キスミー
オッオッオー 誰とする?

出典: Student Dance/作詞:秋元康 作曲:SaSA

ここでは力強い反抗に加えて、深い失望も感じられます。

「信じたかった」という表現は、かつては信じていたということが推測出来ます。

学校は自由で開かれた場所ではなく規則で縛られる場所だったと分かってしまったようです。 

2番のサビに入ると、歌詞はより情熱的かつ挑発的になります。

MVでもこのサビの後に、欅坂46の十八番でもある激しいダンスを披露しています。

特に平手友梨奈さんのダンスは、いつもながら何かに取り憑かれたような迫力があります。

ちなみに彼女は女優業にも本格的に進出するようですね。

引き続き「不動のセンター」としてチームも引っ張っていって欲しいです。

最後には諦めの感情も

勝手気ままにStudent Dance
誰も止めるなEverybody Please
アハーン アハーン アハーン オールライト
オッオッオー アンダースタンド

朝が来るまでStudent Dance
人生なんてCome Loose
ラブ ラブ ラブミー
オッオッオー 楽しもう

Oh...
Oh...
Student Dance

出典: Student Dance/作詞:秋元康 作曲:SaSA

最後のサビでは諦めにも似た表現が出てきます。

そもそも誰もいない真夜中の学校に忍び込むのは、教師という「大人」に対して直接反抗は出来ていません。

そして最終的には抗うのではなく「好き勝手にルーズに楽しもう」という気持ちを表して締められています。

まとめ