わかっていること
苦労ばっかり かけるけど
黙って ついて来てくれる
心に笑顔 たやさない
今も おまえはきれいだよ
俺の自慢さ おまえとふたり酒
出典: ふたり酒/作詞:たかたかし 作曲:弦哲也
夫婦がお互いに苦労をかけあうのは、当然といえば当然ともいえます。
当然ではありますが感謝の思いは口にしなければなかなか相手には伝わりません。
若い夫婦であれば、感謝の言葉も抵抗なくでるのかもしれません。
この歌詞の年代の男性が妻に感謝を伝えるのはなかなかうまくないのではないでしょうか。
この歌の主人公が実際に口に出して妻に感謝し、妻を褒めたのかは不明です。
口に出したか出さぬかはわかりません。
しかし、心の中では妻の存在に感謝し気持ちをかみしめていることが伝わってきます。
なかなかいえない男の気持ち
女性が夫から言われてうれしいと思う言葉はいろいろあります。
その中でも「俺の自慢」というのは特別にうれしい言葉なのではないでしょうか。
「きれいだ」「すきだ」と何千回言われるよりインパクトのある言葉のように感じられます。
この歌の主人公の男性は若い男性ではありません。
長い人生を歩んできた男性が「俺の自慢」というにはとても深い背景が感じられます。
「俺の自慢」という言葉には、夫婦で歩んできた道のりが男性の人生そのものであることをうかがわせます。
男のやさしさ
「やさしい男性が好き」とはよく聞かれるフレーズです。
本当の意味でのやさしい男性、男性のやさしさとはどんなものなのでしょうか。
「ふたり酒」にしっとりと含まれた、「男のやさしさ」についてみていきましょう。
しあわせにするということ
雪がとければ 花も咲く
おまえにゃ きっとしあわせを
おいでよ もっと俺のそば
つらい涙に くじけずに
春のくる日を おまえとふたり酒
出典: ふたり酒/作詞:たかたかし 作曲:弦哲也
男性が好きな女性、愛する女性に対ししてやりたいとのぞむことはなんでしょうか。
「大切にするよ。」
「ずっと笑顔でいさせるよ。」
様々な言い回しはありますが、究極のところ「しあわせにしたい。」ということでしょう。
しあわせという言葉は意味が広くひとによっても感じ方がちがいます。
なにをすればしあわせになれるのか、と問われると正解はありません。
男性としては自分とともに生きてきて最終的に「しあわせだった」と妻が思ってほしいと願っています。
しあわせにしたいと思ってくれる伴侶の存在はひとつのしあわせの形であるといえるでしょう。
ふたりで待つ春
良いことばかりの人生がないのと同じく、つらいことはいつまでも続きません。
生きていくことさえつらいと思うこともいずれ雪解けし、春はくるのでしょう。
わかってはいてもときどき放り出したくなるときもきっとあります。
そんなとき、支えてくれる伴侶の存在があれば、ぐっと今を我慢して乗り越えられるのではないでしょうか。
夫婦とは、病めるときも健やかなるときもともに力を合わせて生きるものです。
つらいときを一緒に乗り越えてくれた妻と一緒に春を迎えたいというフレーズには精いっぱいの愛情を感じます。
男にとって妻と酒とは
「ふたり酒」の中でなんどとなく繰り返される「おまえ」と「酒」というフレーズ。
男性にとって、妻とお酒とはどんな意味をもつものなのでしょうか。
男にとって妻とは、酒とは
男性にとって妻とはどのような位置づけのものなのでしょうか。
また、男性にとってお酒はどんな意味があるのでしょうか。
この歌の主人公の男性は、社会でのしがらみやつらさを、妻のやさしさとお酒で洗い流しています。
会社に行けば社長や部長やと様々な階級がありそれぞれの顔で仕事をしなければなりません。
しかし、どの男性も家にかえれば妻とお酒を愛するひとりの男です。
男性にとって妻とお酒は、裃を脱いではだかで受け入れてくれるものです。
「おまえ」と「酒」は、世間とは対極にある安らぎの代名詞といえます。