大ヒット曲「藍二乗」
青年の思いと葛藤
ヨルシカのヒット曲「藍二乗」。
とある青年が音楽を辞めるに至った過程を描いたアルバム「だから僕は音楽を辞めた」に収録されています。
「だから僕は音楽を辞めた」は2019年4月10日にリリース。
「藍二乗」はその2曲目に収録されており、青年の音楽にかける思いと葛藤が読み取れます。
今回は、様々な憶測を呼んでいる歌詞の意味を探っていきましょう。
MVから読み解く背景
手紙に綴られているのは?

こちらは「藍二乗」のMV。
手紙をしたためているのは、アルバムの主人公である青年でしょう。
万年筆で何度も何度も手紙を書き直しているようです。
途中でギターを触ったかと思うと、「女性」の姿を思い出し呆然とします…。
無数の手紙からは「女性」への思いの深さがうかがえますね。
手紙に記されているのは「藍二乗」の歌詞。
「藍」と「エルマ」の意味
「藍」の意味
「藍二乗」の歌詞の中には2つのキーワードが出てきます。
1つ目は「藍」、2つ目は「エルマ」です。
歌詞を読み進める前に、この重要なキーワードの意味をチェックしてみましょう。
まず「藍」。
「藍」には以下の2つの意味が考えられます。
- 「藍色」という色彩
- 虚数単位の記号である「i」
深い青色を指し示す「藍色」…沈み切った心の色なのでしょう。
二乗されることで深く気持ちが沈んでいると考えられます。
次に、「藍」を読み替えて英語表記した「i」。
「i」は数学において虚数単位の記号を表します。
つまり、「iの二乗」=「-1」という意味。
主人公の中で何かが1つ欠けているのです。
いったい何が欠けてしまったのでしょうか?
「エルマ」って誰?
アルバム「だから僕は音楽を辞めた」収録曲の歌詞には「エルマ」という人物が頻繁に登場します。
いったい誰なのでしょうか?
MVに登場した女性はおそらく「エルマ」です。
アルバム全体のストーリーを見るに、青年がかつて出会った女性のようです。
青年の心の糧となり、彼にとって欠かせない存在であることがうかがえます。
では、「エルマ」に向けて綴られた手紙の内容を見ていきましょう。
呆然とたたずむ青年
青年はなぜ歌う?
変わらない風景 浅い正午
高架下、藍二乗、寝転ぶまま
白紙の人生に拍手の音が一つ鳴っている
空っぽな自分を今日も歌っていた
出典: 藍二乗/作詞:n-buna 作曲:n-buna
呆然とする青年。
「エルマ」と離れ離れになった後の時系列と考えられます。
早速、タイトル「藍二乗」が出てきましたね。
「エルマ」を失った喪失感に沈んでいるのでしょう。
拍手してくれるのは「エルマ」なのかもしれません。
青年は「エルマ」という観客一人のために歌っているのです。
音楽に取り組む原動力なのですね。