『靴の花火』について
まず、ヨルシカがどうのようなアーティストなのかや『靴の花火』の概要について紹介します。
『靴の花火』を生み出したヨルシカとは?
ボカロPやソロとしても活躍するn-buna(ナブナ)によって結成された2人組のバンド「ヨルシカ」。
ヨルシカは、表現したい世界観に合わせて楽曲ごとにサウンドを緻密に作り込むスタイルが特徴です。
そのような自由自在な音楽性から、ヨルシカの音楽の技術やセンスの高さを垣間見ることができるでしょう。
ヨルシカの代表曲として『言って。』『ヒッチコック』などがあります。特に『言って。』は、YouTubeでの再生回数が630万回を超えるなど高い人気を誇っています。
コメント欄を見ると海外の方の書き込みも多く、日本だけでなく世界からも高い評価を受けていることがよくわかります。
ボカロPとして活動していたn-bunaが、過去のワンマンライブにゲストボーカルとして参加したsuisと共に2017年に結成。バンドを謳ってはいるが、メンバーはボーカルのsuisとコンポーザーであるn-bunaの2名であり、バンドというよりもプロジェクトに近い。
ヨルシカというバンド名は、1stミニアルバム『夏草が邪魔をする』の収録曲「雲と幽霊」の歌詞の一節「夜しかもう眠れずに」から取られた。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/ヨルシカ_(バンド)
1stミニアルバム『夏草が邪魔をする』に収録
そのようなファンからの絶大な支持を集めるヨルシカの記念すべき1stミニアルバム『夏草が邪魔をする』に『靴の花火』は収録されています。
この曲は、透き通るようなsuisの歌声がn-bunaの生み出す構築された歌詞の世界観や独創的なサウンドととてもマッチしていて美しいです。
また、アルバムはとても耳になじみが良く楽曲もバラエティに富んでいるので、すべての曲を一気に聴いてしまうでしょう。
どの曲も素晴らしい曲ばかりで、リピートが避けられないと絶賛するファンの方もいらっしゃいます。
代表曲として紹介した『言って。』も収録。ヨルシカの音楽に興味を持った方はマストのアルバムです。
『夏草が邪魔をする』のアルバムトレーラー動画を下記に掲載しますので、気になった方はぜひ聴いてみてください。
宮沢賢治『よだかの星』との関係性は?
ヨルシカの『靴の花火』のMVをご覧いただくとわかりますが、宮沢賢治の『よだかの星』の文章が登場します。
この『よだかの星』と『靴の花火』がどのような関係性があるのか気になる方も多いでしょう。
まずは、この『よだかの星』のストーリーをざっくりと説明します。
他のタカからも醜いと邪険に扱われたよだかが、食べることを嫌悪し生きる事への絶望の果てに太陽を目指して空をのぼり続けて星になるというお話です。
切なくも深みのある物語なので、気になった方はぜひ読んでみてください。図書館に行けば必ずと言って良いほど所蔵されている名著です。
この『よだかの星』の物語と『靴の花火』の歌詞の世界観はリンクしています。そのため、『よだかの星』を理解すればさらにこの曲が深く楽しめるでしょう。
歌詞の意味を解釈
『靴の花火』の深い意味が込められた歌詞の意味を解釈していきます。
言葉では伝えられないけれど
ねぇ ねぇ
何か言おうにも言葉足らずだ
空いた口が塞がらないから から
ねぇ ねぇ
黙りこくっても言葉要らずだ
目って物を言うから
忘れていくことは虫が食べ始めた結果だ
想い出の中じゃいつも笑ってる顔なだけ
出典: 靴の花火/作詞:n-buna 作曲:n-buna
『靴の花火』は、好きな女の子との別れを描いた曲だと思います。
好きな相手に何か伝えようとしても、言葉では上手く伝えられないものです。伝えたいと思えば思うほど、気持ちとは裏腹の言葉しか出てこない時もありますよね。
「空いた口が塞がらない」は呆れた様子をあらわします。ここでは、元々の意味と物理的に口が開いているから何も言えないという2つの意味があるでしょう。
言葉が言えなくても、気持ちは目で伝わります。昔から、「目は口ほどに物を言う」ということわざもあるほどです。
虫が自分の都合の悪い記憶を食べてしまったことを忘れていくと表現しています。
そのような虫食いの記憶からはつらいことは消えさり、彼女の笑っている顔だけが浮かぶのでしょう。
そこに彼女がいなければ、思い出すたびに切ないですね。
よだかのようにはなれない
ねぇ ねぇ
君を知ろうにもどっちつかずだ
きっと鼻に掛けるから
清々することなんて何にもないけど
今日も空が綺麗だなぁ
僕の食べた物 全てがきっと生への対価だ
今更な僕はヨダカにさえもなれやしない
出典: 靴の花火/作詞:n-buna 作曲:n-buna