暁に 胸の中
叩く音 とまどい
夢の中 近くとも
どんなに 遠きことか

出典: 暁/作詞:s-Tnk 作曲:三留一純

夜明けに心をノックするのは誰だ。

頼むから私を惑わすのは止めてくれ。

夢の中ではあんなにも傍にいたのに。

現実のあなたはなんて遠いんだろう……。

あなたを決して忘れたりしない

今 映し出す 離れない 記憶は
叶わない 約束としても
深く(響き)渡り
身を尽くして ただ 羽ばたいてく

そう 舞い落ちる 花びらは 夢想の
彼方へと 呼び覚ましゆく
出逢い(深い)調べ ざわついた 隙間にも

「心にも あらで憂き夜に 長らへば…」
追えど見えぬ 掻き分けて 雲の間に 輝いて

出典: 暁/作詞:s-Tnk 作曲:三留一純

心に貼りついているたくさんのあなたのこと。

再び会うことは叶わないとしても、深く深く、心に響き渡っているよ。

私の全霊をかけた想いはすべてがあなたに向けられている。

そう、舞い落ちる花びらは私を夢の彼方まで誘うのだ。

あなたと出逢ったあの日のことや、あなたと奏でた旋律が蘇ってくる。

また私の心をざわつかせるのか。

「望んでいない重苦しい夜がこれからもずっと続くのか……」

夢の中、懸命に追いかけたけどあなたの姿はどこにもない。

心の奥を掻き分けて進んでいたら、胸の奥でひっそりと輝いていたあなたがいたんだ。

主人公の「うき世」は「憂き夜」

「心にも あらで憂き夜に 長らへば 恋しかるべき 夜半の月かな」

出典: 暁/作詞:s-Tnk 作曲:三留一純

最後は和歌をそのまま引用していますが、これまでの歌詞の意味を踏まえると違う解釈ができます。

心の奥でずっと彼女を想っている主人公の気持ちを考えると……。

「あなたに会えないままの夜がこれからも続くのか。

夜更けの月のように白く滑らかなあなたをずっと恋しく想っているよ」

というのはいかがでしょうか。

元の歌は「うき世」ですが、歌詞では「憂き夜」となっています。

三条院は「現世」を儚んで歌った内容ですが歌の主人公にとっては「憂いに満ちた夜」なのです。

人生の無常観を叶わない恋に置き換えつつ、言葉選びも和的で雅やかで……。

改めて美しい歌だと知ることができました。

映像で見るならこちら!

嵐(大野智)「暁」の歌詞を徹底解説!引用された百人一首の影にあるのは悲恋?!雅やかな歌詞をご堪能あれの画像

アルバム『Japonism』を引っ提げたツアー『ARASHI LIVE TOUR 2015 Japonism』。

こちらのコンサートDVDで「暁」を歌って踊る大野さんが見られます!

歌の前に、Jr.時代に舞台「KYO TO KYO」で演じていた「MASK」が久し振りに披露されました。

和装姿で歌舞伎の隈取のようなマスクを剥がしながら何本もの傘を出していくマジックのような演目です。

衣裳もマスクもみるみる変わって、瞬きをするのが勿体ないと思ってしまうほど。

元々は少年隊の東山紀之さんが舞台「PLAYZONE'90 MASK(1990年)」で演じました。

その後、大野さん以外にもKinKi Kidsの堂本光一さん、滝沢秀明さんなどに継承されています。

階段の上からステージ端の足場のようなところへの瞬間移動もあり。

ファンは「いつの間に!」と驚きを隠せません。

「MASK」から「暁」へ

センターステージで最後のマスクを取ると、いつにないドヤ顔の大野さん。

「MASK」が終わるとついに「暁」の披露です。

曲の雰囲気から和装のままかと思いきや、黒ベースのスーツに早変わり。

右肩から袖口にかけて赤やシルバーの素材で花柄が縫い込まれていて、とてもエレガントです。

ジャケット丈は少し長め。

ターンした際に裾が翻り、動きの余韻が出るように作られたのだと思います。

「千切れ雲」や「さざ波」の辺りは空や波を思わせるしなやかな腕の動きで魅了します。

大野さんの手は「包む、撫でる」などの優しい動きから「別(わか)つ、切り離す」の強い動きも……。

本当に手の表情が豊かな人だなと感嘆しました。

そして「鮮やかに輝いて」と「雲の間に輝いて」の部分では「月夜」を表現。

両手の平を客席側に向け、親指同士と人差し指同士を重ね真ん中に隙間を作ります。

両手をそのまま上げていくと指の隙間が「空に浮かぶ月」として見えるのです。

なんて雅な世界……!

コンサート全体が和テイストで作られているので、いつも以上に絢爛豪華な衣装も見どころです。

「暁」が気になったらDVDをぜひチェックしていただきたいです。

20周年目前!

平成最後の紅白も決定!

嵐(大野智)「暁」の歌詞を徹底解説!引用された百人一首の影にあるのは悲恋?!雅やかな歌詞をご堪能あれの画像

大野さんのソロ曲「暁」はいかがだったでしょうか。

は2018年、シングル「夏疾風」が第100回「全国高等学校野球選手権大会」の応援ソングとして発表。

年末には平成最後の紅白歌合戦に出場が決まりました。

メンバーの櫻井さんが白組総合司会を務めることも決まり、印象深い年でした。

そして2019年11月にはデビュー20周年を迎えます。

20年目も上昇を続ける予感のから目が離せません!

このあとはアルバム『Japonism』から櫻井さんと二宮さんのソロ曲の記事を紹介します。

こちらも併せてご覧くださいませ。